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倉橋由美子の怪奇掌篇 (新潮文庫)
  

倉橋由美子の怪奇掌篇 (新潮文庫) (文庫)

倉橋 由美子 (著)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

夜になると体を離れて首だけが恋人のもとに通う娘の怪しげな恋慕と残酷な死「首の飛ぶ女」。長風呂がたたってガイコツになった少年の病名は突発性溶肉症と診断された「事故」。夢の中に現われる世にも醜悪な男のたくらみ「交換」。元宰相ボーブラ氏はいかにしてカボチャ顔になったのか「カボチャ奇譚」など、幻想・残酷・邪心・淫猥な世界を、著者独特の文体でえぐりだす怪奇短編20編。

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5つ星のうち 5.0 比類なき傑作, 2003/9/4
By ymatsui4 - レビューをすべて見る
(TOP 500 REVIEWER)   
残酷童話の場合には、童話形式の、またパロディーの時は原作の、双方から話は制約を受ける。これに対して、怪奇談には内容、形式に制約がない。そこで、美しい吸血鬼、美しいカニバリストを始めとして、世にも怖ろしい話が語られる。どう読んでも正体の分からない怪物も。倉橋由美子の作品はどれも素晴らしいが、この掌編集は、一段と立ち勝って、冴えている。このような作品を絶版にする出版社は、何を考えているのだろう。
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4 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0 理知が産出す怪異談, 2006/9/17
By 紫陽花 "玲瓏" (神奈川県相模原市) - レビューをすべて見る
(TOP 50 REVIEWER)   
「大人のための残酷童話」の姉妹編とも言うべき作品。「残酷童話」が文字通り、童話、ギリシャ神話等を下敷きにしていたのに比べ、本作はオリジナルティ性が強い。もっとも神話の神様は相変わらず登場するし、"ペンシルヴェニア"産の"赤ワイン"を賞味する「ヴァンピールの会」等原典が明らかなものもある。ただし、作者の料理の仕方が独創的なのだ。

この他、体の中の蟹(=cancer)の声が聞こえる話(これは怖い !)、「飛頭蛮」と呼ばれる現象で、少女の首だけ夜な夜な愛人の元へと飛び回る話、"突発性溶肉症"という病気を発症し骸骨になった少年が交通事故に遭い、そのまま骨壷に入る様を淡々と描く話、アポロンの首を栽培する女の話、神話の神々の衆愚性への風刺、宇宙旅行と道士とを組合わせた話、性交のスタイルへの強烈な皮肉、カニバリズムの話、カボチャ頭を巡る哄笑談etc....。

いずれも作者の独創性が光り、物語に浸るほど恐怖(作品によっては嗜虐的笑い)が染み渡ってくる。見逃せないのは、いずれも作者の理知的な観察眼と構成力から成り立っている点だ。また、いずれの作品も(ブラック)ユーモアに包まれていることも特徴だ。「残酷童話」を読んだ時にも感じたが、作者の聡明さには本当に感心する。

こららの続編がもう読めないことは、本当に残念だ。
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3 人中、1人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0 不思議で怖くて楽しい掌編集, 2004/2/18
By 竹の梯子 - レビューをすべて見る
(TOP 500 REVIEWER)   
倉橋由美子の小説は耽美的でユーモアに満ちた独特の世界を形成している。ぼくは「スミヤキストQの冒険」の持つ「毒」にあたって倉橋由美子中毒になった口なのだが、本書は倉橋由美子のいろんなエッセンスが詰まった入門書として最適だなと思う。本書に収録されたガリバー旅行記のパロディを読んでいると、「アマノン国往還記」の世界を彷彿とさせるものがあり、にんまりさせられた。架空の世界ないし国に単身流れ着いた男が翻弄される漂流譚を書かせると、倉橋由美子の右に出る者はいないだろう。また「首」に纏わる掌編も2本あるのだが、なんとも形容しがたい不思議で怖い話であった。
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