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歌行燈・高野聖 (新潮文庫)
 
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歌行燈・高野聖 (新潮文庫) (文庫)

泉 鏡花 (著)
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商品の説明

出版社/著者からの内容紹介

淫心を抱いて近づく男を畜生に変えてしまう美女に出会った、高野の旅僧の幻想的な物語「高野聖」等、独特な旋律が奏でる鏡花の世界。


著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

泉 鏡花
1873‐1939。金沢生れ。本名・鏡太郎。北陸英和学校中退。1980(明治23)年上京、翌年より尾崎紅葉に師事。’95年発表の「夜行巡査」「外科室」が“観念小説”の呼称を得て新進作家としての地歩を確立。以後、「照葉狂言」(’96年)、「高野聖」(1900年)、「婦系図」(’07年)、「歌行燈」(’10年)等、浪漫的・神秘的作風に転じ、明治・大正・昭和を通じて独自の境地を開いた。生誕百年の’73(昭和48)年には金沢市より泉鏡花文学賞が創設された(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

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5つ星のうち 4.0 言葉のもつ呪術性, 2004/11/13
泉鏡花も言葉のもつ呪術性、言葉に霊が宿る。ということを信じる作家であった、ということを知り興味をもった。彼は新聞の切れ端でも、ちょっとでも文字の書いてあるものは、おろそかに粗末にしなかったらしい。
泉鏡花の小説は、できるなら旧仮名遣いの原文に近い形で読むのが、本当なのだと思う。私は苦手なので、現代の仮名遣いと照らし合わせないと読めないのですが、言葉ひとつにルピまでふってこだわる泉鏡花の作品は、そうしないと本当の意味で、彼の言霊を味わうことはできないのかもしれない。そして耳で聞いても美しいけれど自分の目で文字を見ないとわからないところがある。

例えば高野聖の中で、(これも本当は旧仮名使い。でもフォントが無いのでここでは現代語)
「あなたはほんとうにおやさしい」
泉鏡花は「本当」を「真個」と書いて、「ほんとう」と読ませる。
私は勝手に、これはまこと、誠、真、により近い本当の造語なのかしら等と思わされるのですが。
色々映像化もされていますけれども。まずは、やはり活字で読んでこその鏡花なのではないかと思います。

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5 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 ハイ・ファイドリティ, 2008/8/29
作り手の情念やイメージを受け手の心に再現させるのがアートだ。媒体、ジャンルが違っても、この原則はかわらない。多少のずれも味のうちだが、どこまで忠実に伝えるかが基本。このファイドリティの追求が芸であり、到達点が高ければ、よい芸だといってよい。

桑名を舞台に能役者の伯父、甥の運命的再会を描いた「歌行燈」は、そのお手本だ。中短編にもかかわらず物語を交錯させる手法は、ほどよく複雑。そのなかで、心理のあやはもちろん、絵と音までもが精巧によみがえる。繊細な描写による構成の妙。驚くほどの再現性だ。映像的な文学は数多いが、これはそれらをはるかにしのぐ。本家の映画といえども、字幕か何かで心理描写をおぎなわない限り、この濃密さをこえるのは難しいだろう。

個々のパーツを設計図通りに組みたてれば、これほどの再現性が得られるのだ。その見本がここにある。アートとは科学であり、著者はそれを熟知していたようだ。天才とは畢竟それをいうのだろう。「歌行燈」は文学としてだけでなく、芸事の教科書としても一級品。主人公自体、芸の神髄にふれた人というのも心憎い。読みとくたび得るものがあるこの小説は、芸の術をきわめたいアーチスト、クリエーターには必修だ。

一般に泉鏡花は耽美的な幻想文学の旗手として知られている。そういうことには詳しくないので、以上、独自の考えを述べたが、専門の研究者やファンの不興を買うかも知れない。現に以前、鏡花研究セミナーで同様の発言をしたら、まわりから白い目で見られた。見当違いの門外漢が何をいうか、との雰囲気になり、いたたまれなかった。的はずれなことをいっているつもりはないのだが、一体どうなのだろう。

今回は代表作「歌行燈」について特記したが、この本には「歌行燈」「高野聖」の表題作ほか、「女客」「国貞えがく」「売色鴨南蛮」の短編も収録されている。
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5つ星のうち 5.0 『高野聖』の人気の秘密, 2004/11/30
名作と評される『高野聖』の広範な人気の秘密は、どこにあるのでしょうか?題名は、高野山で修業した聖(ひじり)。浄土宗の修験僧。諸国を遍歴し法話を語ることで、布教をするのが役目。その人が雪の宿で夜半に、若者に語る「山の高さも谷の深さも底の知れない一軒家の婦人(おんな)」の物語。水量の豊富な谷間での、ともに裸体での沐浴。暑い夏の日の涼しさ。背中に女の吐息のぬくもり。花のような汗の香。皮膚感覚の描写の鮮烈。当今の露骨なポルノ小説の達しえぬ、若さの懊悩と歓喜の対照。その妙にあるのでは?
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