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河童・或阿呆の一生 (新潮文庫)
 
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河童・或阿呆の一生 (新潮文庫) (文庫)

芥川 龍之介 (著)
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5つ星のうち 4.0 静謐。, 2003/7/26
By mbookdiary - レビューをすべて見る
(TOP 50 REVIEWER)   
すべての作品を通して、冷静で真摯な作者の心が垣間見られるような気がする。「河童」は素直に、童話のように読んでも面白いと思う。純粋なこころで、物語を書くと、このようなかわいらしい物語も、まるで透き通った水晶のような優しさにつつまれるものだと感じた。「歯車」は様々な日常の偶然を書き連ねた作品であるが、その沈着冷静な生を見る視点は穏やかな語り口の中に、あたかも切れ味の良いかみそりを抱えているようでもあった。怪しい美しさがある。
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12 人中、11人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 芥川に触れる一冊, 2004/5/4
 今まで一体どれほどの人が、この後期芥川の狂気の世界観に影響されてきただろうか。おそらく、星の数ほど議論されてきた芥川の末期の思想の中で、一体どれほど正確にそれをつかんでいるものがあるだろう。おそらく多分ないだろう。それほどこれらの作品は常軌を逸している感を否めない。特に『歯車』ではドッペルゲンガーの影に悩まされているような描写があり印象的だ。

 また『河童』では精神障害が逆に正常に転化するような世界、『或る阿呆の一生』の狂人の子供という、遺伝に苛まれる芥川の姿、といった世界は少なからず我々が隠し持っているそれに共通していることにふと気付かされる。これらの作品はそういった我々の押し込められている何かを、表面に浮かび上がらせるような力が存在する。小説家の技量と言うより、人間としての芥川の魅力に触れられる一冊と言えよう。

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4 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 ありえないけど現実的な話, 2006/10/26
ユーモラスだけど、ちょっと現実味があって自分の身にも起こり得そうな話です。人間社会全体を批判するために架空のキャラクターである河童を使うあたりも、なにかこだわりがある感じがして恐ろしいです。

この作品は自殺前の芥川が感じていた人間社会(とくに日本社会)への痛烈な批判が描かれていると言われています。確かにそれは見ものです。しかしそれに隠れているような感じになっていますが、”異文化交流の産物”をうまく絡めて描いていると思います。願っていた日本への帰還が果たせたはずなのに、主人公がまた河童の世界に戻りたいと願う場面。この異文化に適応した結果自国の文化を否定するようになる、まさに異文化の外国で生活する人なら一度は体験するUターン症候群。一種の逆カルチャーショックです。この現象と作者自身の日本社会への失望をうまくからみ合わせたところに作者のすごいテクニックを感じました。しかし異文化から帰ったときのカルチャーショックの経験なら誰しも持つものだし、通常なら数ヶ月で回復するはず。ところが彼の心にはずっと河童が住み着くことになる。ということは異文化交流うんぬんの問題ではなくなる。彼が戻った世界は河童の国から見たら”阿呆”の考えそのままの世界。住みにくい、矛盾の多い世界の否定、そして放棄。これが彼の自殺の理由を物語っているのではないかと思わせる。河童の世界で楽しく生きている芥川を想像するとちょっと心が救われるのだけど。
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読んでいて気分が悪くなるほどドライで打算的で合理的で下世話。高度な文化を持ちながらもとても高尚とは言えない、そんな河童の生活世界に託し、近代的自我をテッテ的にカ... 続きを読む
投稿日: 2005/5/27

5つ星のうち 4.0 マストで読め
彼の作品は前期と後期で大きく違う。賛否も評論だが、私は「歯車」「或阿呆の一生」「河童」などに強く惹かれる。久々に小説に深く感銘を受けた。「阿呆・・」は、なんとも... 続きを読む
投稿日: 2004/2/16 投稿者: ぽこぺん

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収録されている「歯車」のような、芥川の実生活に題材をとった作品は、作者の人となりを知る上で貴重だと思うが、「河童」のような架空の生き物を主題とした作品は、純粋に... 続きを読む
投稿日: 2003/1/6 投稿者: たかおか

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