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蜘蛛の糸・杜子春 (新潮文庫)
 
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蜘蛛の糸・杜子春 (新潮文庫) (文庫)

芥川 龍之介 (著)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

芥川がいつも冷たい皮肉屋であったわけではない。むしろ本当に願ったものは、人間の本来持っているやさしさである。そのような芥川のやさしさが出ている作品を主とし、さらに空想的世界のひろがりを見せてくれる伝奇的な作品等をえらぶことにした。小学上級以上。 --このテキストは、絶版本またはこのタイトルには設定されていない版型に関連付けられています。

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14 人中、13人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 人道的な物語。, 2004/12/5
By M (兵庫県神戸市) - レビューをすべて見る
私は結構いろいろな作家の本を読んできたつもりではありますが、そのなかでも、芥川龍
之介の魅力はイマイチつかめないでいました。というのは、芥川はなぜか短編しか書か
ず、しかもその短編は殆どどこかの文献のアレンジであるからです。長文小説を出すこと
が作家の前提だろうと思っていた私にとって、彼に魅力を見出すことは困難だったので
す。
その上知っている限りでは、この短編集の冒頭の「蜘蛛の糸」はほとんどドストエフス
キーのカラマーゾフの兄弟の中の挿話「一本の葱」そのままです。私はこの「蜘蛛の糸」
を読み始めたときには、まだ、「芥川って所詮こんなものか」などと考えてしまっていま
した。

しかしそのような失望は、その次に続く彼のさまざまな短編を読むことによって徐々に
「楽しみ、感動」に変わってゆきました。この短編集を呼んで考えたことは、彼は非常に
人道主義的な作家だということです。

特に、「杜子春」の最後には大きな感銘を受けてしまいました。それまでの、「芥川=短
編=中身がない」といった考えが音を立てて崩れていく思いがしました。この短編集の作
品は、個人的に引っかかる「蜘蛛の糸」を除けばどれも一級品の短編であるという考え
を、読み進めるにつれて進めて行きました。

再び書きますが、「杜子春」は短編でありながら、どんな天才作家の長編にも引けをとら
ないクオリティーを内包しています。そこには親子の愛という、最も美しい愛の形が、見
事なまでに綴られており、私は杜子春とその母親を自らに置き換えることによって、その
愛情描写を味わいました。

この本は薄い本なので、全ての作品を読むのはたやすいですが、時間のない人にはぜひ
「杜子春」を読まれることをお薦めします。巻末の解説では、「『杜子春』は『蜘蛛の
糸』に次ぐ名作である」とありましたが、私的にはこの「杜子春」こそこの短編集の本質
であり、心臓部であると思いました。

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11 人中、10人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 犬が好きなんです。, 2006/1/26
 この文庫の何がいいって、「白」がいいんですよ。
 芥川龍之介というと、教科書になってたり、文学賞の名前になってたりで、いかにも堅い文学、というイメージがあると思われるが、本当の芥川龍之介の文章というのは、スピーディで、内容もエンターテイメントなのだ。本当に文章がうまい。文章がかっこいい。そして作品によっては熱い! 「白」というのは、「白」という名前の白い犬が、仲間を見捨てて逃げたために、黒い姿となって、飼い主にも飼い犬と認められず、石を投げられ、一匹放浪する、という話だ。自暴自棄になった白はなりゆきで子犬を助ける。その時の「白」のセリフったらもう、泣きますよ、あなた。銀牙そこのけの熱さだよ! 
 食わず嫌いはやめて、芥川龍之介は読むべしです。
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14 人中、12人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 画家の視点, 2007/7/8
By くにたち蟄居日記 (Surabaya,Indonesia) - レビューをすべて見る
(TOP 50 REVIEWER)   
 この本を見ていると 芥川は 童話を書くにおいても 達人であったことに改めて驚かさせた。芥川の才能の引き出しは 本当に色々とあった事に今 気がついているところだ。

 但し 芥川はどのような意図で これらの童話を書いたのかという点は考え直されても良いと思う。本当に 子供用に彼が書いたとは 俄かに思えないからだ。

 例えば「蜘蛛の糸」を考えたい。芥川がこれを書いた意図は 抹香臭いお説教ではないと思う。彼が 本当に魅入られたのは 天国と地獄の間に一本の糸が繋がれており その糸を一人の男が登っているという 一幅の風景であったような気がしてならない。
 芥川の絵の才能は 河童の屏風絵などでも知られているわけだが そんな画家としての視線が 天国からふわりと落ちていく蜘蛛の糸を凝視しているような気がしてならない。

 
 
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