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堕落論 (新潮文庫)
 
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堕落論 (新潮文庫) (文庫)

坂口 安吾 (著)
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商品の説明

出版社/著者からの内容紹介
【日本は負け、そして武士道は亡びたが、堕落という真実の母胎によって始めて人間が誕生したのだ】と説く作者の世俗におもねない苦行者の精神に燃える新しい声を聞くであろう。(檀 一雄/磯田光一)
--このテキストは、絶版本またはこのタイトルには設定されていない版型に関連付けられています。

内容(「BOOK」データベースより)
単に、人生を描くためなら、地球に表紙をかぶせるのが一番正しい―誰もが無頼派と呼んで怪しまぬ安吾は、誰よりも冷徹に時代をねめつけ、誰よりも自由に歴史を嗤い、そして誰よりも言葉について文学について疑い続けた作家だった。どうしても書かねばならぬことを、ただその必要にのみ応じて書きつくすという強靱な意志の軌跡を、新たな視点と詳細な年譜によって辿る決定版評論集。

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5つ星のうち 4.0 誠実で強靭な求道者的狂気, 2004/10/11
 「人間は必ず死ぬ。死ねば一切の全てが無くなる。そんな簡単な事は
当たり前過ぎる事だ。だからすぐ死ねばいい、という事にはならない。
そんな風に生を冷笑してみても、何一つ救われはしない。だから青臭く
ても泥臭くても棒切れを握ってでも、何がしか生きる証を立てる為に闘え。」

 「一切の虚飾や構えを剥取り、己の能力を徹底的に容赦なく冷厳に
把握し、己の生の証を立てる目標に、最も効率的な手段の全てを尽して
闘い続けよ。」

 著者の一般読者向けに何度も繰り返されるモチーフをあえて纏める
とこうなる。元より著者は「堕落」の極みとして掲げたこれらの「建前」
に己を託しきれる程に単純ではなかった事は、吐露や独白、後髪を振り返り
苦痛の激しさにのたうつ姿のおぼえざる開陳からも嫌と言う程伺える。

 だが著者は胆を図太く絞まらせ、覚悟を決め、己の握った棒切れを
離さずに、文学的、歴史的立場をぎりぎりまで考え詰めながら、世間と
、己と狂おしいまでに戦い続け、そして戦死していった。その生き切った
壮烈な様は、思想的立場を別としても、粛然と頭を垂れるより他はない。

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20 人中、18人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 無題, 2003/3/25
By カスタマー
不良少年太宰に対して極道坂口安吾と言ったらよいのだろうか。太宰にはまだかわいげがあるけど安吾にはかわいげよりも凄みのようなものがある。同じ中毒になるにしても太宰はやっぱり少しチャーミングだけど安吾は普通に怖い。教祖・小林秀雄が最も戸惑った相手も安吾であったのではなかろうか。そんな安吾が日本文化や青春、デカダン文学、恋愛、欲望について述べた珠玉のエッセイ集。どれもこれも最高に面白いので是非読んでみて欲しい。なかでも「堕落論」「続堕落論」はかなり痛快。ちなみに「不良少年とキリスト」の不良少年とは太宰のことであり、「教祖の文学」の教祖は小林秀雄のことを指している。
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10 人中、9人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 現代に生きる人すべてへ, 2008/2/10
 坂口安吾の「堕落論」は、現在において尚、むしろ更にその輝きを増しているのではないか。
 わたしもそれに衝撃を受けたひとりであって、愚にもつかない観念を創出して、安心しようという心の動きにこれでもかとばかり釘を刺されたような気持ちになった。今も尚釘は刺さったままである。
 例えば、宗教。それは作り出された倫理に従うという行為。安心が出来る。
 安吾は「不安になれ」という。宗教も地位も、社会的に認められた(すがりつける対象としての)価値観を全て投げ出してしまうこと、それが「堕落」するということだ。後には丸裸の自分自身と、それを取り巻く世界――それはサルトルが「嘔吐」したような、丸裸の――が残る。
 そうすることで、新たな世界が見えてくるのだ。更に、剥き出しになった世界に触れたときにこそ真の感動があるのだと安吾は言う――彼が、停泊する戦艦や、五輪書以前の宮本武蔵に感動を覚えたように。
 現代社会は、学歴や、地位など、雑多な「自明なる」価値観に縛られている。安吾の生きていた時代よりも、尚のこと強く無意識裏に蔓延しているのではないだろうか。だからこそ、ぼんやりと日々を何の気なしに過ごしている人には、ぜひ読んで欲しい一冊である。人生観が変わるほどの衝撃が、わたしにはあった。そして、強く生きねばならないと思うようになった。堕落の道は、怠惰の道ではない。興味をもたれたならば、一読されることを薦める。
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