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神の子どもたちはみな踊る (新潮文庫)
 
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神の子どもたちはみな踊る (新潮文庫) (文庫)

by 村上 春樹 (著)
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Product Description

内容(「BOOK」データベースより)

1995年1月、地震はすべてを一瞬のうちに壊滅させた。そして2月、流木が燃える冬の海岸で、あるいは、小箱を携えた男が向かった釧路で、かえるくんが地底でみみずくんと闘う東京で、世界はしずかに共振をはじめる…。大地は裂けた。神は、いないのかもしれない。でも、おそらく、あの震災のずっと前から、ぼくたちは内なる廃墟を抱えていた―。深い闇の中に光を放つ6つの黙示録。


内容(「MARC」データベースより)

しんと静まりかえった心の中のいちばん深い場所で、たしかに、それは起こった-。小さな焚き火の炎のように、深い闇の中に光を放つ。『新潮』連載「地震のあとで」に書下ろし一篇を加えた初の連作小説。〈ソフトカバー〉 --This text refers to the 単行本 edition.

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9 of 12 people found the following review helpful:
5.0 out of 5 stars 阪神淡路震災を背景にした短編集, 2005/6/29
By yuishi (千葉県) - See all my reviews
(TOP 500 REVIEWER)   
雑誌連載時には「地震のあとで」という題名が与えられていた6編の短編を収録。
ストーリー的なつながりはないが、いずれも阪神淡路震災が遠景においた小説世界が展開する。
地震そのものや(本作の登場人物たちはみな地震そのものを経験したようには描かれない)、神戸を舞台にした作品があるわけではない。地震はあくまで遠景なのだが、それでも現実に発生した地震が作品の雰囲気に与えている影響は大きく、著者の従来の作品には見られない暗い陰を落す。それだけに6編目の「蜂蜜パイ」の前向きな未来を想像させるラストが印象的(ラストシーンが夜明けのシーンというのは「国境の南・・」や「アフターダーク」など、本作以降に発表された作品にも共通するのが興味深い)。
阪神神戸震災と同じく1995年に発生した地下鉄サリン事件とその宗教団体についても、村上春樹は従来の作風と著しく異なるノンフィックションを出版しており、村上春樹の作品を見る上で1995年という年はエポックメイキングな年となるのであろうことが容易に想像できる。
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24 of 34 people found the following review helpful:
4.0 out of 5 stars しっかりとした結末がある、村上作品はいかがですか?, 2002/3/27
収録されているのは6編の短編小説。
最近の村上作品と同様、「喪失感のようなもの」がテーマです。今までの小説と違うところは、主人公が抱えているトラウマがはっきりしていて、それが原因で失ってしまったものもほぼしっかり書かれています。一番安心できるのは、短い作品の中で、それぞれの答えや結末、方向が示されていることにあります。

長編小説だけれども、事件らしい事件がおこらない、かつ解決策も示されていなかった、「ねじまき鳥クロニクル」や「スプートニクの恋人」を読んで、村上作品に対して釈然としない気分のままでいる人も多かったはず。この短編集なら安心感、大ありです。

以下、個人的に好きなものをいくつか紹介します。

表題作「神の子どもたちはみな踊る」

白い月の光を!!浴びてピッチャーズ・マウンドで踊る善也のすがたが目に浮かびます。実写の映画では難しいかもしれないけれど、アニメでそのシルエットを表現したらかっこいいんじゃないかと思います。

「かえるくん、東京を救う」

あなたのような人に声援してほしい、そんなふうにかえるくんに言われたら、うだつのあがらない銀行員・片桐じゃなくたって、一肌脱ぎたくなるでしょう。
がんばっているのに報われない、そんなときにはこれを読むと元気が出てきます。
東京大震災を食い止めるためにかえるくんと片桐が立ち上がる物語。芥川龍之介の「河童」を思い起こさせる作品です。

書籍の最後を飾る「蜂蜜パイ」
この作品、「ノルウェイの森」に対するアンサー・ソングだと私は思うのだけれど、皆さんはどう思いますか!!。学生時代からの三角関係がハッピーエンドになる物語。
これからの村上作品でもこのような味わいが感じられるのか、ちょっと楽しみです。

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2 of 2 people found the following review helpful:
3.0 out of 5 stars 実体のない水, 2009/8/22
By denkihanabi (横浜市) - See all my reviews
このレビューの引用元: 神の子どもたちはみな踊る (単行本)
村上春樹の短編は苦手だ。
村上春樹の短編を読んでいると、体に力が入らなくなるように感じる。足を地面に踏みしめられなくなるように。ゴムであるべき筋肉がビニールになってしまうように。
もっと露骨な言い方をすれば、インポになってしまったように感じる。
村上春樹の短編の登場人物たちは、けっこうな回数のセックスをするけれど、そこには、欲望や衝動や快楽が引き起こす、”ゆれ”や”ゆがみ”が感じられない。
哀しいほどの静謐さを持って、それはこなされ、人はそこを通り過ぎる。
私の知っている欲望や衝動や快楽はそのようなものではない。

セックスをどう描くかが問題なのではない。
他のあらゆる人や事との相対し方にも、村上春樹の小説は同じ“実体のない水”のような静かさを見せる。
その水を飲んでも、ひんやりと喉が心地よいだけで味はしない。
その水に浸っても、ひんやりと肌が心地よいだけで流されるような圧力は感じない。
でも、かすかな揺らぎを感じる。
自分の体内に入り込んだ水の、細胞膜の中で起こす揺らぎ。

「夢を待つのです、ドクター」とニミットは言い聞かせるように優しく言った。
「今は我慢する事が必要です。言葉をお捨てなさい。言葉は石になります」

言葉は石になります。
小説は言葉で描かれている。
でも、言葉をお捨てなさいと、村上春樹は書く。
だから私たちが読まされているのは、言葉の上澄みなのだ。
本当の”言葉”は書かれていない。
実体のない水の底には、石が沈んでいる。あるいは、かえるくんの体内のようにミミズやムカデが蠢いている。
私たちは、その上澄みを飲まされる。
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