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ベルト・モリゾ―ある女性画家の生きた近代 (小学館ヴィジュアル選書)
 
 

ベルト・モリゾ―ある女性画家の生きた近代 (小学館ヴィジュアル選書) (単行本)

坂上 桂子 (著)
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商品の説明

出版社 / 著者からの内容紹介

印象派画家ベルト・モリゾの初の本格的評伝
女性が、官立美術学校への入学も、裸体デッサンを描くことも許されなかった19世紀末のパリ。女性画家のパイオニアとして、周囲の偏見や無理解と闘い、女性に厳しい社会制度の壁に傷つきながらも、印象派展に活路を見出して「最も正統的な印象派画家」と称されるまでに成功したモリゾ。彼女の直面した現実と様々な問題は、現代にも通じるものがあります。このモリゾの生涯を、代表作をめぐる数々のドラマティックなエピソードを通じてたどっていきます。近代という荒波の中を、一人の芸術家として、女性として、妻として、母として、悩みながらもたくましく生きたモリゾの姿は、読者の深い共感と感動を呼ぶことでしょう。日本初の本格的な評伝です。


内容(「BOOK」データベースより)

女性が、官立美術学校への入学も、裸体デッサンを描くことも許されなかった19世紀末のパリ。周囲の無理解と批判のなかで、マネやルノワールら印象派の画家たちの友情と、愛する夫の支援を受け、「プロの画家」として生き抜いたベルト・モリゾの自負と情熱。

登録情報

  • 単行本: 263ページ
  • 出版社: 小学館 (2005/12)
  • ISBN-10: 4093875928
  • ISBN-13: 978-4093875929
  • 発売日: 2005/12
  • 商品の寸法: 20.8 x 14.2 x 2.6 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (2件のカスタマーレビュー)
  • Amazon.co.jp ランキング: 本 - 468,976位 (本のベストセラーを見る)

    カテゴリーランキング:

    969位 ─   > アート・建築・デザイン > 絵画 > 西洋画
    34213位 ─   > ノンフィクション
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5つ星のうち 5.0 期待を上回る初の日本語による評伝, 2006/1/15
わが国において、それ以前にも単独、あるいは多少まとまった形で公開されたことはあるとはいえ、2004年、東京はじめ数都市で開催された「パリ・マルモッタン美術館展」は、ベルト・モリゾの作品をまとまって知る絶好の機会となった。同展を通じて彼女の画業に深い共感を覚えた人も多いだろう。
そして、思ったよりも早く、日本初のモリゾ論が刊行されたことは歓迎すべきことだ。
著者は、十点の油彩作品を通じて、モリゾを「女性画家」としてではなく、印象派の「画家」として、歴史のなかに確認することを企図したが、非常に高く、的確な視点から実現されたものと思われる。
モリゾが、単に女流画家の名にとどまるだけでなく、印象派時代の美術シーンで、他の男性画家に先行して導入したイディオムについての考察も十分評価に耐えるものである。
とりわけ、ジャポニズムとの関連については、モリゾの末裔の協力も得て、新たな研究課題を提示した意義は大きい。
また、様々な見方のあるマネとの関係についても、例えば2000年に刊行され、邦訳も望まれるボナの、ともすれば「女性週刊誌」的視点には距離をおいて冷静である。
これ以上は無いものねだりの謗りを免れないが再論の際には取り上げて欲しい点として、
○数は少ないが静物画についての一論が欲しいこと。
○風景画について、季節の視点からの論及が欲しいこと。(雪景色の作品も存在する)
○肩の力が抜けた、とも評される、まさに素早いタッチの水彩画、一人娘ジュリーへの贈りものに触発されたパステル画についても一層の論及が欲しいこと。
などが挙げられる。
また、編集上の注文としては、
○図版の掲載された作品には、カタログ・レゾネ(総目録)の番号を記載して欲しいこと。
○モリゾの描いた人物には親族が少なくない。また、マネとの交友等も含め、係累が文章だけではやや判り難い面があるので、系図を掲載して欲しいこと。
○ゆかり、関連の地をプロットした地図を付けて欲しいこと。例えば、彼女の住んだパッシー(パリ16区)の住居、結婚式を挙げた教会、また現在作品を所蔵展示しているマルモッタン美術館などは徒歩でも行ける範囲にある一方、パリ近郊、ニースを含むフランス各地、さらにマドリッド、ブリッセル等行動範囲は広い。
といった事項である。
かつて、「権威」とされる出版社の女流画家を扱った新書での嘲笑的ともいえる採り上げ方に較べ、著者の深い共感が誇張なしに伝わって来る。
ついでながら、出版された時期も良かった。もう三ヶ月程早かったら、愛知万博のテーマキャラクターと混同される懸念もあった。
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5つ星のうち 5.0 共感をもって読める, 2007/5/5
 よく準備され・練られた、大学一般教育2単位の「美術入門」、という趣の書物である。「はじめに」はさしずめ「シラバス」あるいは受講ガイダンスであり、これに10回分の「講義」がテーマごとに続く。美術・絵画にあまり関心がなくとも最後まで楽しく学ぶことができる。初めの方がやや硬いのは、「講義」の性質上やむを得ないところか。
 図版のほとんどが小型で白黒だが、鑑賞用というより参照用(勉強用)である。数が多く、本文の直上に掲載されているので、それが駆動力になって読み進むことができる。
 「女性」がこの書物の視点の一つだが、パターン化された教条的ジェンダー論ではなく、充分にこなれていて――この分野の成熟を思わせられる――、共感をもって読める。その内容の一端は同じ著者によって『印象派美術館』にも簡潔に記されていたが、本書で得心できた。
 手に取った書物の感触も、版組もいい感じである。(註釈用の傍線が文字の右ではなく左についているのは気になるが。)
 美術にあまり関心のない人にも、そして恐らくは専門家にも、お勧めの書物だが、敢えてひとつだけ、本書の価値に影響はしないが細かいことで難を言えば、「と(も)いえよう」「だろう」「かも知れない」という、学術論文にありがちな婉曲表現の多用が気になる部分があることである。
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