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リアルワールド
 
 

リアルワールド (単行本)

by 桐野 夏生 (著)
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Product Description

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   山中十四子、通称トシ。クールなテラウチと、エキセントリックなユウザン、育ちのよいキラリンという3人の友人とともに、残り少なくなった高校生活を送っている。夏休みのある日、隣家の同い年の少年が母親を撲殺した。彼がトシの携帯電話と自転車を盗んで逃亡したことから、4人の女子高生は事件に巻き込まれてしまう。警察や大人たちに真実を話せず、個々に抱える悩みを逃亡少年に照らす彼女たち。「ヒトから見られる自分」と「本当の自分」のはざまで揺れ動く思春期の心が、章ごとに語り部を変えるスタイルでつづられている。

   桐野作品は、リアルな女性描写に定評がある。探偵「村野ミロ」しかり、『OUT』の主婦連しかり。そこには世の男性陣の幻想であろう「優しく弱い」姿はなく、図太くしたたかに生きる女性像が描かれている。本書もまた女性の描写がおもしろい。といっても、従来作品にある「大人の女」とは異なり、ここに登場するのは女子高校生4人組である。大人のように1人で歩むことはできず、子どものように無邪気になれるわけでもない彼女たち。油断すると足元をすくわれそうな世知辛い世の中から、懸命に自分を守りながら生きている。ある者は目立たぬようにと細心の注意を払い、ある者はバカなふりをして。これが「イマドキの女子高生」の真の姿なのかもしれない。(冷水修子)



出版社/著者からの内容紹介

4人の女子高生、ホリニンナ、ユウザン、テラウチ、キラリン。ホリニンナの隣家の高校生ミミズが母親を殺して逃亡した! 4人はミミズの逃亡を手助けすることに。現代の高校生の心の闇を描く、力作長編。

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8 of 8 people found the following review helpful:
3.0 out of 5 stars あたしの傷は誰にもわからない, 2003/4/11
ださいと思っていた隣家の少年ミミズが母親を撲殺し、あたし=トシとテラウチ、ユウザン、キラリンは事件に巻き込まれていく。

登場人物5人の一人称で語られるこの物語は、一見とても意欲的だ。

好きあらばカモろうとする「今」の世の中を、ある者はハンドルネームを名乗り、ある者はバカなふりをしヨロイをまとって生きている。あたしの傷(瑕)は誰にもわからない、と自意識の壁を張りめぐらせ、その孤立感からミミズに共感もしくは反感を抱き、思わぬ歯車を回してしまう。

しかしその実、語られているのは「ホントの自分」と「人の目に写る自分」との乖離から生じる葛藤であり、その克服という不変的なテーマである。誰にも秘密と思っていた「ホント」が、実は仲間に受けとめられていたというのは、温かくも悲しい逆説だ。

とはいえ、男性の登場人物があまりにも情けない。歯車の核だったはずのミミズは途中から形骸化し、携帯と手紙でのみ登場するワタルはとってつけたように悟っている。唯一魅力的だったのはテルだが・・・。テンポよく読めおもしろいが、次作はもう一味の熟成を期待します。

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9 of 12 people found the following review helpful:
3.0 out of 5 stars 野心作、でもこんなに破壊的だとは, 2003/3/16
By shiono (東京都) - See all my reviews
この小説は、少女たちの自己形成を描くのではなく、今その瞬間の心の動きをスナップショット風に切り取って見せるという、困難な主題に取り組んでいる。

章ごとに話者が代わる一人称で綴られる構成で、四人の女子高生を心象描写で書き分けるテクニックは見事。一方、少年の描写は食い足りず、興醒めの感もなくはない。

おもしろいのは、仲良し四人組のそれぞれが、お互いのことをどういう風に見ているかという対人感情が浮き彫りになるところだ。友人から見た人格と、自分自身で認識している人格の微妙なギャップは興味深い。
それにしても、思春期の自意識は、なぜこうもうっとうしいのだろう。

いずれにしても、これが今どきの女子高生の姿だなどと結論付けたいとは思わない。ただ人の心はわからな!い、一人一人の人は違う、ということだけははっきりと感じ取ることができた。

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3 of 4 people found the following review helpful:
4.0 out of 5 stars お父さんの認識を変える一冊, 2003/4/6
今読んでいる『ダーク』といい、『OUT』や『柔らかな頬』など、著者独特の冷徹な視点から、女性の奥底に潜む見てはいけないような恐ろしいまでの心理を描く作品に、改めて凄いと思わざるを得ない。これもまさにそんな作品。

いまどきの女子高生を描いてるだけと思ったら大間違い、どんどん深みにはまっていくのを感じる。登場する4人の女子高生の個性や主張をしっかりと受け止めることで、女子高生=いまどき=浮ついた…というような連想ゲームは氷解するのではないだろうか。

世のお父ーさん、スケベな中年男性、そして僕も含めて、世間に惑わされて根付いてしまった女子高性に対する偏ったイメージや認識を、そろそろを変えなきゃいけない時期にきてることに、きっと気づくはずだ。

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