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エンブリオ (上) (集英社文庫)
 
 

エンブリオ (上) (集英社文庫) (文庫)

by 帚木 蓬生 (著)
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Product Description

出版社 / 著者からの内容紹介

もっとも神へと近づいた医師。
患者に人気の天才産婦人科医・岸川は、その裏で異常な試みを進めていた。男性の妊娠実験、培養した胎児からの臓器移植…彼が目指すものは何なのか。医療の極限を描く問題作。


内容(「BOOK」データベースより)

エンブリオ―それは受精後八週までの胎児。天才産婦人科医・岸川は、人為的に流産させたエンブリオを培養し臓器移植をするという、異常な「医療行為」に手を染めていた。優しい院長として患者に慕われる裏で、彼は法の盲点をつき、倫理を無視した試みを重ねる。彼が次に挑むのは、男性の妊娠実験…。神の領域に踏み込んだ先端医療はどこへ向かうのか。生命の尊厳を揺るがす衝撃の問題作。

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6 of 6 people found the following review helpful:
4.0 out of 5 stars あなたの家の近くの産婦人科でも…, 2007/7/29
まだ、上巻しか読んでないですが書きます。

この本はフィクションですが、今の日本でも十分起こりうる事実です。
ついこの前まで、日本では着床前診断(PGD)という体外受精させた受精卵をチェックする技術は、日本産科婦人科学会(JSOG)によって大きく制限されていました。

しかし、それに反対した諏訪マタニティクリニックの根津医師は学会を除名されながらも、習慣性流産を繰り返す患者たちにこの診断を続けました。学会を抜ければ、誰にも咎められずにこのような研究・治療は出来るわけです。

学会の処分は、除名だけ。受精卵がヒトと法律で規定されない限り、このような技術は違法ではないのです。(ヒトラーの優生学に反発した生命の選別を禁止する法律があった気がしますが、重い遺伝病の子どもを中絶させている現状では、形骸化しているといわざるを得ません。)
日本では(これは世界でもかもしれませんが…)卵はどこからヒトになるかの明確な基準もなく、また宗教的倫理観も無いため、生殖技術に関しては踏み込んでいける可能性を大いに秘めているのです。

予備知識があったせいかすごく読みやすかったです。後半もすぐに読んでいきたいです。
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6 of 6 people found the following review helpful:
4.0 out of 5 stars 先端生殖医療が投げかける問題点, 2006/4/6
By マクシ (東京都中野区) - See all my reviews
パーキンソン病患者の脳に(中絶した)胎児の脳から抽出したドーパミン分泌細胞を注入すると程度の差はあれ病状が改善するという医学的事実があります。
海外での話ですが、以前このことを知った女性がパーキンソン病を患う自分の父親に、自らの卵子と父の精子を体外受精させて作った胎児を中絶し、その脳のドーパミン細胞を移植しようと考えたことがありました。結局これは父親が断ったために実現されませんでした。
さて、この『エンブリオ』では自分の妻との間にできた胎児の脳を治療に用いたパーキンソン病患者が登場します。これが現実に起きたとして、はたして倫理的に許される行為でしょうか。
医療や生命科学の各分野はどれもそうなのでしょうが、その最先端では我々の「生命」をめぐる常識的理解を遥かに超えた行為が行われている、あるいは可能になりつつあります。生殖医療然り、再生医療然り、ES細胞研究然り。この作品は主に生殖医学を扱ったものなのですが、例えば死亡した男性の冷凍保存精子と中絶退治の卵子を受精させて、出生時この世には実在していない両親をを持った子を作り出すというような実験が行われたりしています。
この他にもさまざまな事例が作中に登場するのですが、いずれも既成の倫理的枠組みでは把握できないものばかりです。現代科学技術によって人類の長い伝統的倫理観念や人間観そのものが劇的な改変をいやおうなしにせまられている。そのことが実感できる小説です。主人公の無分別な実験狂ぶりを見ても、こうした問題は専門家だけではなく市民の一人ひとりが真摯に取り組むべきものなのだと思い知らされます。
社会・倫理的側面のほかに僕が魅力を感じたのはいわゆる「大人の」場面ですね。「医者はこんなときまで医者なんだなあ……」と関心してしまいます。淡々とした描写がむしろエロティックでいいですね……。
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10 of 11 people found the following review helpful:
4.0 out of 5 stars 魅力的な悪徳医師の提起する、医療の倫理, 2006/11/26
主人公の産婦人科医が、相当にむちゃくちゃなことをやっていて怖い。

中絶された胎児を培養して、移植用臓器にする。
ホームレスの男をだまして、勝手に受精卵を着床させ、妊娠させる。
パーキンソン病治療のために、産声をあげるまでに成長した胎児を中絶し、利用する。・・・。

最初は不快でしょうがなかったのが、その、徹底した狂医師ぶりに圧倒され、だんだん痛快になってくるから不思議だ。「魅力的な悪役ヒーロー」と言ってもいいんじゃないかと思う。

それに。彼は、私利私欲のために犯罪まがいのことに手を染めているのではない。
不妊に悩む夫婦のため。
適合する臓器を待つレシピエントのため。・・・。
多くの患者にとって、彼は間違いなく恩人であり、感謝し尽してもし足りない存在だ。

彼は「悪」なのか「ヒーロー」なのか。その矛盾が、医学の倫理観の難しさを内包し、ものすごく考えさせられるテーマとなっている。

答えの出そうもない深遠な問題を、やりたい放題の問題医師を主人公にしたことで、うまくサスペンス仕立ての小気味よい小説に仕上げていると思う。
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前の臓器農場は、「無脳児」として生まれた胎児... 続きを読む
Published 5 months ago by いんてきふこ

4.0 out of 5 stars 捨てるものを使って何が悪い。それはそうだが・・
生殖医学の暗部を描いた問題作。主人公は人工妊娠中絶でおろされた胎児用いて、パーキンソン病、臓器移植のためのパーツを作り出す。胎児はヒトとして見なされない。廃棄さ... 続きを読む
Published 6 months ago by kirin70

5.0 out of 5 stars 一気に最後まで読み進みました
帚木氏の作品を読むのはこれがはじめてでしたが、サスペンスとしてのテンポが良く、魅力的な登場人物が多い作品だなと思いました。出産した経験があるからか、冷静にとても... 続きを読む
Published 15 months ago by soda_fountain

4.0 out of 5 stars 狂気の天才医師
世の中には生まれる子供と同じ数、そしてそれ以上の胎児が闇に葬られる。
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Published 16 months ago by Tochitli

3.0 out of 5 stars 真なる狂人
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Published 22 months ago by luglia

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Published on 2006/2/14 by たつパパ

4.0 out of 5 stars 直視することを避けてきた問題
 実際にES細胞の研究などが進み、この本で出てくるパーキンソン病への応用も起こってきた。
... 続きを読む
Published on 2005/11/2 by はりー

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