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東京物語 (集英社文庫)
 
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東京物語 (集英社文庫) (文庫)

by 奥田 英朗 (著)
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Product Description

出版社/著者からの内容紹介

直木賞作家が贈る青春グラフィティ。1978年4月、親の反対を押し切って上京した久雄は、バブル期を迎えた80年代の東京で、戸惑いながらも少しずつ大人になっていく。眩しくて懐かしい、青春グラフィティ。(解説・豊崎由美)


内容(「BOOK」データベースより)

1978年4月。18歳の久雄は、エリック・クラプトンもトム・ウェイツも素通りする退屈な町を飛び出し、上京する。キャンディーズ解散、ジョン・レノン殺害、幻の名古屋オリンピック、ベルリンの壁崩壊…。バブル景気に向かう時代の波にもまれ、戸惑いながらも少しずつ大人になっていく久雄。80年代の東京を舞台に、誰もが通り過ぎてきた「あの頃」を鮮やかに描きだす、まぶしい青春グラフィティ。

Product Details

  • 文庫: 361 pages
  • Publisher: 集英社 (2004/09)
  • ISBN-10: 408747738X
  • ISBN-13: 978-4087477382
  • Release Date: 2004/09
  • Product Dimensions: 5.9 x 4.2 x 0.7 inches
  • Average Customer Review: 4.5 out of 5 stars  See all reviews (37 customer reviews)
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36 of 40 people found the following review helpful:
5.0 out of 5 stars ツボをおさえている, 2004/10/18
By ナツナオ - See all my reviews
(TOP 100 REVIEWER)   
80年代の時代を背景に、名古屋から上京した田村久雄の20代を描く連作短編集。他の作品同様「笑い」「しみじみ」「泣かせ」のツボを押さえた作品である。

作者自身は岐阜県の出身であるが、その後のコピーライター、雑誌編集者という職歴をみると、半自伝的な部分はあるのかもしれない。

作者の作品は、「最悪」「邪魔」の路線と、「マドンナ」「イン・ザ・プール」「空中ブランコ」に代表される路線に大別されると思うが、本作品集は、後者のカテゴリーに入る。

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19 of 22 people found the following review helpful:
5.0 out of 5 stars 本書は青春小説でもあり時代小説でもある―作家・奥田英朗の誕生史!, 2008/10/24
By TKMT (東京都) - See all my reviews
(TOP 1000 REVIEWER)   
 本書の主人公・田村久雄は、著者である奥田氏と同じ1959年生まれ。巻末の「解説」も指摘するように、主人公はある意味で著者自身である(決定的に異なるのは、久雄が岐阜市でなく名古屋市出身になっていること)。ゆえに本書は、1980年代を時代的背景として、作家である奥田英朗の誕生・形成史として読み進めることができる。90年代に大学に入学したわたしにとって、本書で描かれている6編に登場する話題にはピンとこないものもただあったが、それでも読んでいて懐かしい感覚に浸ることができる。「古き良き時代」をノスタルジックに想起するというわけではない。ただ、自分史において鮮烈な記憶がない諸事実を知ることで、思わず自分が詳しく知らない時代にタイプスリップしたような感覚になったのであろう。88年のソウル五輪の対抗地が名古屋市であったなんて、今までついぞ知らなかった。

 時系列的にいえば、第2編の「春一番」が1978年4月4日で最も古く、締めの作品である第6編の「バチェラー・パーティー」が1989年11月10日で最も新しい。上京してから10年以上に及ぶ久雄の20代を多角的に描き出した一連の作品は、自らの青春時代とのズレがあったにせよ、多くの読者の心をくすぐるのではないか。地方から東京に「上京」すること自体、1つの大きなイベントである。6つの作品のなかで、特に印象に残ったのは、楽しくも淡い学生時代を綴った「レモン」、母親が強引にお見合い女性を連れてきたことから始まる濃厚な一日を扱った「彼女のハイヒール」の2作品。ここでいう学生時代とはむろん大学時代のことだが、この4年間というのは、人生において特別な意味を持っているように思う。卒業してすぐには分からないが、次第にその貴重さを実感できる。いずれにせよ、作家・奥田英朗が生まれるまでの一端を知りたい人は、本書を是非とも読まれたい。その息吹を感じることができる。
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8 of 9 people found the following review helpful:
5.0 out of 5 stars 文章それぞれに思い入れの残る, 2004/9/23
 文庫新刊の本作を早速読んでみたがこんなに人を描くのがユニークな存在だったか?と。「最悪」でも町工場社長の憂鬱を、「邪魔」でも主婦の細かい心情の移り変わりを書いてきたがそれこそ本当に一変している。というより、改めてその器用さを発揮した、そういう感じかも知れない。

 主人公は田村久雄。大学中退でコピーライターに。80年代を東京で生きてきた中で彼がみたもの、感じたものは。文庫解説にある主人公≒奥田英朗でなく≠なのだという誤読を誘う要因とその理由は?そこから何を感じ取っただろう。個人的には感慨無量の連作短編集だと思う。全部読ませて初めて別の読後感を誘う連作という要素を上手についている。

 本作は時制はばらばらだが1978年~1989年の話でその時の社会と照らし合わせながら書いている。だからこそ余韻を誘うのか、それは作家が上手いのか。作家と似ているからと言って上に書いたようにあくまでもイコールじゃないんだな。

 最後のベルリンの壁崩壊も含めて話は始まりだったり終わりだったりすることが多い。どちらからも得る物は多いと思う。激しくも速く移り変わりゆく時代を生きてきた中で久雄が得てきたもの。

 文庫解説で「川の深さは」の解説も書いていた豊崎由美は“小説において過去を活写するというこころみは、読み手に現状を寄り深く認識させるという意味でも有意義なんである”と述べている。更には大きな主題より、細部の積み重ね。魅力のある一行が小説には求められる、と。多分、色んな人にもたらしてくれるものがこれにはある。感じ方は別だとしてもあー、っとさせられる文章が詰まったもの。思い入れが残るものだ。それは時代を書いてきたからでもあるだろうが作家の上手下手で変わる。だから奥田英朗というのは希有な作家なんだと俺自身認識した。いい読み物をありがとう。

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