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天使の骨 (集英社文庫)
 
 

天使の骨 (集英社文庫) (文庫)

by 中山 可穂 (著)
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Product Description

出版社/著者からの内容紹介

劇作家・王寺ミチルはすべてを捨て旅に出た。イスタンブールからリスボン、そしてパリへ。再生の希望を賭けて……。第6回朝日新人文学賞受賞作。山本周五郎賞作家の原点。(解説・林あまり)


内容(「BOOK」データベースより)

ぼろぼろの守護天使たちがわたしにつきまとう…。人生のすべてをかけた劇団を失い、世捨て人のように暮らす劇作家ミチル。絶望の果てに、彼女は天使の幻覚を見るようになる。この天使たちを葬るために―。イスタンブールからリスボンへ、そしてパリへ。ヨーロッパを彷徨うミチル。再生の光は果たして見つかるのか?魂の巡礼を鮮烈に描く青春小説の傑作。第6回朝日新人文学賞受賞作品。

Product Details

  • 文庫: 218 pages
  • Publisher: 集英社 (2001/08)
  • ISBN-10: 4087473538
  • ISBN-13: 978-4087473537
  • Release Date: 2001/08
  • Product Dimensions: 6 x 4.2 x 0.5 inches
  • Average Customer Review: 4.5 out of 5 stars  See all reviews (12 customer reviews)
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3 of 3 people found the following review helpful:
4.0 out of 5 stars 王寺ミチルに再び恋をする, 2006/10/5
By のいのい (東京都) - See all my reviews
(TOP 1000 REVIEWER)   
相変わらずミチルは強烈な個性を放って読者を虜にしてくれます。

デビュー作の「猫背の王子」のようなドライブ感はやや抑え気味になっていますが、中山可穂作品の特徴である印象的な言葉や文章がいたるところでサラッと現れ、そのたびに心をわしづかみにされなかなか次の文章へ進めません。
あまりのつらさに何度もページをめくる手が止まります。
そして心を落ち着けてから、覚悟を決めてから、また再び読み始めます。

このつらさこそ、まさに中山可穂文学の醍醐味ですね。

今回も王寺ミチルに泣かされ、惚れさせられ、引きずり込まれ、連れ回され、完膚無きまでに叩きのめされます。
でもそれがまた快感だったり(笑

いま王寺ミチルはどこで何をしているのでしょうね。
早く三作目でさらに魅力的になったミチルに再会したいです。
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2 of 2 people found the following review helpful:
5.0 out of 5 stars 雨の記憶, 2006/7/18
By Ruby (東京都) - See all my reviews
この作品にはなぜか私の中で雨がつきまとう。
友人を待つ繁華街はずれのホテルロビーで、窓にあたる雨が不揃いのレンズのように風景をゆがめる中、一人ページに埋もれていた。平日のファストフード店でコーヒー一杯、午前中ずっと粘りながら読み倒したときもなぜか店の外はしとしと雨。
暗い室内で机に向かいながらじっと読んでいたとき、傍らにいたのは、今はもういないネコ。外の雨粒を数えているのか、いつも私のそばで窓にはりついていた。
優しく降りしきる雨の記憶とともに、この作品は私の中にある。

作品中、ほとんど雨の場面は登場しない。
唯一印象に残っているのは、主人公ミチルがイスタンブールで行き倒れ同然、現地の少年に拾われる場面。ミチルを死へいざなおうとしたのは容赦ない雨だった。

主人公を死へ引きずり込もうとした雨のイメージを抱きながら、このほのかな希望を抱かせる作品を読むのはなにやら作家への裏切りのような気がする。でも、ふと思えばこの死の淵からの生還なくしてミチルの希望への道は開かれない。雨に打たれ、死を意識したとき初めてミチルはそれまで直面することを避けてきた舞台をふたたび作り上げることへの渇望を口にするのだ。芝居をもう一度作れるなら死んでもいい、と。

たとえそぼふる雨といえども
かほどはかない手はしていまい

これは、ミチルがイスタンブールで拾った命を抱えて途方にくれたままフランスを彷徨っているとき出会った劇団の女優、久美子の演じた「ガラスの動物園」のローラを例えたフレーズ。E.E.カミングスの詩。そうか、と自分でかってに納得する。

久美子はミチルが立ち直るきっかけをくれる、運命の女性。雨の中で失いそうになった命を救われ、そぼふる雨のごときかぼそい腕の久美子との出会いによって、彼女は再び息を吹き返すのだ。作家が意識したものかどうかは分からないけれど、物語にひそかに織り込まれていたメッセージを見つけたようで、嬉しいのだ。

雨、雨、雨。
この季節の中で、何度も読み返した天使の骨をまた読み返す。
こうして私の雨の記憶は新たに塗り替えられてゆく。
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1 of 1 people found the following review helpful:
4.0 out of 5 stars 良くも悪くも, 2007/5/17
By ぴゆまま - See all my reviews
(TOP 1000 REVIEWER)   
良くも悪くも大変わがままな作風である。中山氏の作品に登場する人物はいつも自己中心的で、思いこみが激しく、気性が荒い。触れたら切れそうな鋭いナイフのようで、他者を寄せ付けないところがある。しかし、その生き方の激しさゆえに読み手を惹きつけてやまないのもまた事実だろう。
私もそんな読者のひとりではあるが、今回本作を読んで、この作品の前作「猫背の王子」を読んだ時よりもミチルのわがままさに辟易すらしてしまった。単に私の求めるものが変わってしまったからだろうか?ミチルによりひたむきで熱い生き方を求める一方で、いい加減にすれば?と語りかけてしまう自分もいた。なんだかミチルがわざと世間に背を向けて生きているような気がして…。
ストーリー展開に関して言えば、登場人物たちを著者の思いのままに動かすために、まるでとって付けたような少々“ご都合主義”の箇所が目立ち、気にせざるを得なかった。
著者の最近の作品もこういったスタンスのままなのは否めないだろう。中山さんは、こんなふうにしか生きられない人なのかな。そんなふうに感じながらも、結局は読んでしまうのだけれど。
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Published on 2007/6/12 by みもざ

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Published on 2003/4/12 by 暮林七香

4.0 out of 5 stars 天使の骨
中山氏の比較的初期の作品。
ガラスのように傷つきやすかった20代を読者にも思い出させる、瑞々しい作品。作品の中で、失恋した相手の映像がぼやけているのが、難... 続きを読む
Published on 2002/10/16 by トラヂ

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