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神々の山嶺〈上〉 (集英社文庫)
 
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神々の山嶺〈上〉 (集英社文庫) (文庫)

夢枕 獏 (著)
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商品の説明

出版社/著者からの内容紹介

羽生丈二。単独登頂家。死なせたパートナーへの罪障感に悩む男。伝説の男が前人未到のエベレスト南西壁冬期無酸素単独登頂に挑む。なぜ人は山に登るのか? 永遠の問に応える畢生の大作!


内容(「BOOK」データベースより)

カトマンドゥの裏街でカメラマン・深町は古いコダックを手に入れる。そのカメラはジョージ・マロリーがエヴェレスト初登頂に成功したかどうか、という登攀史上最大の謎を解く可能性を秘めていた。カメラの過去を追って、深町はその男と邂逅する。羽生丈二。伝説の孤高の単独登攀者。羽生がカトマンドゥで目指すものは?柴田錬三郎賞に輝いた山岳小説の新たなる古典。

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5つ星のうち 5.0 息もつけない, 2002/8/5
By chimabook - レビューをすべて見る
(TOP 500 REVIEWER)   
文庫2巻とはいえ、かなり分厚くテーマも重いのですが、
一度手にとってからはあっという間に最後まで読んでしまったという感じです。練りこまれたプロット。地に足を踏まえた確かな描写。読めば読むほど、その世界にぐんぐん引き込まれていきます。

登場人物たちの心の動きや行動は異常な面もあるのでしょうけれども、

それでも人間として共感してしまう、引きずられてしまうところがあって、
気が付けばひとりひとりの、イメージが心の中にくっきりと刻み込まれてしまいました。

エベレストがどうしてそんなに特別なのか、
そもそも山に登ったり、氷の壁を踏破することにあれほどとりつかれてしまうのか、
不思議なことなのですが、それでも、これを読めば

私のように冒険心などかけらも持ち持ち合わせていない人間にでさえ、
一緒に彼らの人生を生きている気分にさせられます。

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14 人中、14人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 山を知らない人にこそ読まれるべき一冊, 2004/1/4
By ドクトルg (新潟県) - レビューをすべて見る
(TOP 500 REVIEWER)   
 なぜ、山に登るのか。「そこに山があるからだ」という答えに、何かはぐらかされたような割り切れなさを感じたことはないだろうか。たぶん登山家はそうとしか答えられないのだろう、うまい答えだ、とは思いながらも。

 私は登山なんかに全然興味がない。冬山に登るのなんて、自殺行為だと思っている。救助隊の人に迷惑かけない死に方をしろ、とさえ思う。だが、本書で登山家を理解したと思う。ついでに、負けたなと思った。羽生に、深町に、マロリーに。

 酸素の少ない高所で、死者が次々に訪れる幻覚の描写は、生々しくリアルだ。鬼気迫る登山家の執念がこびりついた山、チョモランマ。同時に悠久の神の領域に所属する最高峰。

 登山に興味も知識もなく共感さえ抱かない人にこそ、力を持って迫ってくる作品である。なぜなら本書は、なぜ山に登るのか、という問いに、相手をはぐらかすことなく正面から答えているからである。
 この答えは、お前はなぜ生きているのだ、という問いの答えにも通じている。

 読んでいる途中、手足のちぎれるような寒さや眼下に広がる世界に共振し、何度も震えたり泣いたり唸ったり息が止まったりした。

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11 人中、11人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 山を登る人も登らない人も。, 2007/3/27
このレビューの引用元: 神々の山嶺(いただき)〈上〉 (単行本)
山に登る人も登らない人もこの本には感じ入るところがあると思います。
足がダメなら手で、手がダメになったら歯で、それでも、それでもダメになったら...想え。
そういう想いこそ本当の『祈る』ということだと身震いした記憶があります。
羽生丈二と長谷には明確なモデルがいます。二人とも実在し山に命を散らしたクライマーです。
長谷が長谷川恒男そして羽生が森田勝。特に羽生の人物像、軌跡は森田勝そのものです。
森田勝と言う人をリアルタイムでは知らないのですが日本の登山史において伝説的な人物です。
読んでるうちに羽生は自分の中で森田勝になってました。リアルタイムで知らないはずの森田さんがしゃべり、
森田さんが山に登り、また森田さんが山に何を賭けていたか。それをこの小説は語ってくれた気がします。
羽生と言う人間は破天荒で現代にはありえない人物に思えるかもしれません。しかしこと山屋ということになれば、こういう人物が本当に実在しえ、現在も岩と氷に取り付いている人間がいるのは本当です。実際には森田勝さんは作中にも出てくるグランドジョラス、長谷川恒男さんは風の谷のナウシカのモデルになったと噂されるフンザに程近いウルタルで命を散らしてしまいます。長谷川恒男さんは生前現地の人の為に何かしたいと言っていたらしく、フンザには彼の遺志を継いだ『ハセガワメモリアルスクール』があります。
この小説を気に入った方はぜひ森田さんの伝記『狼は帰らず』、長谷川恒男さんの伝記『虚空の登攀者』も読んでみて下さい。
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