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失われた時を求めて〈1〉第一篇 スワン家の方へ〈1〉
 
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失われた時を求めて〈1〉第一篇 スワン家の方へ〈1〉 (単行本)

マルセル プルースト (著), Marcel Proust (原著), 鈴木 道彦 (翻訳)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

一杯の紅茶からよみがえるコンブレーの全記憶。鈴木道彦個人全訳決定版。

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5つ星のうち 5.0 よみがえる記憶、よみがえる思い。, 2000/11/17
 いま、僕はこのフランス人作家プルーストの小説大7巻(二年越しの読書)を読み終わろうとしています。最後が見えてきたので、読み終えてしまうのがおしい。実はいま一番好きな本です。なんだか今の自分に一番訴えてくるというかすごく小説の登場人物を理解できるというか。

 語り手は育ちの良い青年で、大貴族のサロン、普通の貴族のサロン、ブルジョアの社会、庶民の社会を結構自由に行き来してさまざまな人物に会い、観察をしています。感受性が鋭く、芸術に造詣があって、小説を書こうとするが身体が丈夫でないのと精神的に不安定なので書くことができない青年像です。プルーストの文体は長くて説明的で、物事はなかなか前に進んでいかないので最初にこれを読む人はかなりフラストレーションがたまり挫折してしまう可能性が大きいです。しかし、そのゆっくりとしたペースと作家の深い思考が微に入り細を穿つ様子になれてくると、始めの困惑はすばらしくゴージャスな読書の体験にへと変貌していきます。

 『失われた時を求めて』というタイトルがあらわすのは、過去の記憶がいかなる行程をへて我々に蘇ってくるか、それとも永遠に失われてしまうかという少々哲学的なテーマが小説全体にあるからです。

 簡単な例をあげれば、子供の時におばあさんの家でいつも紅茶にママレードを溶かして飲んでいたので、いまでも紅茶をそのようにして飲むと当時の記憶が際限なくよみがえってくる、、、紅茶の蒸気やおばあさんの洋服のたてる音や階段の下の両親の話し声、などなど細かい描写が連綿と続きます。

 いろいろなバリエーションでこの過去の記憶が突然立ちかえってくる様子が描かれます。それは甘美な陶酔や苦い思い出をともなって失われてしまった時が脳裏に再現されるという仕掛けなのです。

 それから、社交界でのアウトサイダーに対する同情。ユダヤ人だといって差別される古くからの友人やゲイの公爵はともに高貴な血筋と高尚な趣味の鑑識眼を持っていて、それでも芸術の面からすると劣る人々には疎外されてしまいます。このような、他者に対する思いもプルーストの文学の重要な側面でしょう。

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22 人中、16人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0 美しい本, 2000/12/6
By カスタマー
今までにも翻訳され、単行本としてまた文庫本としても出版されてきた作品ですが、この版の特徴は、「麗しい」ところではないでしょうか。大きめの読みやすい活字、カラーの挿し絵、装丁の水色とすべてが、上品でこの作品のイメージを捉えているように思われます。注釈もたくさん付けられているので、わかりやすいのではないかと思います。難点は、全13巻と大作で、まだ最終巻が発売されていないこと、全巻そろえると結構な価格になること、外出先で本を読む私には少々重いことがあげられますが、美しいので、許してしまいたくなります。
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30 人中、17人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 いろいろな水色があるけれど・・, 2006/6/28
By オハラ翔子 (ボストン・マサチューセッツ) - レビューをすべて見る
美しい水色の本。こういうブルーを人は何色と呼ぶのでしょうか?日本の色?というよりは、フランスの水色に近いような気がします。パリの女性が好んで着るような水色。ブロンドに似合いそうな色。そして、50年代のフォルクスワーゲンやビューイックのコンヴァーテイブルの色・・クラッシック・カーの水色。多分、この本はこれから何年何十年にもわたってこの色にシミをつけたり、日に褪せてしまったりしながら、生き延びて行く。そういう事を念頭に置いてつくられた非常に頑丈な作りの装丁である事に、本好きの人ならすぐ気がつくはずです。

表紙を開くと更に美しいペパーミントグリーンに銀の渦巻き模様がまるでお菓子の包装紙のよう。オランダの画家のキース・ヴァン・ドンゲンの挿絵も美しく、昔子どもの頃、挿絵を見ながら物語の世界を想像し、「さし絵までもう少しだ。頑張って読もう。」なんて可愛らしく?自分を励ましながら、読書した思い出が甦ります。

また、有名な物語の始まり第一章に、寝付かれぬ語り手が頬をよせる枕の感触を「まろやかで新鮮な?」肌触り?としてあるのも、あたかも生チョコか生クリームのようで「生まれたてのすべすべの子どもの頬」よりも一段と五感に迫る感覚的表現で泣かせます。

プルーストを日本語にするには体力と決意と勇気が要ります。時間とお金と家族を犠牲にして、一生を捧げるつもりで取り掛からないと出来ない仕事です。それでもやり遂げた訳者の意地に頭が下がります。

いろいろな水色はあるけれど、そしていろいろな翻訳はあるけれど、この色は、そしてこの翻訳作品はただひとつのもの、そして色なんだろうと感じました。
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