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はじめての言語ゲーム (講談社現代新書)
 
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はじめての言語ゲーム (講談社現代新書) (新書)

橋爪大三郎 (著)
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内容紹介

もっともわかりやすいヴィトゲンシュタイン入門書。
世界のあらゆるふるまいを説明しつくそうとしたヴィトゲンシュタインの言語ゲーム論はいかに生まれ、どんな思想か?
18万部を超える『はじめての構造主義』著者による、きわめて平易な哲学入門です。


内容(「BOOK」データベースより)

世界のあらゆるふるまいを説明しつくそうとしたヴィトゲンシュタインの言語ゲーム論は、いかに生まれ、どんな思想なのか?きわめて平易で刺激的な哲学入門。

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5つ星のうち 3.0 読みやすい, 2009/9/23
まず評価すべきことは読みやすいということ。またウィトゲンシュタインについて興味を持たせてくれること。この2点に関してはなかなかのものだと思う。間違いがあっても興味があればそのうちわかってくることだから、まずこの本を読んでみることは意義があるとは思う。私はウィトゲンシュタインの言っていることについて語る資格はないので、この本の何が問題なのかを指摘することは出来ない。ただ一つだけ気になったのは文化相対主義に関することである。本書を深く読んだわけではないので、なんともいえないが、文化相対主義と言語ゲームの違いというものがいまひとつわからなかった。私には著者が文化相対主義というものを理解できていないのではないかと思ってしまったのだが。

文化相対主義には確かに問題がある。しかしそれは人類学者も十分承知していることであり、またその問題点を解消しようと試みている。さらに文化相対主義はイーミックな視点のみを強調しているわけではない。著者は言う「価値相対主義は、「伝統社会も、あの文明も、同じように価値があるんですね。よかったですね、はいさようなら」で、問題を解決しない。自分がどこに属するのかも気にしない。責任をとらない。」(256ページ)と。しかし本来の文化相対主義とはそのようなものではないと私は考えている。文化相対主義がなぜ価値相対主義にならざるをえないのか。それは価値の基準自体が相対的で、何が正しくて何が間違っているかをそもそも決定することが困難だからである。自分がどこに属するのかに無自覚な人類学者などおそらくいない。自文化を捨て異文化に属してしまったら、それは単なるエスノセントリズムに陥ってしまうからだ。エスノセントリズムは何も自文化の価値観に固執することではない。ある一つの文化や価値観を絶対視してしまうことである。人類学者は自文化に属しており、その事実に目をつぶっているわけではない。そうではなくて、自文化という価値観から抜け出せないという事実に自覚的になり、異文化を相対的に見る視点を手に入れているのだと私は考えている。それが現在できる唯一の異文化理解なのではないのだろうか。異文化は理解することであって変革することではないのである。つまり相対主義というものは社会を変革していくという観点からは心もとない理論である。しかし現代社会の問題も言語ゲームという普遍的な理論と著者がいう夢のような理論によってすぐに解消できるような単純な問題でないことも確かではないだろうか。そもそも他の文化を変革する権利が我々にあるのだろうか?最終章はポストモダンに関する記述とともに疑問の残る箇所が多くあったように思われる。
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33 人中、21人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 2.0 わかった気になりたいなら……, 2009/7/27
 たった296ページで、前期・後記の哲学を解説し、伝記的事実にも目を配り、言語ゲーム論の応用まで言及。でもそんなことできると思います?無理です。結果、本書は非常に消化不良感の残る本になっています。
 
 前半の「いわゆる入門」の部分は、ウィトゲンシュタイン哲学の要約を読まされてる感じです。思考過程は殆ど省略されてます。彼の場合そこが面白いんですけど。ウィトゲンシュタインが第一次世界大戦を止めるために言語ゲーム論を考えてたり、ナチスと戦うために哲学していたりとか、???なエピソードも追加されてるので読みやすいとは思いますが、これでウィトゲンシュタインの思考が理解できるとは思えません。

 後半の言語ゲーム論の応用にしても、「言語ゲーム」を全部「ルール」に置換しても通る内容で、何がどうウィトゲンシュタインと関連してるのか。仏教論なんかは結構面白かったですが、色気を見せてる暇があったら前半にページをつぎ込むべきだと思いますけど。もっとも、僕は橋爪氏の専門的著作に触れたことがないので、そちらではキッチリした論が展開されているのかもしれません。

 あと間違いも結構ありそうです。僕は素人なのでテクスト解釈を論ずるのは怖いですが、例えば、主体が世界の部分集合だ、みたいな第四章の言い方はかなり危ない気が……(5.631「主体は世界に属さない。それは世界の限界である」『論理哲学論考』岩波文庫)。前期と後期を区別する「専門家」を批判し、両者の連続性をさも自分が初めて言い出したかのように強調する最終章書き出しも、もはや書き手としての倫理問題だと思いますが(2000年に出た黒田亘『ウィトゲンシュタイン・セレクション』の解説で野家啓一氏は、「連続性」の強調が「現在では……陳腐な議論に属している」と言った上で、1970年代にあって「連続性」を見通した黒田の先見性を称えています)。

 とにかく語り口は柔らかいので、ウィトゲンシュタインの漠然としたイメージを得たい人にはいいと思います。ただ本気で勉強したいなら別の本を読むべきです。どうせ全部覆されるイメージですから。
 一応紹介しておきますと、「ウィトゲンシュタインはこう考えた―哲学的思考の全軌跡1912‐1951 (講談社現代新書)」が定番ですし、読みやすさが欲しいなら、「ウィトゲンシュタイン―言語の限界 (現代思想の冒険者たちSelect)」がいいと思います。どちらも厚いですがすばらしい本です。
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14 人中、8人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 初めて統一感をもってウィトゲンシュタインの歩みをとらえることができました, 2009/8/2
By ib_pata - レビューをすべて見る
(TOP 500 REVIEWER)   
 社会学者らしくあからさまに、ありがたみもない状態で説明されていることに、哲学プロパーの方たちは困惑すると思います。しかし、少なくとも個人的には初めて「わかった気に」させてくれたというか、ウィトゲンシュタインは懐疑が深かったのですが、それは懐疑論を世界を無意味で無価値にする陰謀であると考え、逆に徹底的にパラドクスなどを考え抜き、言語ゲームの正しさを確かめるためだったのか…と感じました。

 『論考』のエッセンスは世界は分析可能であり、言語も分析可能であり、世界と言語とは互いに写像関係にあり、一対一で対応している。これは「言語と世界が対応するように言葉を使え」ともいえる。『論考』の「7 語りえぬことについては、沈黙しなければならない」の意味は、こうしたやり方以外での言語の使用を禁じるという意味ではないか。しかし、科学の言語は一対一で世界と対応するが、それ以外のあり方をする言語もある。そうした言語の意味を、一般的に成り立たせている原理は「ゲームの理論」。

 私たちが言語を話せるようになったのは、言葉を理解したからであって文法を教わったからではない。数列の並びを理解するように、いくつか実例をやっているうちに「わかった!」となる。社会は言語ゲームの集まりであり、ある人々が何かの規則で言語ゲームをやっているそばを通りかかった私は、それを見ているうちにナニをやっているかだんだんわかってきて、仲間に入ることもできる。『論考』時代は「言語と世界は一対一に対応する」という写像理論によって、言葉が意味を持つという根拠付けを行っていたが、後期のヴィトゲンシュタインは、言語ゲームをその根拠としているーというのが著者のウィトゲンシュタイン論。
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