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リアルのゆくえ──おたく オタクはどう生きるか (講談社現代新書)
 
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リアルのゆくえ──おたく オタクはどう生きるか (講談社現代新書) (新書)

東 浩紀 (著), 大塚 英志 (著)
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商品の説明

内容紹介

知識人は、怒れる若者に希望を語れるか。サブカルチャーは人を救えるか。言葉は無力か。
僕らはどんな時代を生きているのか。
「わかりあう」つもりのない二人が、国家論、表現論まで、徹底的に論じあう。

【目次】
第1章──消費の変容
第2章──言論の変容
第3章──おたく/オタクは公的になれるか
終章──秋葉原事件のあとで


内容(「BOOK」データベースより)

「知識人」は希望を語れるか。「世代間闘争」の末に見えた地平は?いまの日本は近代か、それともポストモダンか?サブカルチャーの諸問題から国家論まで、「わかりあう」つもりのない二人が語り尽くす。

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5つ星のうち 4.0 二人の本質が出ている本, 2008/8/27
東浩紀と大塚英志個人に特に関心がある人以外は読む必要が無いかもしれません。
東浩紀は昔から一貫して言い続けてきたことをここでも延々繰り返しているに過ぎず、そしてそれに対して大塚英志はひたすら同じところに違和感を示し続けているだけの内容だからです。
彼らの考えを知るにはもっと良い本が他にあるでしょう。

ただし、東浩紀御本人が仰る通り「二人の本質が出ている本」ではあるかもしれない。
論理の部分では明らかに東浩紀の方がイニシアチブを握っていた印象を受けますが、全編読みきったときには何か東浩紀に対する大塚英志の苛立ちも理解できるような気がする。
そして、東浩紀と言えばいつも「それこそが希望だ」とか「だって、それしかない」が決まり文句で、私個人としては敢えてそう言い切ってしまう東浩紀にヒロイズムさえ感じてしまうのですが、この本を読んで実は彼自身がそう言い続けることに少し疲れていて、更に秋葉原通り魔事件はそんな彼にとっては追い討ちだったのではないかと想像します。

それでも東浩紀を突き動かすものは果たして希望か、絶望か。大塚英志が最後まで譲らなかったのは、単純に理解や認識の限界と言い切っていいのか。
どうでもいいと言えばどうでもいい。しかし、これは論理というよりはそういうことを考える本だと思う。
でなければ二人の喧嘩をただ楽しむ本か。それだけでもとりあえず十分読み応えはある。
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20 人中、15人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 2.0 挑発する近代人と、それに乗らないポストモダニスト。。, 2009/2/26
By 倒錯委員長 (横浜市と夢半ば) - レビューをすべて見る
(TOP 500 REVIEWER)   
新旧のおたく/オタク批評家の中でいえば、ネームバリューはおそらくトップクラスの二人が、2001年、2002年、2007年、2008年と不定期に行った対談集。動ポモ2を読めばわかるが、東浩紀は大塚英志の批評や理論に多分にインスパイアーされている。がしかし、この本では二人の考え方の違いが露骨に現れている。

自称「戦後民主主義者」の大塚がこの対談でくどいほど繰り返して東に問うのは、「批評家の責任」と「公共性」(いわば万人共通の“リアル”)。彼が言いたいのは要するに、近代文学批評によって形作られていた公共性が崩壊した現代において、新しい形の公共性を構築することが批評家とその書くものに課された責務ではないのか、ということだ。新しい世代の批評家の怠惰に対する、大塚のその疑問とも怒りともつけがたい感情が、おそらく世代きっての論者である東にもろにぶつけられる。
しかしそれに対して東は、ここまで島宇宙化が進展した現代においてそれは不可能だとやんわりとかわし、これからは公共性に代わり、どうすればリソースが均等に再配分されるかという技術的、システム的な問題になるだろう予期する。批評にはもうリアルを構築する力はないと言い切るのだ。すると今度は、じゃあなんで批評するの?と大塚が食ってかかるのだが、東は「友達を増やしたいから」と返す。

その後も二人は手を代え品を代え、同じような問答を繰り返すのである。大塚がたびたび、「ここで対談を終わらせてもいい」と言って東を挑発するのだが、本当にそこで対談は終わってよかったりする。繰り返しているだけなのだから。

ところで、この対談集自体は、近代的なのだろうか?ポストモダン的なのだろうか?
近頃の、お互いを褒め称えるだけの生ぬるい他の対談集に比べれば、ずっと闘争的でありその意味では近代的である。しかし、お互いの話が通じていないという意味では、そして無駄に長々と量だけがかさばる本になったという意味では、ポストモダン的でもある。
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33 人中、21人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0 知識人の誕生, 2008/9/6
「知識人」なるものがかつて存在しました(エドワード・サイード「知識人とは何か」平凡社ライブラリーをご参照ください)。本書で個人的におもしろかったのは、「おたく」「オタク」への二人のこだわりではなくて、現状を分析し解説する東さんが、「あなたはそれでどうしたいのか」と書き手の立場と責任を迫り続ける大塚さんに対して、秋葉原事件を受けた最終章で「転向したといわれるかも」と留保しつつ、知識人の責任に言及することです。読者の啓蒙へと一歩踏み出した知識人・東浩紀の誕生です。ここが一番興味深かった。今までそこからは逃げていたし、逃げることが理論的な支柱になってもいたと思うのですが。東さんの転換となるのでは。

内容的には、自律的な個人に期待せずに、環境工学的にシステムを構築する(つまり動物化した人間でも知らず知らず社会は動いていく)というこのところの東さんの議論に対して、大塚さんが、権力者ではない個別分野の専門家によるシステムとはいえ、やはり人の意志が介入するのではないか、システムは常に暴走するのではないかとツッコむところ。さすが大塚さん、いいところを見ています。東さんの議論は人工的な構築物を自然なものと感じる大多数の動物化した人々は放っとけってことですから、このあたりは、東さんの弱いところかもしれません。
もちろん反対に、個人の自覚と公共性の確立を目指す大塚さんに対して、東さんはその手の論議の失敗の歴史と近代的国家への逆行の危険、消えたはずの「人間」の復活を指摘しています。大塚さんの基本はみんな大人になれよってことですから、ややもすれば説教臭くなってしまうところがあるようです。

ともあれ、モダン知識人・大塚さんとポストモダン知識人・東さん。ふたりの今後の活躍に期待します。
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