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ひたひたと (講談社文庫)
 
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ひたひたと (講談社文庫) (文庫)

野沢 尚 (著)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

十二の深い傷跡を全身に刻んだ女のこと。少年に悪戯され暗転した小四の夏のこと。五角形の部屋で互いの胸の奥に封じ込めていた秘密を明かしたとき、辿り着くのは―急逝を惜しまれた著者最後の作品集。まさに着手寸前だった長編『群生』のプロット200枚も収録!野沢ミステリーが目指した高みが迫る。


著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

野沢 尚
1960年、愛知県名古屋市生まれ。日本大学芸術学部映画学科卒業。1983年第9回城戸賞受賞。1985年テレビドラマ「殺して、あなた」で脚本家デビュー。以後テレビ、映画で活躍。1997年『破線のマリス』で第43回江戸川乱歩賞受賞。同年『恋愛時代』で第4回島清恋愛文学賞受賞。1999年テレビドラマ「結婚前夜」「眠れる森」で第17回向田邦子賞受賞。2001年『深紅』で第22回吉川英治文学新人賞受賞。2005年「砦なき者」のテレビドラマ脚本などで第29回エランドール賞特別賞受賞。2004年6月28日急逝。享年44(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報

  • 文庫: 326ページ
  • 出版社: 講談社 (2007/5/15)
  • ISBN-10: 4062757400
  • ISBN-13: 978-4062757409
  • 発売日: 2007/5/15
  • 商品の寸法: 14.8 x 10.6 x 1.4 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.2  レビューをすべて見る (4件のカスタマーレビュー)
  • Amazon.co.jp ランキング: 本 - 343,640位 (本のベストセラーを見る)

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    508位 ─   > 文学・評論 > ミステリー・サスペンス・ハードボイルド > 日本の著者 > な行の著者
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5つ星のうち 5.0 『群生』連鎖する悲劇, 2007/6/7
登場する二人の父親の姿が痛々しい、突然の息子の自殺にすべてをかけてその理由を探ろうとする父親、娘と会う事もできずにただひたすらに読まれる事のない手紙を書き続ける父親、二人の父親の姿がまだ脳裏に焼き付いている、あるドラマでこんな台詞があった『あなたのせいよ、だってあなたは一人で生きているんじゃないものね、あなたはこの世界に関わっているの、どうしようもなく関わっているのよ』この『群生』を読んでそんなあるドラマの台詞を思い出した。
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5つ星のうち 4.0 作者が自身を投影したともとれる作品, 2009/5/9
その他の作品と同様に、冒頭からぐっと掴まれる。隠してきた秘密を見知らぬもの同士が話す集まりというアイデアも面白い。この本の全作品に共通するのは、倒錯したエロティシズムだろう。それが暗く淫靡な魅力を強めている。「十三番目の傷」での輪廻転生という意外な締めくくりや仏教用語の「群生」というタイトルから作者が宗教についても思いを馳せていたことを知った。収められている北方謙三の弔辞に「生きることは、死ぬことだ。そして死ぬことは人々の心の中で生き続けるということだ」という言葉があるが、この未完成の作品の素晴らしさから完成時の出来を想像すると残念でしかたがない。「群生」の主人公の年齢は作者の享年と同じである。この主人公に作者は自分自身を投影していたのだともとれる。
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5つ星のうち 4.0 亡き人の息づかい, 2007/5/24
By シロフォン - レビューをすべて見る
(TOP 500 REVIEWER)   
野沢氏最後の作品集。五篇の連作集となるはずだった小説のうちの二篇に加え、単行本にはなかった未発表の長編プロット『群生』が収められている。

連作は、五人の男女が五角形の部屋に集い、それぞれの秘密を語るという趣向の物語。全身に12の傷がある女性外科医について男が語る「十三番目の傷」。幼い頃性的被害を受けた女性が秘密を打ち明ける「ひたひたと」。いずれも衝撃的な意欲作だが、意欲より後味の暗さが勝っている感が。完成作品を読めば違った感想がもてたかも知れない。残念だ。

『群生』のプロットは、着手寸前のものとのことでかなり小説の形に近く、読み応えがある。心に空洞を抱えた人間たちの人生が幾重にもかさなり合う構造で、「罪と罰」というテーマに迫る。本当に完成作品を読みたかった。もしドラマ化されたらこの役は誰がいいか・・・と思わず考えを巡らせてしまう作品でもある。

ところで『群生』では、他の野沢作品にも例があるが、「手紙」が小道具として印象的に用いられる。だが「54歳の性風俗ブローカー」が娘に宛てて書いた七通の手紙の文章は、どこかそのプロフィールにそぐわない感じも受けた(プロット段階なので、完成時には手が加えられていたかも知れない)。ところでこの文の感触、どこかで読んだような覚えが・・・と考えたところ、野沢氏本人の文章(本の「あとがき」など)に似ているのだと思い至った。『結婚前夜』の「あとがき」でお嬢さんに宛てた短い手紙などと重ねて読んでしまう。「手紙」は野沢氏の「地」の文章に近いのかもしれないな・・・と勝手に想像しながら、今は亡き人の息づかいを感じる思いで、何度も読み返した。
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投稿日: 2007/6/18 投稿者: oasis

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