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風の歌を聴け (講談社文庫)
 
 

風の歌を聴け (講談社文庫) (文庫)

村上 春樹 (著)
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商品の説明

出版社/著者からの内容紹介

村上春樹のデビュー作
1970年夏、あの日の風は、ものうく、ほろ苦く通りすぎていった。僕たちの夢は、もう戻りはしない。群像新人賞を受賞したデビュー作
1970年の夏、海辺の街に帰省した<僕>は、友人の<鼠>とビールを飲み、介抱した女の子と親しくなって、退屈な時を送る。2人それぞれの愛の屈託をさりげなく受けとめてやるうちに、<僕>の夏はものうく、ほろ苦く過ぎさっていく。青春の一片を乾いた軽快なタッチで捉えた出色のデビュー作。群像新人賞受賞。


内容(「BOOK」データベースより)

一九七〇年の夏、海辺の街に帰省した“僕”は、友人の“鼠”とビールを飲み、介抱した女の子と親しくなって、退屈な時を送る。二人それぞれの愛の屈託をさりげなく受けとめてやるうちに、“僕”の夏はものうく、ほろ苦く過ぎさっていく。青春の一片を乾いた軽快なタッチで捉えた出色のデビュー作。群像新人賞受賞。

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24 人中、20人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 3.0 読んでしまった時期, 2007/4/25
By cobo "コボ" (東京都杉並区) - レビューをすべて見る
恐らく今、この小説の持つ独特の感触は薄れてしまっていると思う。
小説の賞味期限としてはもちろん長いモノであると思うし、村上春樹さんのデビュー作であるから、今後も読まれていくと思う。

しかし、出版された当時のショックは大きかった。これを私は高校生時に読んでしまって、その後「世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド」を読んでしまったが為に、新作が出るたびに買わずにはいられない作家になってしまった。

この作品はいろいろしかけは多いのだが、その仕掛けをいちいち解きたくなり、また自分の説を説明したくなるという作用を持つ。しかし、私の感じた1番大きなことはまるで消毒された様な文体だった、という事です。

今では当たり前のこの文体ですが、その当時は本当にショックだった。有名な1度英語で書いて翻訳した、という事実も良く分かりますが、それだけでない突き放した、自分の影を出来るだけ排除し、消した文章が、とても印象的でした。

今はやりの文体の恐らく原点、それを確認してみたい方にオススメいたします。
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42 人中、34人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 軽さの奥に見える若き作家の卵の意地, 2007/4/28
By 山田晃嗣 (神奈川県横浜市) - レビューをすべて見る
まだ20代半ばの頃、何気に読んだ「ノルウェイの森」の魅力にハマり、
次に読んでみたのがデビュー作のこの本。
最初は、「ノルウェイの森」の暗く重々しい感じとは全く違う
この本の妙な軽さに面食らったことを覚えている。

それでも、相変わらず脈略の無いストーリーの中に
唐突に出現するあまりに印象的なフレーズは実に強烈だった。
多くのレビュアーが引用している冒頭の「完璧な文章など・・」
と言う文も「やられた!」と言う感じだったが、
私の心に残ったのは、同じく1ページ目に登場する次の文。
「あらゆるものから何かを学び取ろうとする姿勢を持ち続ける限り、
 年老いることはそれほどの苦痛ではない。」
この一文、ストーリーには全く関係ないのだが、
読後に私はこのフレーズを呪文のように唱えていたものだ。

40歳になって再びこの本を読み返してみて良く判った。
この本、「軽くてお洒落」に見えるのは、ほんの見かけだけでしかない。
実は「若き作家の卵」村上春樹の意地が凝縮されているのだ。
生まれ持っての文才も去ることながら、
様々な海外文学からの引用や、綿密にリズムが計算された文体など、
とにかく練りに練って考え抜かれた文章なのだと思う。
全体に軽く感じてしまうのは、
そのような「意図して作られた文体」をあえて隠すためだろう。
デビュー作なだけに、渾身の力を込めていたはずだ。


初めて呼んだ頃からずっと、こんな文章が書きたいと思ってきた。
もちろん全く追いつくことなど出来ないのだが、
そのために意識して努力してきたことは無駄になっていないと思う。
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7 人中、6人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0 透明, 2009/7/11
By 倒錯委員長 (横浜市と夢半ば) - レビューをすべて見る
(TOP 500 REVIEWER)   
所属する読書会が今度、村上春樹論をやるというのでそれをきっかけにして、デビュー作を
手に取った。

僕自身、村上春樹作品は初めてではないから、デビュー作から「こんな感じだったんだ〜」
ということがわかり、感慨深い。この「こんな感じ」の「こんな」というのは、いったい
何なのか?おそらく多くの読者が共有しているのだけれど、そのほとんどの人がそれを明示
できないでいるのではないだろうか。ここで無謀にも、その「こんな感じ」を僕なりに言わ
せてもらえばそれは、村上作品が「要約できないところ」にあると思う。

「『風の歌を聴け』ってどんな小説?」と友達に問われ、読み終えたあなたはうまく相手に
要約して説明してあげられるだろうか。ここに村上作品の「こんな感じ」があるのだと、僕
は思う。で、さらに突きつめればそれは、作中でとりたてて大きなことが起きていないこと
に起因する。そう、村上春樹の小説ではいつも「「起こっていない」が起きている」のだ。
取り立てて何か具体的で、大きなことは起きないけれど、何かが躍動していた。そのこと
だけが、読者の読後感として歴然と残る。まさに風のように。

一夏のたった18日の経験が、透明な風のように通り抜ける。そんなデビュー作。
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