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道祖土家の猿嫁 (講談社文庫)
 
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道祖土家の猿嫁 (講談社文庫) (文庫)

坂東 真砂子 (著)
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商品の説明

出版社/著者からの内容紹介

失われた故郷への鎮魂歌

明治の中ごろ、土佐・火振(ひぶり)村の名家、道祖土(さいど)家に嫁いできた蕗。その容貌から“猿嫁”と揶揄されながらも、蕗は天真爛漫な性格で名家に溶け込んでいった。やがて日露戦争や太平洋戦争の戦渦は、道祖土家を巻き込み、各々の人生も翻弄していく。百年の時を通じ、日本人が来た道、行く先を描く壮大な歴史ロマン。


内容(「BOOK」データベースより)

明治中期、土佐・火振村の名家、道祖土家に十八で嫁いできた蕗。その容貌のため“猿嫁”と陰口をたたかれるが、不思議な存在感で少しずつ道祖土家に根を下ろしていく。近代化への胎動の中、時代は大正、昭和と移ろい、多くの戦の火の粉が火振村にも容赦なく襲いかかって人々の運命を弄ぶ―。すべての日本人が得たもの、失ったものを見据え、百年のタイムスパンで壮大に描きあげた、著者の新境地を拓く前人未到の野心作。 --このテキストは、絶版本またはこのタイトルには設定されていない版型に関連付けられています。

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5つ星のうち 5.0 激動の人間模様, 2007/11/16
By ヤキソバ (奈良県) - レビューをすべて見る
(TOP 500 REVIEWER)   
物語は猿嫁の道祖土家の嫁入りから始まる。
猿の様な嫁の蕗は、物怖じしない性格なので、豪農の道祖土家に馴染んでいった。

世間は文明開化とともに、政党支持者間での乱闘騒ぎなど、政治色が色濃い。
そして、日露戦争、太平洋戦争を経て、農地改革の嵐が道祖土家に吹き荒れる。

これらの激動の明治大正昭和を、蕗は力強く生き抜く。
ここで著わされているのは、教科書の歴史ではない。
庶民の人間模様と、生身の人間の歴史だ。

明治大正昭和が、内側から描かれるところに、大きな価値を見出す。
第六章「玄道踊り」の最後の部分の蕗は、大変印象的。
そして、次の終章で描かれるものは、、、。

本書は、激動の100年を、人間模様を通じて描く。
それは、歴史が激動するだけではなく、人間模様が激動するのだ。

流行に左右されない、意欲作だ。
何度でも読み返したい。
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7 人中、5人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0 大らかでエロティックな力を秘めたものへの畏れ, 2003/6/20
By オリオン - レビューをすべて見る
(TOP 1000 REVIEWER)   
 民話的リアリズム、あるいは土着的想像力の発火点とでも言おうか。火振村の道祖土家に嫁いだ猿顔の嫁・蕗が、屋敷裏の生き守様の祠の奥の闇の揺らめきに感じとったもの。この世のものでありながら生死を超えた、何かしら大らかでエロティックな力を秘めた根源的なものへの畏れ。──この作品は、自由民権運動から日露戦争、太平洋戦争へと激動する近代国家を背景に、土佐の一地方の名家の五代にわたる濃密な人間関係が織りなす物語を、蕗の嫁入りからその死まで、六つの説話的短編で綴った連作小説で、とりわけ終章、蕗の三十三回忌に、やがて取り壊されることとなる道祖土家を訪れた曾孫・十緒子によって語られる後日譚は深い哀しみを湛え、感動を誘う。「終わりとは、始まりを意味する。ここが裏山に!呑みこまれた時、土地は山の一部として新たに息づきはじめるのだろう。…私は祠の中を覗いてみたが、子供の時と同じく、そこにはただ暗い闇しか漂ってなかった」。
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6 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 猿嫁を通して描かれた近代日本, 2003/5/9
By 江口哲学 - レビューをすべて見る
(TOP 50 REVIEWER)   
土佐の農村・火振村の名家・道祖土家に、猿嫁と呼ばれた蕗が嫁いだ明治中期から、昭和の終わり頃までを描いた歴史ロマン。


火振村にも蕗自身にも、自由民権運動や戦争、高度経済成長の波は押し寄せてくる。そんな波や、人々の意識の変化に揉まれながらも、道祖土家の嫁として生き抜いた蕗。彼女とその家族、火振村の人々を通して描かれたのは、近代日本そのものと言えるだろう。そこには歴史書に決して書かれることのない、日本人が肌で感じた歴史が描かれている。


この、火振村の人々を魅力的に描いた、日本近代の歴史と重なる蕗の生涯のストーリーの終章は、切ない余韻が残る。読み終えたあとに、また最初から読み出したくなる、数少ない作品の一つである。

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