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小石川の家(うち) (講談社文庫)
 
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小石川の家(うち) (講談社文庫) (文庫)

by 青木 玉 (著)
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Product Description

出版社/著者からの内容紹介

祖父 幸田露伴、母 文との日々(芸術選奨文部大臣賞)

昭和13年幸田文は離婚し、娘の玉を連れ青々と椋(むく)の枝がはる露伴の小石川の家に戻った。万事に愚かさを嫌う祖父の小言の嵐は9つの孫にも容赦なかった。祖父の手前蹴とばしても書初めを教える母。「2度はご免蒙りたい」10年の歳月をクールにユーモラスに綴り、晩年の露伴、文の姿を懐かしく匂い立たせる。

内容(「BOOK」データベースより)

祖父幸田露伴、母文と三人で暮した十年―自らの流儀を貫き通した祖父の晩年を支え、凛とした生き方を引き継いだ母。小石川の家であったことと二人の最期を細緻な筆で綴る。 --This text refers to an out of print or unavailable edition of this title.

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13 of 13 people found the following review helpful:
4.0 out of 5 stars 幸田文への憧れを感じる, 2005/3/17
明治生まれで絶対君主の祖父・幸田露伴、
気丈を絵に描いたような母・幸田文と小石川の家で暮らした
青木玉による10年にわたる日々の思い出語り。
青木玉著「幸田文の箪笥の引き出し」にも描かれる
幸田文の人間的魅力が随所に溢れている。

青木玉の祖父・幸田露伴は、社会的には文壇の寵児であったわけだが、
家庭内では自分の身の回りのこと一切を人にさせる殿様であった。
わずか9歳の孫・青木玉に、
露伴の周囲を取り巻く大人でも苦労しそうな機微を求めるあたり、
現代から見ればただの頭でっかちの偏屈爺である。
そんな祖父との緊迫したやりとりの思い出がいくつも語られるが、
いまだに当惑している雰囲気が伝わってくる。
名高い文学者・露伴は、我々凡人とは別の、仙人界に住む人間なのだ。
青木玉も、この祖父には、尊敬や敬慕よりも、
畏怖の念を抱いていたように思われる。

が、その露伴に滅私奉公する母・幸田文の表現になると、
とたんに文章がリズムを持つ。
もちろん語られるのは優しく楽しい思い出ばかりではない。
だが幸田文の機微や機転、気丈さが活写されるたび、
青木玉の持つ幸田文への尊敬、憧れの念が、そこかしこに感じられるのだ。
おそらく青木玉にとって祖父は理解の範疇を超越した存在だったのだろうが、
幸田文は愛情と目標の対象であったのだろう。
自分の無力さを嘆く文章も、幸田文への愛情の表れに思える。

一番胸を打ったのは、幸田文が自らの両手を眺めているようすを
目撃した場面であった。
あの場面を思い出し、原稿用紙に落とし込みながら、
どんな想いが青木玉の胸に去来したのだろうか。
幸田文同様、親亡き後に筆を執った青木玉。
すべてが片づいた後に表された作品のせいか、
彼女の文章には余計な感情描写がない。
だが感情を詰め込まない淡々とした文章が逆に胸を打つ。

幸田露伴、そして幸田文の為人を垣間見ることができる良書である。
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3 of 3 people found the following review helpful:
4.0 out of 5 stars 幸田露伴のくそジジイっぷりが面白い♪, 2008/3/7
By かおり&やすらぎ (東京都渋谷区) - See all my reviews
幸田露伴のくそジジイぶりが、最高におかしい!
頑固なまでに、細部まで心が行き届いた“完璧な家事”を要求する幸田露伴。
それを完璧にやりきる母と、どうやってもできない孫娘の構図がユーモラスに描かれています。

子供だからと泣いたところで許されず、できるまでさせられる教育法。
逃れるすべはただ一つ、うならせるだけの機転のきいた切り返し。
難しい!!! そして、その上を行く幸田露伴の理不尽な発想が最高におかしい。
昭和初期の文豪の家での出来事。 ぜひぜひ読んでみてください。
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7 of 17 people found the following review helpful:
3.0 out of 5 stars 湿った炭のような。, 2004/7/13
By garbanzo - See all my reviews
(TOP 500 REVIEWER)   
このレビューの引用元: 小石川の家 (ハードカバー)
巻頭から祖父・露伴の小言がくどい。
ついやってしまった失敗や悪事に対して「何故こうしたんだ」と言われる程うっとうしいことはない。
それが一挙手一投足に渡り、毎日続く。
祖父も母も口を開けばよくない処を指摘し、そうでないときはほったらかし。
怒られるよりは、ほったらかしの方がまし。
辛い。

著者にとって「自分を好きになること」は努力だったのではないか、と思う。

著者が祖父や母のことを書くとき、凄かった、こんなこともあんなこともできた、気力があった、人にも尊敬された、尊敬している、という。
好きだ、楽しかった、嬉しかった、という言葉はあっただろうか。

と同時に著者の諦めの早さ、やってみる前にできない理由を探す癖のようなものもしばしば見て取れる。
なるほど露伴ような論理と行動が一致した人、文のような実地の人にとっては歯がゆかったろうとも思う。

時間をかけてじっくり取り組んだだろう文章だ。
湧き出る事柄を、時間をかけて書いた文章は、読者にも時間をかけて読むことを要求する。

しかしネガティブな心情で、不愉快な事柄ばかり書き連ねているので、読む楽しみが浅い。

幸田文の本から著者の本に分け入った者には、共通の登場人物も興味深い。
ネタが重複する部分も多く、母娘の視点の違いが際立つ。
東京から長野へ一時疎開したときの、母方の親戚の冷遇は幸田文の文中では見なかった。

幸田文は病院で一人で息をひきとったそうだ。

娘は「また明日来るね」と言って、母の死後病院に行き「約束を果たした」という。
この熱の無さはなんだろう。

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