出版社/著者からの内容紹介
久しぶりに現れた傑作。先生と生徒の学園小説!
瀬戸内海の春、波光きらめく島にやってきたひとりの男。直木賞作家が描く感動的長篇!
その朝、桟橋に着いたばかりの連絡船からひとりの男が島に降り立った。男は春の陽にかがやく山の緑をまぶしそうに見てから、島をぐるりと見回した。……彼は坂道の途中で海をふりかえった。春の海は高く昇った陽差しに紺碧にかがやいていた。波を蹴立てて連絡船が進んでいた。白い波の尾が銀の帯を流したように揺れる。「ひょっとしてここは自分がずっと探していた土地なのかもしれない……」吉岡誠吾はそう心のうちでつぶやいた。その時背後で誰かが自分を見ているような気配がした。ふりむくと蜜柑の木蔭からひとりの少年が誠吾をじっとみつめて立っていた。──(本文から)
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内容(「BOOK」データベースより)
瀬戸内の小島・葉名島の、児童わずか七人の小さな小学校にやって来た、大きな先生。病気が原因で口をきけなくなったこの先生では…、という声もあがる。数々の事件が起こるなかで、子供たちは逆に心の交流を深め、自然の大切さや人間の優しさについて学んでいく。柴田錬三郎賞に輝いた、涙と感動の名作。