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深い河 (講談社文庫)
 
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深い河 (講談社文庫) (文庫)

遠藤 周作 (著)
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商品の説明

出版社/著者からの内容紹介

愛を求めて、人生の意味を求めてインドへと向かう人々。自らの生きてきた時間をふり仰ぎ、母なる河ガンジスのほとりにたたずむとき、大いなる水の流れは人間たちを次の世に運ぶように包みこむ。人と人のふれ合いの声を力強い沈黙で受けとめ河は流れる。純文書下ろし長篇待望の文庫化、毎日芸術賞受賞作。



内容(「BOOK」データベースより)

愛を求めて、人生の意味を求めてインドへと向う人々。自らの生きてきた時間をふり仰ぎ、母なる河ガンジスのほとりにたたずむとき、大いなる水の流れは人間たちを次の世に運ぶように包みこむ。人と人とのふれ合いの声を力強い沈黙で受けとめ河は流れる。純文学書下ろし長篇待望の文庫化、毎日芸術賞受賞作。

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17 人中、17人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0 人それぞれで良い, 2004/10/15
By che-guevara (神奈川県横浜市) - レビューをすべて見る
 インド、特にガンジス河のほとりのバラナシを舞台にした純文学。
 妻を亡くしてから初めて愛や妻との縁について考え始めた磯部、本当の自分を誰にも出せず九官鳥等の鳥にだけ本心を話すことのできた沼田、太平洋戦争時にビルマで地獄のような体験をした木口、結局自分は誰のことも愛することなどできないのだと考える美津子、そして美津子の大学の同窓生でキリシタンながらヨーロッパ的な善と悪を峻別する考え方に共感できずにいる大津、それぞれの人生を微妙に絡めつつ、裕福な者から貧しい者まで全ての者を分け隔てなく受けとめる母なる河・ガンジス河が彼らをいざなう。
 人生とは愛とは、そして神とは…不思議とそんなことを考えたり語りたくなってしまうバラナシ、そしてガンジス河。
 
 「他の国・民族が持つ信仰とはもちろんのこと、たとえ自分の周りの人々が持つ信仰とは違えども、その人がその人の育った環境や価値観から培った信仰であれば、それは人それぞれであって良い」とこの本に教えてもらった気がする。

 インド(特にバラナシ)へ行ったことのある方は共感しながら読めるであろうし、行ったことのない方が読んだらインドへ1度行ってみたいと思うような本であると思う。

 ソレデハ…

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40 人中、38人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 インドに行きたくなります。, 2000/11/20
By sean_winnie (東京都目黒区) - レビューをすべて見る
遠藤周作は「沈黙」を呼んで以来久しくご無沙汰していたが、分量もすくなく読みやすく、しかも泣けます。かなりのオススメ。

物語は突然の妻の死で幕をあける。男は妻の突然の死を受け入れる事が出来ない、典型的な日本人の夫らしく妻をいたわり、愛する事をしてこなかった彼が気づいたものは「空気のようだ」と思っていた妻が、本当の空気のようになくてはならないものであったという事実であった。おとなしく、感情をあらわにすることのなかった妻が、乱れるようにして吐いた最後の言葉を追って彼はガンジス川へ旅立つ「必ず生まれ変わるから、この世のどこかに・・・。」

この本では五人の日本人がそれぞれの理由を背負ってインドへ行く。あるものは妻の「転生」というおよそありえない可能性を追って。あるものは太平洋戦争中ビルマで戦って死んでいった親友を弔うため。またあるものは、自分には信じられない「何か」を信じ、そのために「破門」の烙印さえ押された神父の友人を探しに。

私を含め、多くの日本人は無神論者であり基督教の言う神なるものの存在を信じない。しかし、本当に絶望的な時や何かにすがりたい時、誰しも一度は人間ではない物に祈った事があるのではないだろうか。テストの結果発表を見るとき、家族の危篤を伝えられたとき、罪から逃げようとしている時。どんな世界の、どんな階層の人間でも心に苦しみを持ち、その苦しみから逃れるために何かにすがり、祈る。その何かがこの本の中では「玉ねぎ」であり「深い河」ガンジス川なのだろう。

この本の一つのテーマは「転生」だが、物語から伝わってくるのはそれだけではない。

人間の感情には多くのグレーゾーンが存在し、誰もがその葛藤に悩まされている。人間の心が描き出す愛憎は水と油のようなものではない。たまらなく愛しい思いの中にも、深い憎しみが隠されているはず。様々な気づかなかった事に気づかせてくれる名作である。

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19 人中、18人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0 遠藤周作のキリスト教観が心地よい, 2006/9/30
 キリスト教に汎神論をくわえた遠藤周作独自の解釈がストーリーの芯になっている。主題の性質上、死、愛、宗教、輪廻など、いわゆる「重い」題材が多く含まれているけれども実は読みやすい。

 物語の主な舞台をインドにしたことも含めて、やはり遠藤周作は素晴らしい書き手だと思う。僕は、遠藤周作が『イエスの生涯』で示した「『奇跡』抜きでもちゃんと成立するキリスト観」が大好きなので、この本も一気に読んでしまった。

 登場人物の「ヨーロッパの考え方はあまりに明晰で論理的(中略)、東洋人のぼくには何かが見落とされているように思え、従いていけなかったのです」という言葉と、「善悪不二」という仏教用語が印象的。

 読みやすさとの引き換えだから仕方ないのだけど、そんなにドラマチックにしなくてもと思ったのと、あと少しだけ話のつづきを書いていて欲しかったので★4つ。
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