本書はまさにそれに答えてくれる。本書の特徴は単なる「おはなし」ではなく、具体的にデータを用いて地球環境の現状を提示してくれる点である。著者は共同通信社の科学部の記者として地球科学や環境問題を担当し、数々の環境問題に関する国際会議を取材してきた経験の持ち主。著者自身の足と身体で得た情報を、豊富なデータを用いてクリアに解説してくれる。データや情報が多い本だと、我々はデータの海におぼれがちで、データが示す本質がわかりにくいことが多いが、本書では「ほんとうに石油はあと40年でなくなってしまうのか?」などのトピックごとに「Q&A方式」でまとめてあり、最初から通して読まなくても知りたい情報を得ることができる。
本書はその半分がエネルギー問題(石油の枯渇、原子力、新エネルギーなど)に割かれており、後半で危機に瀕している水資源、食糧問題、減少が目立つ水産資源、森林資源と鉱物資源の現状について触れている。「持続可能な発展」という概念が地球科学から提唱されているが、本書を読み進めるうちに、我々が大変厳しい状況を迎えつつあることが事実として明らかになり、この概念について考えることの緊急性と必要性を感じさせられる。(別役 匝)
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