著者は、堤商法の原点はグループ創業者で義明氏の父である康次郎氏の事業観にあると指摘し、その波瀾万丈の人生を振り返る。康次郎氏は利益を得るためには非合法すれすれのビジネスも厭わなかった。周囲に身近な人間を置いて、閉鎖的な個人企業体として運営した。私生活も奔放で、義明氏や異母兄の清二氏(元セゾングループ代表)らは複雑な家庭環境に置かれた。
康次郎氏が亡くなった後、西武グループを引き継いだ義明氏は、康次郎氏の思想と経営手法を踏襲し、絶えず康次郎氏の立場に置き換えて考え、決断してきたという。著者は、「私が自信をもって経営できるのは、親父の思想でやっているからです。それでうまくいかなくてもどうってことない」というかつての発言をとらえ、義明氏は西武王国の主としての自分の人生を憎んでいたのではないかと分析する。康次郎氏が育んだ西武グループが社会から否定され、消え去ることが義明氏の希望だったのかもしれないとの独自の見方を示す。
(日経ビジネス 2005/02/21 Copyright©2001 日経BP企画..All rights reserved.)
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