『ミイラ全身解剖』(原題『Conversations With Mummies』)は、そのミイラの包帯を取り除き、CTスキャンやDNA分析をすることにより、古代の歴史や医学的な事実を明らかにしようとする。マンチェスター博物館の学芸員による「ミイラ1770」の解包(包帯を解くこと)に始まり、「ミイラ1776」の分析、ラムセス2世に関する考察など、衝撃的な写真とともに次々と紹介されており、読む人の心をとらえて離さない。
また、本書にはミイラ作りを明らかにするために行われた、ボブ・ブライアーとロン・ウェイドの実験の記録も収められている。黒曜石のナイフで死体の内臓を抜き出し、ナトロンで体を覆い、亜麻布の包帯で体を包むまでの工程が写真入りで紹介されているのは、特筆に価するだろう。
グロテスクな写真が多いため、心臓の弱い人にはおすすめしないが、本書で明かされる古代エジプトのミイラ科学と古病理学上の事実には、興味深いものが多い。本書を読むことで、古代エジプト人の生活がより身近なものに感じられるだろう。(土井英司)
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