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日本人のしつけは衰退したか―「教育する家族」のゆくえ (講談社現代新書 (1448))
 
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日本人のしつけは衰退したか―「教育する家族」のゆくえ (講談社現代新書 (1448)) (新書)

広田 照幸 (著)
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商品の説明

出版社/著者からの内容紹介
礼儀正しく、子どもらしく、勉強好き。パーフェクト・チャイルド願望は何をもたらしたか。しつけの変遷から子育てを問い直す。

「パーフェクト・チャイルド」──しかしながら、大正・昭和の新中間層の教育関心を、単に童心主義・厳格主義・学歴主義の三者の相互の対立・矛盾という相でのみとらえるのは、まだ不十分である。第一に、多くの場合、彼らはそれら三者をすべて達成しようとしていた。子供たちを礼儀正しく道徳的にふるまう子供にしようとしながら、同時に、読書や遊びの領域で子供独自の世界を満喫させる。さらに、予習・復習にも注意を払って望ましい進学先に子供たちを送り込もうと努力する──。すなわち、童心主義・厳格主義・学歴主義の3つの目標をすべてわが子に実現しようとして、努力と注意を惜しまず払っていた。それは、「望ましい子供」像をあれもこれもとりこんだ、いわば「完璧な子供=パーフェクト・チャイルド」(perfect child)を作ろうとするものであった。──本書より



著者紹介
1959年、広島県生まれ。東京大学大学院教育学研究科博士課程単位取得退学。現在、東京大学大学院教育学研究科助教授。専攻は、教育社会学、教育史、社会史。著書に『陸軍将校の教育社会史』──世織書房、『学歴主義の社会史』(共著)──有信堂高文社、『士族の歴史社会学的研究』(共著)──名古屋大学出版会──など。


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5つ星のうち 5.0 親バッシングにNO!, 2007/6/6
By ロラ (東京都荒川区) - レビューをすべて見る
身勝手な理由で給食費を払わない親、子供より自分中心な親、子供のしつけを学校まかせにする親、学校に異常なクレームをする親など、親の中のごく一部の人の行いをやり玉に挙げ、さも全ての「いまどきの親」がそうであるかの様に決め付けてバッシングするのが最近特に流行っているように思います。そんな中で、したり顔で「いまどきの親は昔の親に比べて…」と嘆くワイドショーのコメンテーターの顔面に叩きつけてやりたいのがこの本です。

この本は、様々な資料を分析し、「いまどきの親は…」というのが単に過去を美化しているだけだということを指摘しています。要するに、元々ほとんどの親はそこそこうまく子育てをしており、今の親がダメな訳でも昔の親がすばらしかった訳でもない(むしろ、今の親の方が家庭での教育を熱心に行っており、そのせいで親の負担が増え過ぎてしまってさえいる)。にもかかわらず、若い親への執拗なダメ出し(年寄りのやっかみ)が行われ、「しつけを間違うとお前の子供がとんでもない事をしでかすぞ」という脅迫めいたメッセージすらいろんな所から垂れ流され、親に無用な不安を抱かせているという訳です。

この本が出版されたのは1999年ですが、最近の親バッシングや親の不安につけこむような言説の多さを考えると、こうした傾向は今も続いているように思えます。こういう親を苦しめる傾向をなくす為にも、最近の若い親バッシングにはNOをつきつける必要があると思います。

私はこの本を読んで、いまどきの親をバッシングする暇があったら、この本を読んで親の不安について考えた方が絶対に良いと思いました。
最近の親や子育てについて考えたい全ての方にオススメです。
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14 人中、13人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 目から鱗のしつけへの意識の変遷, 2007/4/1
By 糸音 - レビューをすべて見る
(TOP 500 REVIEWER)   
「家庭の教育力が落ちた」
「最近の家ではまともなしつけが出来ていない」
「昔の家庭ではきちんと子どもをしつけていた」
新聞やテレビを見ても、書店で書架を眺めても最近の家庭の教育を弾劾する論調が目につく。
そんなに最近の家庭は、親はダメになったのか?
昔はそんなに良かったのか?

この書ではそんな通俗的な見解に正面から疑問をぶつける。
社会学の手法を用い、当時の文献や文章を読み込み、統計を分析する。
科学の手法から浮かび上がった家庭の教育力の変遷は衝撃的である。
通俗的な見解とはまったく逆、教育における家庭の関与は年々増大している。
家庭の教育力は低下するどころか、増強していると言ってもよい。
そして今日の教育課題・教育問題はかえって家庭が多くの負担を強いられていることから発生しているとも言えるということである。

現代の家庭のモデルは都市の中産階級のモデルである。
父親は働く。母親は家庭を守る。
そのモデルは教育にも大きな影を落とす。
著者は戦前・高度成長期・1970年代に大きな変動を見る。
それは農村の疲弊と都市の中産階級の発達である。
学校や地域に全てを任せず、子どもの教育を親が設計する家庭。
そんな中間層の「教育する家族」が次第に広がることにより、しつけや教育への認識が変化してきたと明快に分析する。

この書は1999年に出版されている。
しかし、今でも家庭の教育力についての報道は十年一日の感がある。
思いこみと迎合のみで報道をたれ流し、科学的な視点を欠くマスコミの認識と能力の低さが実感できる。
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9 人中、8人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 親は無くとも子は育つ, 2006/3/3
By 広島花子 "お藤" (広島市) - レビューをすべて見る
(TOP 1000 REVIEWER)   
 何か家族に関わる事件が報道されるたびに、したり顔の評論家なる人間が眉をひそめて、家族の中でもっとしっかりした教育をと宣います。しかし、その問題提起は人々の臆見以上に訴えてのものでなく、そんな人間の誰一人、本気でそれを憂いて行動しようとする人を見ない。つまりは皆、言いっぱなし、嘆きっぱなしなのです。家庭教育が劣化したならそれは何故なのか、誰が、そしてどの様になのか、第一、家庭教育や躾なるものが何物なのかすら、満足に説明している話を聞きません。これでは余りに誠意を欠いた言説、曲がりなりにも他人の家族を非難する場合、あるべき基本的な礼儀すら守られていない、いったいそんな彼らはどんな躾をされてきたのか、常々疑問を感じずにはいられませんでした。
 是非とも躾衰退論者の方々は、本書を読んでいただき、これの明快な反論をしていただきたいものです。そうすれば、私の欲求不満も解消する。著者は非常に丁寧に資料に当たり整然と論を組んで、決して教育なるものが一枚岩ではない、歴史的にも階層的にも複雑多岐に亘るものであるという、至極常識的なことを論証されており、結局躾の衰退なるものが実は躾の実相の推移よりむしろ、その印象の推移、つまりは評価基準の変化にあることを明確に指摘されています。それは分り易く説得的で、もし本書に反証が可能ならば逆に躾衰退論に対するすばらしい証明になるでしょう。それにしても本書の中で紹介されている、自分の家の家庭教育への評価に関する国際比較は興味深いものがあります。それに依れば、日本はアメリカ、韓国に比べて家庭教育への不安感は一番低い。著者も言われるように、大抵の家庭がそこそこうまくやっているのです。本書で示されている理想の教育観も常識的なもので、個々の親は自分の良心をもっと信じてもよいものなのでしょう。そんなそこそこうまくやっている家庭に危機感を煽り、無意味に親を子を追い詰めているだけなら、そんな言説、無責任を通り越して、正に罪万丈に至ると言うべきであります。
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「しつけ」を無批判に肯定する言説に挑戦し... 続きを読む
投稿日: 2002/4/6

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