出版社/著者からの内容紹介
孤独と不安、病気や死への恐れ、劣等感、挫折感、複雑な人間関係のなかでの葛藤、親と子の確執、愛にまつわる苦しみ……。人は誰でも心の底に、さまざまな悩みをかこちながら生きている。神経症や心身症などの原因ともなる悩みを、逆に、よりよく生きるためのバネとするには、どう対処すればよいのか。本書は、苦悩の本態をさぐり出し、それを正しくうけとめ克服する方途を、豊富な臨床例にもとづきアドバイスする。
愛の悩み――神経症の人が結婚相手を選ぶことに不安を感じるのは、それによって、相手をひきうけるという重荷に耐えなければならなくなるからである。そして将来に対しての予期不安に悩まされるからである。だが、人間の営みにおいて、悩みを伴わない喜びはほとんど存在しない。したがって、愛の完結を求めようとするならば、同時に苦しみをもひきうける覚悟が必要になるのである。その決意と行動があってこそ“おとなの愛”が求められる。その苦悩の行く手に真の悦びが待っているのである。――本書より
著者紹介
1931年、東京生まれ。上智大学卒業後、早稲田大学文学部大学院で美学を学び、さらに東京慈恵会医科大学を卒業。専攻は、精神医学、精神病理学。医学博士。聖マリアンナ医科大学教授。お茶の水女子大学講師を歴任。1986年5月、ガンのため逝去。著書に、『森田療法』講談社現代新書、『生と死の境界線』――講談社――など多数。