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「待つ」ということ (角川選書)
 
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「待つ」ということ (角川選書) (単行本)

鷲田 清一 (著)
5つ星のうち 4.6  レビューをすべて見る (11件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容紹介

ひとは自分の生をどう生きてきたか。「待つ」ことから探る哲学的断章。
現代は待たなくてよい社会、待つことができない社会になった。現代社会に欠落しはじめた「待つ」という行為や感覚の現象学的な考察から、生きること、生きていることの意味に分け入る。臨床哲学の視点からの認識論。


内容(「BOOK」データベースより)

現代は、待たなくてよい社会、待つことができない社会になった。私たちは、意のままにならないもの、どうしようもないもの、じっとしているしかないもの、そういうものへの感受性をなくしはじめた。偶然を待つ、自分を超えたものにつきしたがう、未来というものの訪れを待ちうけるなど、「待つ」という行為や感覚からの認識を、臨床哲学の視点から考察する。

登録情報

  • 単行本: 198ページ
  • 出版社: 角川学芸出版 (2006/09)
  • ISBN-10: 4047033960
  • ISBN-13: 978-4047033962
  • 発売日: 2006/09
  • 商品の寸法: 18.8 x 12.8 x 1 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.6  レビューをすべて見る (11件のカスタマーレビュー)
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27 人中、23人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 待つことから生まれるもの, 2007/8/4
特に携帯時代が始まる前は、待つ、という状態が当たり前でした。
待ち合わせに迷ったり、待ってる時間にイライラしたり、
その中に期待や不安が入り混じるあせり…
でも、その「待つ」ことによて、待つ対象者への関係性の認識が、
どれほど深まるかということを思い出させてくれます。
昔は、何かに期待し、待ち、本を読んだり、色々なものに興味を持ったり。
そういうことができなくなった今、現代の我々は、哲学的思考が出来るのか?
もしかして、待たなくていい社会に、「深く熟慮する力」を
奪われているのではないかと、自ら自問自答してしまいます。
(でも、ちょっと後半からネタが散漫になってきて、
あれ?ネタ切れしてない?という感じの話題の入れ方だったかな。
強いて言えば、前半の考察路線を後半まで維持して欲しかった・笑!)
生活全体を見つめなおしてしまう貴重な一冊です。
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29 人中、23人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 「待つ」という行為の可能性とその是非, 2007/1/6
 現代が、待たなくてもよい社会、待つことができない社会になったのは、言うまでもなく情報メディアの発達によるのだろうが、より正確に言うのなら、メディアの発達が「待つ」という概念に‘重量感’をもたらし、私たちはその‘重さ’に耐えられなくなってきているということなのだろう。
 しかし、「待つ」ということは未来に期待することであるのだから、‘今’を生きることにはならない。だから希望などもつべきではなく、もつ必要もなく、今するべき目の前の瑣末な事をこつこつとこなして感受性を磨いていけば、全く予想していない‘恩寵’がもたらされるだろうと、うかつにも私たちは‘期待’してしまうが、希望を持たずに私たちは生きていけるのだろうか。生きる意味というものは未来からもたらされるのだから。果たして私たちは無意味に生きていけるのだろうか。本書はその答えではなく果てし無い考察である。
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3 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0 待たないという「待つ」のありかた, 2009/2/12
By 倒錯委員長 (横浜市と夢半ば) - レビューをすべて見る
(TOP 500 REVIEWER)   
あらゆるテクノロジーの発達がもたらしたシステムの合理化と均質化によって、無駄なるものが社会からつぎつぎに排除されていく。それは、「待つ」ということとて同じ。あらゆる人が、待たなくても会えるようになっていく。あらゆるものが、待たなくても手に入るようになっていく。本書は、「待つ」必要がなくなった現代であるからこそ問い直す、「待つ」ことについての19章。

毎度のことながら、未だにパソコンの起動の遅さに少なからずイラだってしまういらち(関西弁で「気が短い、せっかち」)な僕のような人間からすると、「世の中にはまだまだ『待つ』ことが遍在しているじゃないか」と思えるのであるが、本書が扱うのはそのように予め未来(ここならPCの立ち上がり)が設定された「待つ」、ある種の「期待」を内包している「待つ」ではない。というよりか、本書はそのように終わりの保障された低次の「待つ」から出発して、何かを待つ、とはまた別の仕方の「待つ」の探求だ。

本書で著者が言おうとしていることは、武道論の観点から入ったほうがわかりやすいのかも知れない。武道でいうところの「居付き」とは、緊張のあまり体がカッチカチになってしまった状態、まさに床に足がついてしまったかのような状態を言う。敵の次の動きを予測するあまり、体が雁字搦めに、動かなくなってしまうのだ。
それは相手の反応に対するもっとも悪い「待ち」だろう。そういう「待つ」ではなく、本書が問おうとしている「待つ」とは、相手がたとえどのような動きをしてもそれに柔軟に対応するために、あえて何も予測しないでおく、「予測しないという予測」のことなのだろう。

あとがきで筆者が明かすとおり、この本の執筆過程に「産みの苦しみ」があったことは、節々からうかがい知れる。それだけに読みにくくはなっているが、思考の足跡のようなものが残っているため、本として味わい深いものになっているというのも、また事実。
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