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螺鈿迷宮 下 (角川文庫)
 
 

螺鈿迷宮 下 (角川文庫) (文庫)

by 海堂 尊 (著)
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Product Description

内容紹介

次々に患者が不自然な死を遂げる謎の終末医療施設、桜宮病院の秘密とは何か? ロジカルモンスター白鳥と氷姫がその闇に迫る!

内容(「BOOK」データベースより)

医学生・天馬大吉が潜入した不審死の続く桜宮病院に、奇妙な皮膚科の医者がやって来た。その名も白鳥。彼こそ、“氷姫”こと姫宮と共に病院の闇を暴くべく厚生労働省から送り込まれた“刺客”だった。だが、院長の桜宮巌雄とその双子の娘姉妹は、白鳥さえ予測のつかない罠を仕掛けていた…。終末医療の先端施設に隠された光と影。果たして、天馬と白鳥がそこで見たものとは?現役医師が描く、傑作医療ミステリー。

Product Details

  • 文庫: 233 pages
  • Publisher: 角川グループパブリッシング (2008/11/22)
  • ISBN-10: 4043909020
  • ISBN-13: 978-4043909025
  • Release Date: 2008/11/22
  • Product Dimensions: 5.8 x 4.2 x 0.5 inches
  • Average Customer Review: 3.8 out of 5 stars  See all reviews (12 customer reviews)
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4 of 5 people found the following review helpful:
5.0 out of 5 stars 軽く読めるけど、なかなかの完成度です, 2008/12/14
現実の医療業界の問題を内容に織り込む小説を書くこの著者は、ここでは「終末期医療」の問題を取り上げていますが、読者にただ単にその存在を認識させるだけでなく、その裏に潜む「闇」の根の深さを認識させられるような描かれ方をしています。
そのため、小説自体は上下通して比較的短時間で読み終わったものの、その「問題」の重さはしっかりと受けとめることができました。

また、ミステリーとしても、出だしから数々の「謎」を読者に提示し、「この先どうやって謎が明らかにされるんだろう」と読者を引き込む力がありましたし、結末で謎が明らかにされた時、それまでの中に伏線がバランスよく配置されていたことに気づかされました。
現実の医療業界の問題点を、主軸をぶれさせることなくミステリーと融合させている、その完成度が今までで一番高いと感じます。

また、キャラクターの面からみると、『チーム・バチスタの栄光』『ナイチンゲールの沈黙』で、田口・白鳥コンビのやりとりの面白さを楽しんだ方々にとっては、こちらはそのコンビのやりとりはなく、田口自体、ほとんど出てこないため、いささかの寂しさを覚えるかもしれません。
しかし、その2作で名前は出ていた「氷姫」がついにここで登場します。切れ者なのか、天然なのかわからないそのキャラクターは、田口、白鳥にはない不思議な存在感。一読の価値ありです。
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7 of 10 people found the following review helpful:
5.0 out of 5 stars 『ジーン・ワルツ』の誕生と『螺鈿迷宮』の死, 2008/11/29
By voodootalk - See all my reviews
(TOP 10 REVIEWER)   
オリジナルは、2007年11月30日リリース。海堂氏はいつも小説というメスで日本医療の患部はどこか、を白日の下に曝す。『ジーン・ワルツ』では産婦人科医がなぜ激減したかだけでなく、明治時代のまま変わらない法律の矛盾や、アンケートばかりとっている厚生労働省の逼迫した現実への無反応・無為無策さ、名ばかりの少子化対策といったあらゆるものの問題点を全て提示していた。『ジーン・ワルツ』が人間の『誕生』への問題提起であるとすると、本作は人間の『死』に対する問題提起として書かれている。そしてこの2つの小説は対となって構想されたのでは、と思える。

デビュー作の『チーム・バチスタ・・・』で既に死者へのMRI検査の重要性を説いているが、本作では医者とは切っても切れない『死』の問題と、現代医療にとって『死』とはどのような存在なのか、を読むものに気がつかせる。 そして頭を過ぎるのがマイケル・ムーアの『シッコ』だ。アメリカ医療の酷さはどことなく今の日本の医療の先の姿のように思えてならなかった。

ここに登場する桜宮病院の院長の言葉、『医学とは屍肉を喰らって生き永らえてきた、クソッタレの学問だ。お前にはそこから理解を始めてもらいたい。医学の底の底から、な』が、この作品を象徴している。厚生労働省の考える『死』、病院の受け止める『死』、自殺志願者の『死』、末期癌患者の『死』・・・どれも同じ『死』であるはずなのにこの作品では違って感じられる。それは各々の『生』が螺鈿のように様々に光り輝いているからなのかもしれない。圧倒的な読後感を残す傑作である。
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2 of 3 people found the following review helpful:
4.0 out of 5 stars 目が回る読後感に注意!, 2009/5/20
人物の中身の描写やすかっと気持ち良く割り切れる方法論を愛して海堂ワールドに参加した人がこけるとしたら、ナイチンゲールかこれかだと思う。


論理的に構築された展開というよりむしろ、心理的だったり表層的だったり。
登場人物が個々として書かれているというよりもむしろ、事件の被害者としてのまとまりとして描かれていたり。


誰の視点で物語をとらえていいのか、誰に肩入れして読んだらいいのかわからずに、
結局最後まで寄りかかるべきものが見付からずに、立ちっぱなしで足が痺れたみたいな読後感。


最初の田口・白鳥コンビがインパクトがありすぎて、そうしてそのラインだと期待していた姫宮があまりに個性を描かれなさすぎて、
だからあたしは軸足を定められずに揺れつづけ、酔ってしまうのですよ。


螺鈿迷宮。
そう、ぐるぐる巻きの階段を永遠に降りていくように、ぐるぐるぐるぐる、ふわふわと。
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