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裸者と裸者〈上〉孤児部隊の世界永久戦争 (角川文庫)
 
 

裸者と裸者〈上〉孤児部隊の世界永久戦争 (角川文庫) (文庫)

by 打海 文三 (著)
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Product Description

内容(「BOOK」データベースより)

応化二年二月十一日未明、“救国”をかかげる佐官グループが第1空挺団と第32歩兵連隊を率いて首都を制圧。同日正午、首都の反乱軍は“救国臨時政府樹立”を宣言。国軍は政府軍と反乱軍に二分した。内乱勃発の年の春にすべての公立学校は休校となった。そして、両親を亡くした七歳と十一ヶ月の佐々木海人は、妹の恵と、まだ二歳になったばかりの弟の隆を守るために、手段を選ばず生きていくことを選択した―。


著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

打海 文三
1948年生まれ。早稲田大学政経学部卒。93年、『灰姫―鏡の国のスパイ』が第13回横溝正史賞優秀作となる。翌年発表した『時には懺悔を』が各方面で絶賛される。2007年10月9日、逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

Product Details

  • 文庫: 387 pages
  • Publisher: 角川書店 (2007/12)
  • ISBN-10: 4043615035
  • ISBN-13: 978-4043615032
  • Release Date: 2007/12
  • Product Dimensions: 5.9 x 4.2 x 0.7 inches
  • Average Customer Review: 3.6 out of 5 stars  See all reviews (7 customer reviews)
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5 of 8 people found the following review helpful:
4.0 out of 5 stars バイオレントでリリカルで爆走感あふれる作品です, 2008/1/28
ハードカバーでの発売時に話題になったのは知っていたのですが、なぜか手が出ず、文庫化を機に手にしました。内戦状態となって有象無象の暴力が渦巻く日本で、幼い妹と弟を守り抜くために腕一本で生き抜く道を選んだ10代の少年、佐々木海人の物語(この巻ではそう)です。

リアリティその他の面で、ノれるかどうかはっきりと分かれる題材です。世界観をざくっととらえれば「コードギアス(の日本内戦状態)+北斗の拳(の荒涼感)+ガンダム00(主人公の少年兵的メンタリティのみ)」でしょうか。文学でいえば馳星周氏と花村萬月氏(特に「イグナシオ」っぽい)のギラリと熱く冷たく、ほんのり詩的なバイオレンスを感じました。

戦場や戦闘に巻き込まれる街が非常に正統派の的確な濃い描写で描かれる一方、主要な登場人物がみな、ある種の落ち着きを持って描かれています。海人が一度も正規の学校教育を受けることのないままにがむしゃらに生きてきたことを表すためか、彼の台詞は語彙が増えてもほとんどひらがな表記(しかも長くない)。ただの無学なキル・マシーンに見えるか見えないかのギリギリのラインですが、ふるまいや心の動きにある種の気高さを感じさせるキャラクター造形のため、バイオレントな場面でも熱くなりすぎません。ほかにも、預言者めいた台詞を吐く双子の月田姉妹、世話になる裏社会の顔役などの落ち着いた台詞回しがこの悲惨で熱い世界観をうまく冷ましているように思います。それに、海人が17歳(だと思う)にして生まれて初めて読む小説(読み書きの教材です)があまりにも素敵でやられた!

物語の運びが非常にハイスピードでパワフルな作品なので慌てて読みがちになる(ここが☆ひとつマイナス要素)のですが、そこをぐっとこらえて次巻以降も読みたい作品ですのでこの評価とします。3部作になるはずだったと聞いていますが、昨年の打海氏のご逝去で未完となりました。残念さ半分、下手な結末にならないのでよかったように思うこと半分の作品です。
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1 of 2 people found the following review helpful:
3.0 out of 5 stars 内戦の弱者と、生き抜く者。, 2008/8/11
By 風見鶏_ (岐阜県岐阜市) - See all my reviews
 日本で内乱が勃発、米軍介入後に諸勢力は分裂し、地方軍閥化します。
就学前に孤児となった主人公は攫われてしまい、少年兵として反乱軍に組み込まれます。
訓練過程でもたつけば即射殺される環境を生き抜き、戦闘の混乱にまぎれて逃亡に成功し、
後に政府軍に徴兵されたときに孤児部隊で経験と能力を発揮していきます。
 当初は弟妹を養う為に給料を必要とし、生き残る為に部隊を強化する必要に迫られて、
小隊長として独自行動を起こして、地方マフィアや敵軍物資の確保・転売に成功。
得た資金で更に強化を繰り返し、賄賂で上官の黙認を得ていく内に、孤児部隊を掌握していきます。

 上巻で描かれるのは、主に主人公の出世物語となっています。
内乱下の混沌とした悪のはびこる地方都市で、
軍閥下がどんなものであるかという世界を見せつけられます。
主人公の出世物語に目を奪われてしまいますが、
描かれているのは人間であり、それ以上でもそれ以外でもないかと思います。
 文庫という事とカバー絵で錯覚してしまうかもしれませんが、
これはライトノベルではなく、架空戦記物とかいった類の娯楽でもありません。
おそらく現在の日本からでは遠い内戦下の国の様子を、
この日本に置き換えて、読者に突きつけるものなのです。
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2 of 5 people found the following review helpful:
4.0 out of 5 stars 『異端者となりて、それでも慈悲を請いながら』, 2008/5/11
上巻の前半はとにかく読み進めるのが辛い。
日本本土上で戦争が起こるのだ。
それはリアリティがあるとかそんな問題じゃなく、
着々と戦争ができる国造りに向かう日本の未来が重なってみえてしまうから。
(着々と、「公」に戦争が。)

ただ、そんな悲惨な現実を物語上で受け入れた先からは、(しょうがないし)
登場人物たちの織り成す物語に引き込まれ、過酷な世界観も読めるほどに。
(ライトノベル系で言われる、いわゆる「キャラ萌え」という要素なのか。)
いざ、そんな過酷な世界に突入したとき、自分自身がとらなければいけない、選択や立場は、というのがシュミレートできる。
大事な人や愛するものを守るため、果たして私は人殺しができるか。問うてしまう。

ただ、詳細で緻密な「戦略」(戦術や戦闘)描写は、難解でもあり、私にはたいくつだった。
興味の主体がキャラクターたちの会話や考え方(思想)に移ってしまったからなおさらで。
下巻などはそのほとんどを飛ばし読みしてしまった。けれど物語の流れを把握するのは困らなかった。戦略や戦術といった要素が好きならば面白く感じるのではと思うが。
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