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いちばん初めにあった海 (角川文庫)
 
 

いちばん初めにあった海 (角川文庫) (文庫)

加納 朋子 (著)
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出版社/著者からの内容紹介

「私、人殺しなの…」幼い頃の罪の記憶を抱えたふたりの女性は、日常の狭間に見え隠れする愛と生命の尊さを通じて再生してゆく。胸いっぱいひろがる、ぬくもりあふれたファンタスティック・ミステリー。
--このテキストは、絶版本またはこのタイトルには設定されていない版型に関連付けられています。


内容(「BOOK」データベースより)

堀井千波は周囲の騒音に嫌気がさし、引っ越しの準備を始めた。その最中に見つけた一冊の本、『いちばん初めにあった海』。読んだ覚えのない本のページをめくると、その間から未開封の手紙が…。差出人は“YUKI”。だが、千波にはこの人物に全く心当たりがない。しかも、開封すると、「私も人を殺したことがあるから」という謎めいた内容が書かれていた。“YUKI”とは誰なのか?なぜ、ふと目を惹いたこの本に手紙がはさまれていたのか?千波の過去の記憶を辿る旅が始まった―。心に傷を負った二人の女性の絆と再生を描く感動のミステリー。

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5つ星のうち 3.0 これか!, 2008/9/7
By 志村真幸 - レビューをすべて見る
(TOP 100 REVIEWER)   
 1996年に出た単行本の文庫化。
 「いちばん初めにあった海」と「化石の樹」の2本の中篇が収められている。
 著者の4冊目の作品である。
 いかにも加納さんっぽい物語に仕上がっている。強烈な毒が含まれつつも、ふんわりと優しい雰囲気に包まれ、やがては幸せな結末が訪れるという。
 物語の全体にトリックが仕掛けられているのも、この人らしい。ちょっとビックリするような手法であり、感心させられた。人によっては、トリックが存在することに気づけないかも知れない。気を付けながら読んで欲しい。
 ただ、あまり好きになれない小説であった。ベタベタしすぎているというか、雰囲気があまりにも女性的すぎるというか。
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12 人中、9人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 3.0 答えは海のように深く・・・, 2006/6/19
By 夢追い虫 - レビューをすべて見る
(TOP 500 REVIEWER)   
霧のような薄いベールが全編に立ち込める・・・。
そんな独特の雰囲気のある作品でした。
他の加納さんの作品に比べると雰囲気は暗い。
けど、いつものような「日常のミステリー」よりは深く、“心の再生”を描いています。
なかなか確信がつかめずに半信半疑で読み進めていくしかないのですが、
謎の答えがすべて出そろったときのあたたかな感動はやはり加納作品。
最終的にはファンの期待を裏切らない展開。

どちらかというともう1つの「化石の樹」の方が加納さんらしくて好きです。
最後はじんわりと幸福感に包まれました。
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25 人中、14人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 こころ救われる物語, 2004/11/16
By かほひめ - レビューをすべて見る
(TOP 500 REVIEWER)   
 ミステリー、とはいっても犯人を捜すための物語ではなく、二人の女性が、自分の人生を取り戻すまでの切ないミステリーです。

 加納朋子さんの作品は、『掌の中の小鳥』『月曜日の水玉模様』を読んで、これで3作品めですが、最初の作品二つはとてもこころがあったまるミステリーだったので、この作品はなんだか”異色”なかんじがしました。とても切ないのです。これほどまでに苦しい人生を生きてきた二人の女性が、どうやって過去を乗り越え、自分を見つめ直せるのか。かといって、重苦しく感じさせないのはさすが加納朋子さんです。

 千波がやっと「過去」と「自分」を取り戻したとき、なんだか彼女の周りに光のシャワーが降ってきたように感じました。ああ、もうこれでだいじょうぶ、と。看護士さんの「これ以上なにを望みますか」という言葉が印象的でした。千波はすべてを失ったかのように見えるけど、なにより大事なものが残された。だから、彼女はもうちゃんと一人で生きていける、と読んでいる方が納得できるラストでした。

 『化石の樹』も、ラストが素敵。そうそう人生って捨てたもんじゃないよ、と思わせられました。長く人生を生きていると、ときに自分がひとりぼっちのような錯覚を起こすこともあるかもしれません。自分が誰からも必要とされていないような。でも、そんなことはない。自分のことをこころの底から大事にしてくれる人って、必ずいるものなんです。たとえその人が、自分を憎んでいるように感じていたとしても。

 前に読んだ作品のように、ほのぼのとした雰囲気のものではなかったけれど、読んだあとになんだか清々しくなるというか、こころがあらわれるような作品でした。

 

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