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生きるのも死ぬのもイヤなきみへ (角川文庫)
 
 

生きるのも死ぬのもイヤなきみへ (角川文庫) (文庫)

by 中島 義道 (著)
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Product Description

内容紹介

「生きていたくもないが、死にたくもない」そう、あなたの心の嘆きは正しい。そのイヤな思いをごまかさず大切にして生きるほかはありません。孤独と不安を生きる私たちに一筋の勇気を与えてくれる哲学対話。


内容(「BOOK」データベースより)

自意識を持て余す東大生、自分の容貌を嫌悪するOL、働くことが嫌いなフリーター、5年間引きこもり中の男…。「どうせ死んでしまうのだから、何をしても虚しい」彼らの心の叫びは“正しい”。しかしその真実は、善良で鈍感な日本社会からは抹殺される。苦悩する彼らと著者が対話を重ね、人生の虚しさを直視し、生きることの意味を探究する哲学対話エッセイ。生きづらさを抱える人に捧げる一冊。

Product Details

  • 文庫: 210 pages
  • Publisher: 角川グループパブリッシング (2009/3/25)
  • ISBN-10: 4043496079
  • ISBN-13: 978-4043496075
  • Release Date: 2009/3/25
  • Product Dimensions: 5.9 x 4.2 x 0.4 inches
  • Average Customer Review: 4.0 out of 5 stars  See all reviews (2 customer reviews)
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20 of 20 people found the following review helpful:
5.0 out of 5 stars 生きていてもいいんだよ…, 2009/4/25
人は自分の意見を否定されるとまず萎縮してしまう
そして自分の意見の正当性を立証しようと
ありもしない「たとえ話」を作り上げようとする
その時点でもう自分を見失っている事に気付かないまま…

人はそれぞれ考え方や感じ方がちがう…
いくら親密な関係であっても
想像は出来ても、相手をすべて受け入れる事は難しい

この本は哲学博士でもある中島義道氏が
20代の若者4名(大学生男子・OL女子・フリーター男子・引きこもり男子)と
ディスカッションする形式で書かれてある

内容は
・生きていたくない
・世間に従いたくない
・働きたくない
・ひとから評価されたい
・ひとから愛されたい
・死にたくない
         …だれもが考えうる事である

まず素晴らしいのは
この立場や考え方の違う4名の意見を
中島氏は決して否定はしない

肯定し、すべて受け入れた上で哲学的観点で話すのだ…
まるで中島氏さえいない…別のクリアでニュートラルな人格がそこにはある

まずこのディスカッションの大きな柱となるもの
それは「どうせ死んでしまうのだから、何をやっても虚しい」という思考
どこかで死を意識しながら、目的がはっきりしないまま時間にだけ流される…
まるでひとりぼっちの列車に乗せられ、人生と言うレールを走っているような虚無感
これを感じた事が無い人はこの本を読んでも全く無意味である

感想を書こうと思ったが
それよりも、ここに書かれた中島氏のいくつかの文章を紹介したい
この本はそれぞれが、それぞれに感じてくれればいいと思った

  死が恐ろしいのは「無である(無になる)」からではない
   あとで「無であった」ことを想像する視点さえも失うからなのだ

  世間とは「おまえは〜すべきだ、〜すべきではない」と叫ぶ大合唱の場にほかならず
   それがきみたちのからだに浸透して暴れまわり、ほとんど息の根を止めるのだ

  私が道徳的に善いとされていることに従うのは
   大多数が善いと思っていることに、自分の行為を合わせた方が、生きるのに便利だから
   社会から排斥されないから、つまり快だからであり、それ以上の意味はない

  人から評価されたいというのは「自分より劣っている人々を軽蔑する資格を承認されたい」
   「社会から認めてもらえる資格がほしい」という自己の表れであり
   世間に従うのを全身で拒否しておきながら、世間的価値にがんじがらめになっている

  他人が期待しているという思い込みのわなから逃げられないのは
   評価してくれる人に縛られているからだ 

  幼い頃は「自分の頭で考えろ」と言われ続けたのが
   社会に出ると結果重視の「考えるな、行動しろ」という矛盾がある

…このような自我をくすぐる言葉がたくさん出て来ますが
あとがきで作者はこのようにも述べています

「人類は大まかに二種類に分けられる。ぬるま湯に漬かって死ぬ瞬間まで誤摩化し続けて生きたい人と
 それではイヤだ!と心のうちで叫んでいる人…もし後者であるとしたら、あなたは「正しい」のです
 そしてもしあなたが前者であると自覚したら、ぱたりと本を閉じ鼻先でフンと軽くあしらって下さい」

この本を読んで
正しい選択は正しいだけに答えが出ない事が理解出来た
無理に出す必要などない
胸をなでおろしたと同時に
中島氏に
そっと背中を押されたような気がした…

生きていてもいいんだよ…と
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1 of 2 people found the following review helpful:
3.0 out of 5 stars 書名通りの悩みに答えるかというと…, 2009/8/20
「生きる事も死ぬ事も嫌」という心理の内実は色々であり、著者が扱うのはその中の一部に過ぎないという事は認識しておいた方がいい。例えば書名に惹かれて「まさしく自分は生きる事も嫌になってるが、かといって死にたくもないと思っているのでこの本で答えを探そう」などと考えたとしても当てが外れる可能性はおおいにありうる。もっと具体的にいえば著者が主に扱う「死にたくなさ」は例えば死後無になる事の恐怖だとか、人間でないものになる事の耐え難さを示している。遠い未来に自分は存在しない事、死んでしまったら二度と生き返らない事、必ず死なねばならない事、どうせ死ぬんだから何をしても虚しい、こういった苦悩が本書、というか著者の死を扱った書籍では扱われる。これらは「誰にとっても」切実な悩みというわけではないだろう。例えば私は、私がいつか死ぬという動かしがたい運命や、死後無になってしまう事などはどうでもいい。だが私が全く脳天気で苦悩しない人物かというと、私も本書の書名に惹かれる程度には生きたくも死にたくもないとは思う事がある。だがその悩みの根源は本書で扱われるような理由ではないというわけだ。そういう人は他にもいるだろう。例えば何をやっても虚しい、日々が無意味に感じられて仕方ないという人がいてもその虚しさの原因は別に著者は言うような「どうせ死ぬから」ではないという事は十二分にありうる。そういう人にとって本書で言われる事は的を外して見え、求めていたものと違うと感じる可能性がある。

あとは脱線と一概に言えず一応関連もしているのだが脱線的な話の逸れ方もする。例えば「死にたい→世間は自殺しちゃいけないというけど何故?→してはいけない、すべきとは何なのか」という倫理学的な考察に展開していったりする。これは欠点というよりそれが面白さにも思えるし完全にテーマと無関係ではないが、あまり倫理学に関心がなく、とにかく虚しさをどうにかして欲しいみたいな人には、そんな話どうでもいいですとなるだろう。こういう哲学的脱線は多く、結果的に書名から受け取るより本書の幅は広い。例えば最後の「死にたくない」から皆さんがどんな内容を想像するかは知らないがまず始められる話題はベルクソンの時間論と絡めての、時間は空間ではないという話についてである。そのまま未来とは何かという話、科学哲学のような話にまで繋がっていく。はっきり言って最終章は殆ど終始このような時間論だと考えていい。一章も結構な部分が倫理学的な議論に割かれていた。既に言ったがこれはテーマとは完全に無関係ではない。それなりに絡んではいる。時間論だって「遠い未来に自分は存在しない」という苦悩から派生してきた話題である。しかし人によってはやはり期待外れになりうるので、こういう本だという事には注意してほしい。私の印象としてはあくまで書名の悩みを「きっかけ」に様々な問題を哲学していく、というような感じだ。
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