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氷点 (上) (角川文庫 (5025))
 
 

氷点 (上) (角川文庫 (5025)) (文庫)

by 三浦 綾子 (著)
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Product Description

出版社/著者からの内容紹介

辻口は妻への屈折した憎しみと、「汝の敵を愛せよ」という教えの挑戦とで殺人犯の娘を養女にした。明るく素直な少女に育っていく陽子…。人間にとって原罪とは何かを追求した不朽の名作!(原田洋一)

Product Details

  • 文庫: 364 pages
  • Publisher: 角川書店 (1982/01)
  • Language: 日本語
  • ISBN-10: 4041437032
  • ISBN-13: 978-4041437032
  • Release Date: 1982/01
  • Product Dimensions: 5.9 x 4.2 x 0.6 inches
  • Average Customer Review: 4.3 out of 5 stars  See all reviews (29 customer reviews)
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26 of 27 people found the following review helpful:
5.0 out of 5 stars 人間の罪を描いた清冽な作品, 2006/9/6
無名の主婦であった三浦綾子を一躍流行作家にした作品としてあまりにも有名な本作。
なんども映画化・ドラマ化されているため、かえってじっくりとこの小説に向き合うことが
できないできたが、今回読んでみて改めて三浦綾子の作家としての大きさを実感させられた。

時代が移り変わり、通信手段や科学技術がどんなに発達しようとも
人間ひとりひとりの心に潜むエゴイズムや嫉妬・憎しみ、欲望は不変のままである。
最近の作家の作品には、そういった人間の業に対しさしたる疑問を持つことなく、
むしろ開き直ってそれらを正当化した作品が目立つように思う。

それに対し、この「氷点」は荒削りな部分も少々あるとはいえ、
人間の弱さや醜さを見つめ、それを克服しようとする清冽な真摯さに溢れている。
また舞台となっている旭川の美しい自然描写もこの作品の大きな魅力のひとつとなっている。
世代を超えて読み継がれる、普遍的な優れた作品だ。
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6 of 6 people found the following review helpful:
5.0 out of 5 stars やはり得難い一作, 2008/6/19
By @poor work - See all my reviews
(TOP 1000 REVIEWER)   
1960年代に一世を風靡した大ベストセラー小説。
長寿番組「笑点」の番組タイトルも、本作のもじりだったとか。

私はどーもヒネたところがあるらしく、いわゆる「ベストセラー本」には食指が動かない傾向があります。
よってこの「氷点」も長らく避けてきましたが、この度ようやく手にとってみました。
しかし一度読み出してみたら面白いのなんの。
どうにも止まらず、上下巻700ページ程を一気に読みつくしてしまいました。
数奇な運命を背負って生まれた少女と底意地の悪い継母、禁断の恋や一家に次々と襲い来る数奇な運命など、
モチーフとしては確かに「大衆的」な要素が数多く見られます。突飛と思える展開も確かに多い。
しかし本作には「大衆小説」として唾棄し去ることのできない何かがあります。

ネタバレになるのでストーリーは書けませんが、展開展開で複雑に揺れ動き、
また絡み合う登場人物たちの心理状況は、リアルに迫ってくる切迫感に溢れています。
「汝の敵を愛せよ」
聖書にあるあまりにも有名なこの一言。
啓造はこの言葉を、自らを律する言葉としても、また復讐を果たすための隠れ蓑としても使います。
自らの中に化け物のように同居する背反する心情に思い悩む彼の姿、その彼と関係する人たちとの駆け引き、騙しあい。
仮面を被った人間同士が、同じ屋根の下互いに愛憎入り乱れた心境のまま同居している・・・
「現実的にはちょっとない」設定だと分かっていても、そこに炙り出されるドロドロとした感情は、
読者である我々にも人ごとでないと思わせる迫力があるのです。

朝日新聞の懸賞小説であった本書のテーマは「人間の原罪」でありました。
その難しいテーマに挑みつつ、大衆的な面白さも併せ持っているという点で、やはり得難い一作だなと思わされます。
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6 of 6 people found the following review helpful:
5.0 out of 5 stars 心が姿を変える「点」, 2007/8/30
水が氷になるように、心の形が突然姿を変える「点」がある。

氷点という言葉は作中に一か所しか使われていないが、そうした心のターニングポイントは小説のあちこちにあって、それがこの本のテーマのひとつであるのだと思う。

著者は熱心なクリスチャンであり、この小説にも聖書の言葉と思想が見られるが、「原罪とはなにか」という本の裏書にあるような内容とは、少し違うように思える。
陽子の導き出した結論と考えは、あまりに突然すぎて驚いてしまった。

人の罪と宗教(キリスト教)で言えば、外国の有名どころではホーソーン「緋文字」、ジッド「狭き門」、ドストエフスキー「罪と罰」あたりだが、そこらへんと読み比べてみてもおもしろいかもしれない。

非常にドラマティックな物語。
「原罪」よりむしろ、人の心が変化するその「点」の描写のうまさを、読んでほしいと思う本。
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Published on 2007/7/30 by starlight

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