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美と共同体と東大闘争 (角川文庫)
 
 

美と共同体と東大闘争 (角川文庫) (文庫)

by 三島 由紀夫 (著), 東大全共闘 (著)
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Product Description

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1969年5月、学生運動のピーク期に東大教養学部で行われた三島由紀夫と東大全共闘の討論会の記録である。思想的には対極に位置する両者だが、討論の内容は政治的立場を越えて、のっけから哲学的な問題へと入っていく。時間の概念を超越し、空間の中での理念的革命を目指す全共闘に対し、三島は時間の持続を主張する。文学の世界から意識的に「はみ出る」ことをライフワークとしてきた三島にとっては、現実の時間といかに戯れるかが切実な課題であったのである。さらに討論は、天皇の問題から、美と芸術の問題へと移行する。「美を現実の中で完結させたい」と言う三島。対して全共闘はそのような行為は醜悪でしかないと酷評する。
三島由紀夫はこの討論の翌年、自衛隊市ヶ谷駐屯地にて自決する。はたして自決という手段が「美の完結」であったのか。安易に結論は下せないが、本書は彼の死を考察する上でも、多くのキーワードを提供してくれるだろう。(三木秀則)


内容(「BOOK」データベースより)

学生・社会運動の嵐が吹き荒れた1969年の5月13日、超満員となった東大教養学部で、三島由紀夫と全共闘の討論会が開催された!自我と肉体、暴力の是非、時間の連続と非連続、政治と文学、観念と現実における美…。互いの存在理由を巡って、激しく、真摯に議論を闘わせる両者。討論後に緊急出版されるやたちまちベストセラーとなり、いまだ“伝説の討論”として語り継がれる貴重なドキュメント、三十余年ぶりの復活。

Product Details

  • 文庫: 173 pages
  • Publisher: 角川書店 (2000/07)
  • ISBN-10: 4041212081
  • ISBN-13: 978-4041212080
  • Release Date: 2000/07
  • Product Dimensions: 5.8 x 4.2 x 0.2 inches
  • Average Customer Review: 4.3 out of 5 stars  See all reviews (7 customer reviews)
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24 of 25 people found the following review helpful:
5.0 out of 5 stars 東京大学教養学部900番教室の熱気, 2003/10/2
あの時代の学園闘争を扱ったものでは、テレビで炎上し煙のあがる東大安田講堂に放水する当局と、ヘルメット姿の学生との攻防は何度か見たことがありました。さらにその中の番組の一つに本書に収められている三島と全共闘との討論会のシーンがあり、モノクロの写真(夥しいマイクの前に座った三島とその前に陣取る学生たち)と、音声でのやりとりをほんのちょっとだけ目(耳)にしたことがあったので、薄いし安かったこともあって(もちろん興味も手伝って)つい衝動買いしました。

でも帰りの電車の中で読んでみると…予想していた以上に難しい!

とにかく学生たちの話す言語がとにかく観念的で、悪戯に難解。これが活字で読めるからまだいいようなものの、討論なんてよくできたものだと正直思いました??三島もその点は別の対談で触れていて、『学生たちの言葉が即座に理解できたのか?』との質問に、三島は『いや、出来なかった』と衒わずに答えています。それならどうして討論できたのでしょうか? 三島は同じ質問をされて再びこう答えています。『こういう話し合いは機先を制するんだね。先に喋ったほうが、勝ちですよ。相手が何を言おうとこちらは言いたいことを言えばよい―』

うーん…とにかく本書で三島由紀夫は千人の学生を前に堂々と渡り合っています。先に引用した三島自身の言葉を信じれば、三島は相手のどんな言語をも体内に取り込んで自分の言語に即座に変換し再構築させる―そんな魔法遣いならぬ"言葉遣い"三島だからこそ出来た、熱い討論といえるのかも。

東大全共闘の学生たちの兇暴な!!眼差しと熱気あふれる教室の雰囲気―そんな学生がいる熱い時代もあったんだなって、ちょっぴり羨ましいような、何ともいえない懐かしいような(?)不思議な気持ちで溜息をつきながら本を閉じました。

―人が変わったのか、それとも時代が変わったのか? 

いずれにせよ今から30年以上も前に東大教養学部900番教室で実現した、三島由紀夫と東大全共闘との伝説的な討論のお話。

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8 of 8 people found the following review helpful:
5.0 out of 5 stars 「天皇陛下と一言言ってくれれば共闘してもいい」, 2006/7/17
この発言に三島の思想が集約されているのではないでしょうか。
思想的には正反対に位置するかのように捉えられがちな彼らが、
歩み寄れる可能性を示す一つのキーワードが「天皇陛下」だったのでしょう。
文筆家としてではなく、人間としての三島ファンには文句なしにオススメできます。

そして、当時の東大全共闘の学生諸君の高い言語力にも、
(勿論、若さゆえのスノッブ的要素があることは否定できないのですが)
尊敬の念を抱かせられました。

全体の印象としては他の方も書いている通り、観念論に終始しており、
言葉遊びの領域を出ることはないのですが、読み物としてなかなか楽しめるものになっています。
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19 of 22 people found the following review helpful:
3.0 out of 5 stars 三島に軍配, 2003/10/27
By モチヅキ (名古屋市) - See all my reviews
(TOP 500 REVIEWER)   
 本書の成り立ちについては、他のレビューを参考にしていただくとして、私が本書を読んで感じたことをいくつか書きます。

 第一。ほかの方も言っていますが、全共闘の人々の言っていることが抽象的でほとんど分からない。議論を丹念に追うのは、ほとんど無駄に思えます。にもかかわらず議論に食いついていった三島は、それだけで立派。私自身は、この時代に生まれなくてよかったと思います。

 第二。三島も全共闘も、互いに自分の意見が相手に通じるとは全く期待していません。にもかかわらず、というより、それゆえにこそ、本書では「対話」がそれなりに成り立っています。このことは、非常に面白い。と同時に、この後の内ゲバ騒動を考えると、非常に複雑な気持も懐きます。

 第三。両者とも、「!この一瞬」にかける熱気がすごい。そしておそらくはそれゆえに、両者は対極的な意見を持ちつつも、「心意気」で通じるところがあったように感じられます。
 私は三島はあまり好きではないのですが、本書に関する限りは、三島に軍配を上げたいと思います。

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