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f植物園の巣穴
 
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f植物園の巣穴 (単行本)

梨木 香歩 (著)
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商品の説明

内容紹介

歯痛に悩む植物園の園丁がある日、巣穴に落ちると、そこは異界だった。前世は犬だった歯科医の家内、ナマズ神主、愛嬌のあるカエル小僧、漢籍を教える儒者、そしてアイルランドの治水神と大気都比売神……。人と動物が楽しく語りあい、植物が繁茂し、過去と現在が入り交じった世界で、私はゆっくり記憶を掘り起こしてゆく。怪しくものびやかな21世紀の異界譚。


内容(「BOOK」データベースより)

植物園の園丁は、椋の木の巣穴に落ちた。前世は犬だった歯科医の家内、ナマズ神主、烏帽子を被った鯉、幼きころ漢籍を習った儒者、アイルランドの治水神…。動植物や地理を豊かにえがき、埋もれた記憶を掘り起こす会心の異界譚。

登録情報

  • 単行本: 193ページ
  • 出版社: 朝日新聞出版 (2009/5/7)
  • ISBN-10: 4022505885
  • ISBN-13: 978-4022505880
  • 発売日: 2009/5/7
  • 商品の寸法: 19 x 13.8 x 2.6 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (11件のカスタマーレビュー)
  • Amazon.co.jp ランキング: 本 - 43,355位 (本のベストセラーを見る)

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5つ星のうち 5.0 1つの日本語現代作家の到達点, 2009/6/27
梨木果歩は『西魔女』のイメージが強すぎる(若しくは、これを宣伝文句に使い過ぎる)せいか、本当の実力を見過ごされている作家ではないでしょうか。

当然『西魔女』『りかさん』とかに繋がる万人向けものがたり的魅力、『裏庭』のような捻りの効いたファンタジー、そして作品の基礎を支えるグローバルな意識と自然との交信を綴ったエッセー関係、いずれも個人的にはとてもしっくり来て大好きです。

一方で『家守綺譚』『村田エフェンディ滞土録』から本書に繋がる作品は、勝手に『VPN3部作』傑作群と位置づけてます。
V:完璧にタイムトリップしたようなバーチャル感、P:それも、その時代の極めて個人的(Private)な心の機微を再現、N:それが私小説のように内に閉じた世界でなく、飽くまで外(植物・幽霊・外国人、何でもあり・・)に向かってネットワークが伸びて行く感覚。

この点を含め、3作品は、表現したい事に対し適切な個性的文体と構成を創造していっている点で、類まれな完成度を見せており、我々日本語を操る者にとって、誇りとなり得る作品と言ってもいいんじゃないででしょうか。

そして改めて3作品位置づけですが、『家守』は傑作なれどウォーミングアップ、『滞土録』は個人的文体を駆使しながらも世界観・時代観の捉え方が見事に反映された点でプラスアップ、そして本作は、文体と構成がどこまでも揺れ続け、まるで、遊び心で筆に任せながら綴っているかのような印象を読者に与えながらも、色んな箇所にヒントや伏線を置いており、それが、最後の方で、『本当の心の問題』へと収斂していくところは、正直、下手なサスペンス以上に息を呑む出来であり、「あぁ、ついにここまで読者を導いてくれたのか」という感慨を抱かせられました。

こんな美しい作品を書ける人が同年代に存在する、ということ、今年作者と同じ50歳になった私にとって、誇りであります。
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16 人中、15人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0 タイトルに裏切られました(笑), 2009/5/24
ずっと楽しみにしていた新作だったので嬉しかったです。
植物園ときてなんとなく想像するストーリーからは見事に外れています。
他の方も書かれていますが「沼地のある森を抜けて」と似ていると言えば似ていますが、さらに複層化しているように感じます。木のうろの中に落ちた、ところから始まる不可思議な世界が、記憶の中をどんどん潜行していく、ように読ませておいて、最後には逆だったことに気付きます。
心の中にある、うろのなかのような見えない部分を、「歯を削った大きな穴」と「木のうろ」に絡ませて描いていく世界は、一読すっきりとはいかず、何回か読み返さないと何か読み落としているようで不安になりますが、多分何度読んでも飽きないんでしょう。
☆一つマイナスは、ちょっと難解、ということで……。西魔女から入った方がタイトルと装幀から想像される内容とは乖離しすぎてます(笑)
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25 人中、22人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0 記憶の地層を巡る物語, 2009/5/5
梨木さんの作品の中では、「家守奇譚」と「沼地のある森を抜けて」に近い印象。
なので、「西の魔女が死んだ」のように、あたたかく爽やかな読後感を期待すると少し驚くかも知れないですね。

日本古来の神々や四季折々の動植物が不思議な存在感を放っている点では「家守〜」ですが、本質的なテーマは「沼地〜」に近い、というか同じ?な印象を受けました。
いずれも個々の人間と、それに関わる周囲との時間的なつながりと、その中で浮かび上がる人間の悲喜こもごもや優しさ、時にはおどろおどろしさが表現されています。
「沼地〜」が一族が蓄積してきた歴史やルーツの中に個を位置付けていたのに対し、こちらでは個が生活する上での周囲との関わりの時間の集積に目が向けられている印象です。

…という感じで私は受け取りました。
梨木さんの現在地を象徴するような様々なエッセンスがちりばめられているので、読み手次第で多様な受け取り方が出来る気がします。

深淵なテーマをあからさまに重くならないように表現できる梨木さんは素晴らしいですよね〜。
ただ、この作品については、少し文章がテクニカルに過ぎる感があることと、個人的には「りかさん」のような奇妙さと爽やかさの案配が好みということもあり、星4つ。
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