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民族とネイション―ナショナリズムという難問 (岩波新書)
 
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民族とネイション―ナショナリズムという難問 (岩波新書) (新書)

塩川 伸明 (著)
5つ星のうち 4.6  レビューをすべて見る (8件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

地域紛争の頻発や排外主義の高まりの中で、「民族」「エスニシティ」「ネイション」「ナショナリズム」などの言葉が飛び交っている。だが、これらの意味や相互の関係は必ずしかも明確ではなく、しばしば混乱を招いている。国民国家の登場から冷戦後までの歴史をたどりながら、複雑な問題群を整理し、ナショナリズムにどう向き合うかを考える。


著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

塩川 伸明
1948年生まれ。1979年東京大学大学院社会学研究会(国際関係論)博士課程単位取得退学。現在、東京大学大学院法学政治学研究科・法学部教授。専攻はロシア現代史・比較政治論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報

  • 新書: 223ページ
  • 出版社: 岩波書店 (2008/11)
  • ISBN-10: 400431156X
  • ISBN-13: 978-4004311560
  • 発売日: 2008/11
  • 商品の寸法: 17.2 x 10.6 x 1.6 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.6  レビューをすべて見る (8件のカスタマーレビュー)
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8 人中、5人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 個別の状況に対処するために観点を増やすこと, 2009/1/27
ロシア、旧ソ連政治史の碩学による民族関係論の概観。
1章で、この分野の学説史上の対立点を簡略にレビューし、2〜4章で、具体的な歴史的経緯に照らして
事例を縦横に概観し、5章で今後の展望につなげています。

著者本人は、浅い部分が目立つと謙遜されていますが、1章のレビューは非常に優れたものだと思います。
無理矢理探せば、公民権運動以来の議論や、社会心理学系の研究に触れていない点くらいかと。
5章では、近年のものも概観しており、学習用の入門としても有用なものになっているのでは。

2〜4章が圧巻で、国民国家成立期、2つの世界対戦を含む時期、冷戦体制崩壊以降期と章をわけ、
事例を縦横に比較していきます。
著者の専門のためでもありますが、ロシア、東欧、中央アジアなど旧ソ連地域の事例が豊富で、アフリカ
の事例を除いて、ほぼ世界全域にわたる事例が比較されます。他の類書では事例の取捨が特定地域に
偏っていたことと比べれば、この点だけでも本書を特筆する意義があると思います。

本書は、困難なこの分野の問題状況について、アクチュアルな対応という意味でもアカデミックな方向性と
いう意味でも、明確な展望を提示しているわけではなかったりします(本書だけではなく、誰もできていない
ことですが)。
しかしながら、これまで比較されなかった事例と事例を並べるだけでも、これまで指摘されなかった観点が
見出せることを示してくれています。

今この瞬間にも、民族・エスニシティ・ネイション周辺で紛争は絶えません。
それらに対しては、おそらく理論的な統一的把握は難しく、状況毎に具体的に、いわば場当たり的に対処
する外ないのかも知れません。しかし、まさに、そのためにこそ、状況を叙述する“観点”は豊富であるべきで、
本書は、この課題に取り組んでいると思えます。

このことを踏まえて、『現存した社会主義』や『多民族国家ソ連の興亡』3部作の再読を決定中。
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12 人中、6人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 ナショナリズムを考えるための手引き, 2009/4/3
By 青ち (大阪府) - レビューをすべて見る
(TOP 500 REVIEWER)   
ナショナリズムについて論じた本は掃いて捨てるほどあるが、これはその中でもなかなかの良書である。

本書は大きく分けて概念的整理・歴史的展開の概観・著者自身の議論の展開という構成になっている。

概念整理の部分は吉野耕作『文化ナショナリズムの社会学』を直接読むよりもずっとなじみやすいし、関曠野『民族とは何か』などと比較してもずっと配慮の行き届いた議論がなされている。歴史的展開の部分は時間的・空間的に広い視野を持ってネイション・ナショナリズム・国民国家をめぐる諸相が記述されている。とりわけ著者の専門である旧ソ連・東欧地域については個人的にたいへん勉強になった。そして最後の「難問としてのナショナリズム」を論じた部分は、ナショナリズムの難問たる所以である評価の微妙さを指摘しつつ、割り切った議論が取り残す〈割り切れなさ〉について論じている。

著者としては非常に思い切って大胆に著した一書だろうし、それはその通りだと思うのだが、全体としては非常に注意深く目配りの行き届いた本である。ナショナリズムについて関心を持つ人には、手引書の一冊として本書をリストアップすることを勧めたい。
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19 人中、9人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 民族、国家、国民について考える基礎を与える好著, 2008/12/12
「民族は対立する。」、「宗教は対立する。」というのは思い込みだ。しかし、そのことについて納得してもらい、争いのない世界を作っていくには、「民族」、「国家」、「国民」等についての基礎的理解と、そのような基礎に立って歴史的及び現在の現象を検証する必要がある。本書は、そういうことを示す好著だ。

但し、著者自身が認めているように、アフリカの事例がまだ扱われていない。また、植民地支配が、団結して抵抗しないよう、「民族」、宗教等を巧妙に使って現地住民を分断したことについての理解も必要だ。本書に加え、例えば次の著作なども読むことをお勧めしたい。関連諸課題について、開発途上地域毎の特徴と課題毎の共通性等がよく整理されている。古い本だが、その内容は今日なお有効であり、また、まだ出版されている。

Christopher Clapham: Third World Politics: An Introduction, 197 pp., University of Wisconsin Press, 1985 Third World Politics: An Introduction
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