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翻訳家の仕事 (岩波新書)
 
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翻訳家の仕事 (岩波新書) (新書)

by 岩波書店編集部 (編集)
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Product Description

内容(「BOOK」データベースより)

原文にトコトンつきあい、テクストに響く原作者の声に耳を澄ましては、たった一文字の訳にも七転八倒―。古今東西さまざまな言語の翻訳にたずさわる当代きっての名訳者三七人が明らかにする、苦悩と、苦心と、よろこびのとき。翻訳という営みに関心をもつすべての読者に贈る、読みどころ満載の翻訳エッセイの決定版。


内容(「MARC」データベースより)

原文にトコトンつきあい、1語の訳に七転八倒-。古今東西さまざまな言語の翻訳にたずさわる当代きっての名訳者37人が勢揃い。読みどころ満載、苦悩と、苦心と、よろこびのときをあまさず伝える。雑誌『図書』連載。

Product Details

  • 新書: 225 pages
  • Publisher: 岩波書店 (2006/12)
  • ISBN-10: 4004310571
  • ISBN-13: 978-4004310570
  • Release Date: 2006/12
  • Product Dimensions: 6.8 x 4.2 x 0.6 inches
  • Average Customer Review: 3.9 out of 5 stars  See all reviews (10 customer reviews)
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13 of 15 people found the following review helpful:
5.0 out of 5 stars これはおもしろい、外国語との格闘といっても、まるで人それぞれなんだ, 2006/12/21
By zapzero (多摩川流域) - See all my reviews
翻訳とはたぶんある言語(たとえば「日本語」)が本格的に姿を変えてゆくための最大のチャンスで、言語全体から見るならそれまではありえなかった見方や考え方を学ぶ、大がかりな作業のひとこまになるのだと思う。すると翻訳家というのはその大きな仕事(ビーバーのダム作りとか蜂や蟻の巣作りとか)の一角を担うハタラキモノたちだということになり、かれらの作業によりたしかに地形が変わり、風景の見通しも交通状況も変わる。おもしろいことだと思う。ここでは現代日本の37名の翻訳家たちが、翻訳の作業の背後を語ってくれる。世代も、対象言語も、さまざまな人たちだが、いちおう「文芸翻訳」の人たちが中心みたいだ。つまり、「変な日本語」を開発しては読者を楽しませてくれる人たちだ。文学の言語があたりまえで見慣れたものばかりだったらおもしろくもなんともないのだから、かれらにはがんばってどんどん変な言語を発明してほしいと思う。外国文学を翻訳で読むことの楽しみは、単にすらすら読めるだけの「美しい」日本語の「名作」などを読むより、ずっと大きいし。どれも興味深いのだが、ふだんは裏方に徹しているはずの翻訳家といっても、共通にはくくれないくらい一癖も二癖もある人たちなんだなあと思った。文章を読めばそれがわかる。中にはごく常識的でなんの驚きもない人もいるし、何を考えていることやらとこっちも鼻がひくひくしてくる人もいる。そしてやはり、文章のうまい下手はある。シェイクスピアの小田島さんやカフカの池内さんなどは、こんな気楽な短文でも、いかにも芸達者な感じ。いずれにせよ、翻訳という作業のからくりに興味をもつ人にとっては、必読の一冊になることでしょう。巻末の自己紹介的部分で、またそれぞれの性格が出ている。
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6 of 9 people found the following review helpful:
4.0 out of 5 stars 翻訳は楽しくて楽しくない、という愛憎相半ばする思いが詰まった随筆集, 2007/2/15
By yukkiebeer - See all my reviews
(TOP 10 REVIEWER)   

 当代随一の翻訳家37人が、自らのなりわいについて綴ったエッセイをまとめた一冊です。岩波書店の雑誌「図書」に2003年5月から2006年5月まで連載された「だから翻訳はおもしろい」の原稿がもとになっています。

 連載時の通しタイトルには「だから翻訳はおもしろい」とありますが、本書に掲載された文章からはそうした無邪気な思いが立ち上がってくることはありません。言語構造も文化的背景も大いに異なる外国語の文学作品を、日本語という異質な世界に組み替える途上で、おのおのの著者たちが味わう、苦悩や焦慮、居直りや諦念、当初の期待値とは正反対のそういった感情の渦巻きに憔悴しきる姿ばかりが記されているのです。

 ならばそれほど辛い所業に翻訳者たちはなぜ身を削り続けるのか。
 菅啓次郎は「そこにはつねに発見のよろこびがあるから、と答えるしかない」(176頁)。
 金原瑞人は「そこに生まれてくるのは新しい作品なのだ。自分が生み出した子供なのだ。なら、産みの苦しみは当然だろうし、その苦しみはある意味、快感だろう」(198頁)。

 辛い作業の果てに翻訳者たちを待ち受ける、マゾヒスティックともいえる愉悦。それが翻訳者たちを捕らえて離さないのでしょう。

 あわせて巻末には、それぞれの翻訳者が「翻訳家をこころざすきっかけとなった本」、あるいは「記憶に残る翻訳作品」を掲げています。多くが、多感な10代もしくは20代前半の学生時代に手にして打ちのめされるかのような思いを味わった本をあげています。このリストを眺めると、その当時に自らの心が打ち震えた体験を、今の若い読者にも届けたいという強い思いが、彼ら翻訳者たちを強く突き動かしているのだろうなということが容易に想像できます。

 翻訳という、魅力的でありながらもどっぷりとそこにつかるには少々怖さを感じる特異な世界。それが垣間見える一冊です。
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6 of 10 people found the following review helpful:
4.0 out of 5 stars 翻訳の想像力, 2007/1/16
By かがりひらく - See all my reviews
(TOP 1000 REVIEWER)   
この本書著者たちほぼ全員が、非社会科学系の本を訳しているひとたちだ。名訳「百年の孤独」の鼓直氏とか、名訳「カルガンチュア」の宮下氏とか、「訳者あとがき」でしかふれあえないことが多い人たちのエッセイを読むことだけでも、楽しい。とにかくみんな、日本語が上手い。「内容」の社会科学系の本でも本当は必要なんだろうが、「形式」、とにかくリズム、想像力がどれだけ大切かが、この非社会科学系の翻訳に携わる著者たちのエッセイから伝わってくる。野崎歓氏が書いているが、「原書をスラスラ読む」なんて本当は不可能なこと。非欧州系言語である日本語への翻訳は、内容にとどまらずその形式・スタイルにおいても、日本の西洋的なるものへの自意識の形成に寄与してきたのだ。というのは、本書で引用されている武田泰淳の言葉に集約されているかもしれない。
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