無文字社会を生きた古代日本人は、中国で創られた漢字を、自分たちの言語を表す文字として採用した。中国語とは言語構造の異なる日本語を漢字で書き写すのは無理があり、様々な障壁にぶつかったが、試行錯誤を重ねて乗り越えた。音読、訓読の技を取得し、万葉仮名による表記法をつかみ、カタカナ、ひらがなを案出した。最終的に漢字とかなで自在に日本語を綴るようになり、“日本語化”に成功した。
一方、同様に漢字文化の波を受けたアジア近隣諸国には、漢字を捨てた国、漢字を真似て文字を創ったものの、利用が途絶えた国などがある。漢字を巧みに利用して自国の言語に適合させた日本は特異な存在であることを示す。
(日経ビジネス 2006/12/04 Copyright©2001 日経BP企画..All rights reserved.)
内容(「BOOK」データベースより)
およそ二〇〇〇年前にやってきた中国生まれの漢字を、言語構造の異なる日本語の中にどのように取り入れたのだろうか。朝鮮の文化的影響を強く受けたその伝来の初めから、漢字文化が確立して、漢字に基づく片仮名・平仮名が誕生するまでの軌跡を興味ぶかいエピソードを交えてたどる。日本の漢字音と中国原音の対照表を付す。
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