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日本宗教史 (岩波新書)
 
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日本宗教史 (岩波新書) (新書)

末木 文美士 (著)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

『記・紀』にみる神々の記述には仏教が影を落とし、中世には神仏習合から独特な神話が生まれる。近世におけるキリスト教との出会い、国家と個の葛藤する近代を経て、現代新宗教の出現に至るまでを、精神の“古層”が形成され、「発見」されるダイナミックな過程としてとらえ、世俗倫理、権力との関係をも視野に入れた、大胆な通史の試み。


内容(「MARC」データベースより)

記紀神話の世界から現代新宗教の出現に至るまでを、精神の「古層」が形成され、「発見」されるダイナミックな過程としてとらえる。神と仏の相互関係を軸に、世俗倫理、国家権力の動向を視野に入れた、大胆な通史の試み。

登録情報

  • 新書: 248ページ
  • 出版社: 岩波書店 (2006/04)
  • ISBN-10: 4004310032
  • ISBN-13: 978-4004310037
  • 発売日: 2006/04
  • 商品の寸法: 17.2 x 10.6 x 1.2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.2  レビューをすべて見る (10件のカスタマーレビュー)
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5つ星のうち 5.0 日本宗教史概論の新スタンダード, 2006/5/8
By 青ち (大阪府) - レビューをすべて見る
(TOP 500 REVIEWER)   
丸山真男の古層論を最初の手がかりにしつつ、日本の歴史・思想・倫理の深層にある宗教のダイナミズムを描き出そうとした、たいへん意欲的で挑戦的な一冊である。

新書という限られた枠の中でありながら、記紀神話と仏教伝来に始まり、神仏論の展開、世俗・近代化と宗教といったトピックスにまでその議論は及ぶ。かといって雑駁で無味乾燥といった印象はない。筆者によって再構成された、神・仏・儒にキリスト教を加えたダイナミックな「日本宗教史」像が、平易な筆致で描き出され、その読後感はたいへん刺激的である。

筆者は日本仏教史の碩学であり、多数の著書をものにしているが、その知の蓄積が惜しみなく盛り込まれている。今後、日本史学や宗教学など、「日本」に関する何らかの学問を志す人なら必読と言ってもいいかも知れない。
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22 人中、16人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 本覚思想的というか、現実的な筆者の俯瞰, 2006/7/23
By ib_pata - レビューをすべて見る
(TOP 500 REVIEWER)   
日本が「神の国」であるという論議は本地垂迹説からきているのですが、それは本来、日本の民は仏ではなく二流の存在である「神」で救われるしかなかった、という意味であり、その後、蒙古襲来というナショナリズムの高揚を経て《日本は神によって守護された特別の国であるという意に用いられるになる》(p.66)というあたりでまずうなる。『日本書記』には唐への留学から帰った僧道慈が関わることで、すでに仏教の影響が入り込んでおり《日本の神々はその出発点からして、仏との交渉の中に自己形成をしてきた》(p.29)というあたりも。アマテラスは後に密教の大日如来と習合しますが、その素地は仏を光輝く国家の守護者として描く『金光明経』になぞらえているところにある、と指摘するんですなぁ。

 最澄の一乗・三乗論争にも教えられました。天台宗は声聞・縁覚・菩薩という修行者に応じた悟りがあるという三乗説をとらず、すべの人は同じく仏になることができると主張しますが(一乗説)、これがその後の本覚思想や鎌倉仏教にも決定的な影響を与える、というんです(p.53)。日本人のやたら平等を求める発想にも影響されたんでしょうかねぇ。禅宗が浸透したのは、修行中に死んだ僧の亡僧葬法が簡素でありつつも形式も整っていたので、大名などの要求に応えることができて保護された、というのも面白かった。それまで、キチッとした葬式をやろうとすると複雑すぎていたらしいんですなぁ。ここらあたり、ちょっと不思議というか皮肉な感じもしていいです(pp.116-117)。
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2 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 キレある名著, 2008/9/14
日本の宗教を外在的に分析した、キレある名著。日本においていかにして宗教が受容ないし練成されて普及し又「再解釈」されてきたかを、歴史的背景に照らして説く。

本書のメインアイデアは、日本的な不変の思考様式などは存在せず、日本的思想の核と考えられているものも、後世の発見の賜物に過ぎないということである。

例として、一章「仏教の浸透と神々」では、古事記・日本書紀の形成が仏教思想の影響の下にあったことを指摘する。すなわち、江戸時代の国学から復古神道に至る流れで、外在思想に対置される「純日本的」なものと考えられてきた記紀神話も、「純日本的」なものではない。日本書紀の編纂に関わったと言われる僧「道慈」は唐への留学経験者であった。そして例えばアマテラスが最高神として天皇を守護するという発想は、仏が護法の王を守護するという発想に近似しており、後者からの影響が伺われるという。それ以前も素朴な日神信仰があったことには違いないが、皇祖神天照大神は仏教的思想のもとに再構成されたものであって、もちろんそれ以前の日神信仰そのものと同視しえないし、「純日本的」ですらないということになる。

歴史に関わる書の常として資料の間隙は推論で埋めなければならないわけであるが、著者のこのような大胆でかつ合理的な推論と専門家ならではの該博な知識で、本書の内容は非常に説得的なものとなっており読み応え十分である。もっとも終盤の第四章「近代化と宗教」は蛇足だったかもしれないが(おそらくアカデミズムでの研究も盛んではなく、また著者の専門でもないことからか、常識的な話に終始していて見所はない)。
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