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やさしさの精神病理 (岩波新書)
 
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やさしさの精神病理 (岩波新書) (新書)

by 大平 健 (著)
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Product Description

出版社/著者からの内容紹介

席を譲らない“やさしさ”,好きでなくても結婚してあげる“やさしさ”,黙りこんで返事をしない“やさしさ”…….今,従来にない独特な意味のやさしさを自然なことと感じる若者が増えている.悩みをかかえて精神科を訪れる患者たちを通し,“やさしい関係”にひたすらこだわる現代の若者の心をよみとき,時代の側面に光をあてる.


内容(「BOOK」データベースより)

席を譲らない“やさしさ”、好きでなくても結婚してあげる“やさしさ”、黙りこんで返事をしない“やさしさ”…。今、従来にない独特な意味のやさしさを自然なことと感じる若者が増えている。悩みをかかえて精神科を訪れる患者たちを通し、“やさしい関係”にひたすらこだわる現代の若者の心をよみとき、時代の側面に光をあてる。

Product Details

  • 新書: 240 pages
  • Publisher: 岩波書店 (1995/09)
  • Language: 日本語
  • ISBN-10: 4004304091
  • ISBN-13: 978-4004304098
  • Release Date: 1995/09
  • Product Dimensions: 6.8 x 4.1 x 0.5 inches
  • Average Customer Review: 4.1 out of 5 stars  See all reviews (26 customer reviews)
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15 of 15 people found the following review helpful:
5.0 out of 5 stars 自分の問題として読む, 2004/2/16
 本書の主題は現代の若者の底流に流れる“新しいやさしさ”についてです。著者が精神科医としての豊富な経験から、いくつかの代表的な症例を下に巧みな構成で描き上げています。

 現代社会は人間関係が希薄になった、というのはもうずいぶん前から言われつづけていることです。しかし時代の主役たる若者たちの理屈は「他人の心に踏み込むことは相手に対して優しくないし、同時に自分の心にも踏み込んで欲しくはない」。これを潤滑に実行することこそが相手へのいたわりと“やさしさ”だとする。著者はそう考え、これを“新しいやさしさ”と解釈し、本質を分析しようとしています。疑問点を順序だてて説明し、読者はともに考えながら読むことができるはずです。文章も平易で読みやすくかかれているので理解しやすいかと思います。

 おそらく本書の意図するところは、病理学的な本質究明というよりも、病気ともいえない人々がふとした些細な事で悩みふさぎこむという、いわゆる心の脆弱性についての現代的な問題提起なのだろうと思います。統計的にどうであるとか、医学的にどうであるとか、そういうことよりも、読者自身が自己の問題として主体的に考えるためのきっかけとなる内容なのではないでしょうか。
 内容の捉え方は人それぞれですが、一度は固定観念を捨てて読んでみるといいのかもしれません。まずは自身の客観視に最適の書だと思います。
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7 of 7 people found the following review helpful:
5.0 out of 5 stars 短編小説のような, 2006/4/6
文句ナシの5つ星です!

著者は、近年若者の間でやさしさの意味が変わってきたことを指摘しています。
このやさしさの意味の変容は、若者と中年以上の者の間に意識のギャップを生じさせ、互いを戸惑わせます。

本書はそんな新しいやさしさの中で生きる若者の姿を、まるで良質の短編小説のような見事な筆致で読者に見せてくれます。
「精神病理」というやや硬いタイトルのために、ちょっと敬遠してしまいたくなりますが、それはもったいない!!
実際は肩肘張らずに読めますから(笑)

是非手にとってほしい1冊です。
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12 of 13 people found the following review helpful:
5.0 out of 5 stars やさしい世界は広がっている, 2007/1/5
By 留吉 (横浜市) - See all my reviews
まだ携帯電話が普及する前、ポケベル全盛期の1995年に書かれながら
今読んでも古臭くなく、それどころか、むしろ今こそ読まれるべきではないかと思える本です。
この本で著者は、旧来の「やさしさ」の概念が通用しない、新しい世代の「やさしさ」について分析しています。
その分析の的確さと分かりやすさもさることながら、
最近のベストセラー新書にあるような、若者をただ否定し馬鹿にする傲慢な態度ではなく
若い世代の感覚を真摯に理解しようとしつつ、その問題点も明らかにするという
著者の誠実さが伝わってきて、読んでいて心地よいです。

新しい優しさとは、例えば「相手を年寄り扱いするのが失礼だから、老人に席をゆずらない」
「好きじゃない相手だけど、傷つけたらかわいそうだから結婚する」
「親に心配かけられないから、病院に行くことは言えない」
「やさしい恋人には、重い相談や愚痴は言えない」といったものです。
旧世代に属する著者は、こういう感覚が理解できず戸惑っているのですが
決して若者とは言えない自分でも、こうした「やさしさ」は
(自分がそうするかどうかは別として)感覚としては理解できるものがあります。
それだけ、新しいやさしさがもう日常のものとして浸透しているのだと感じられました。

「相手はこう思っているのだろう」と予想して、相手の気持ちに立ち入らないよう気遣うことで心地よく築かれた人間関係は、
現代ではむしろ普通なのかもしれません。
そして、そんな関係だからこそ起きてしまう、やさしさの食い違いのトラブルの話も、実際身近でよく聞きます。
新しいやさしさの持つ危うさを知り、自分のコミュニケーションの在り方を振り返るために、お勧めの一冊です。
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