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ことばと国家 (岩波新書)
 
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ことばと国家 (岩波新書) (新書)

by 田中 克彦 (著)
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Product Description

内容(「BOOK」データベースより)

だれしも母を選ぶことができないように、生まれてくる子どもにはことばを選ぶ権利はない。その母語が、あるものは野卑な方言とされ、あるいは権威ある国家語とされるのはなぜか。国家語成立の過程で作り出されることばの差別の諸相を明らかにし、ユダヤ人や植民地住民など、無国籍の雑種言語を母語とする人びとのたたかいを描き出す。


著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

田中 克彦
1934年兵庫県に生まれる。一橋大学大学院社会学研究科修了。現在、中央大学教授、一橋大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

Product Details

  • 新書: 218 pages
  • Publisher: 岩波書店 (1981/11)
  • ISBN-10: 4004201756
  • ISBN-13: 978-4004201755
  • Release Date: 1981/11
  • Product Dimensions: 6.8 x 4.2 x 0.5 inches
  • Average Customer Review: 4.6 out of 5 stars  See all reviews (7 customer reviews)
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48 of 51 people found the following review helpful:
5.0 out of 5 stars 私のことばに国家がどうかかわっているのかを考えさせられる, 2003/3/6
By yukkiebeer - See all my reviews
(TOP 10 REVIEWER)   
 日本語というひとつの言語で用が足りてしまい、隣の国の言葉と日常的に接する機会もない日本人にとっては、言語というのは空気のように身近で透明な存在です。しかしこうした言語状況は世界的にはまれなことです。ひとつの国家が自国内の多数の言語をある方向に統御していくという、海外では常に目の当たりにさせられる事がこの本では具体的な例とともにわかりやすく提示されています。

 この本が出版されるまで日本全国の国語の教科書には「最後の授業」というフランスの小説が掲載されていたものです。ドイツとの戦争に敗れたためにフランスから割譲されるアルザス・ロレーヌ地域でフランス語の授業が明日から禁止される、そんな最後のフランス語の授業を描いた名作短編と言われていました。私も子供のころ、自分の国の言葉を愛することの大切さ、自分の言葉を奪われることの理不尽さを、この小説を通して教えられた憶えがあります。

 しかしこの「ことばと国家」が世に出たことで日本の国語の教科書から「最後の授業」が一斉に姿を消しました。「フランス語万歳!」と叫んだ「最後の授業」の舞台となった地域で多くの人々が実は日常的にはフランス語ではなくドイツ語の一方言を話していたということがこの本で明らかにされたためです。<名作>とされた小説の裏に、実は民衆を省みないフランス政府による言語統制があった。その事実に愕然とさせられました。

 翻ってみると、この私の使う日本語ひとつとっても、国家の意図とは無縁ではないはずです。自分が話していることばが国家のどういう意図によって成り立っているのか、この本はそのことに目を向けさせてくれます。より主体的に「ことば」にかかわっていくきっかけになる一冊として、多くの人に読んでもらいたいと思います。

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14 of 17 people found the following review helpful:
4.0 out of 5 stars 「言語」は国家により作られるのでありその逆ではない, 2004/4/11
先ず人は、生まれた時に意味に結び付けられた音声という形で母親から「ことば」を学習するものでこれを母語(母国語とは異なる)ということ、文字はその後作られるものでその作り手は国家でありその時点で「言語」と呼ばれるものであること、文法は母語以外の人が学習するために発明されたものであること、従って、「文法的に間違った崩れた方言」などの言い方は国家統治上の目的やそれに関連もするが差別目的ではあっても学としては成り立ち得ないことになる、等々、言語に対する本質的考察が素人でも感じ取られるように簡明に書かれている。
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4 of 5 people found the following review helpful:
5.0 out of 5 stars 純粋なことばへの批判, 2006/5/21
By モチヅキ (名古屋市) - See all my reviews
(TOP 500 REVIEWER)   
 1934年に生まれた高名な言語学者・モンゴル研究者が1981年に刊行した古典的名著(1992年時点で20刷)。本書の基本的な立場は、ことばは差異しか作らず、その差異を差別に転化させるのは、国家や民族に代表されることば外の要因による、という点にある。ただし、著者はそうしたことば外の要因に「汚染」されない「純粋なことば」は観念上にしか存在しないと考えており、従ってことばとことば外要因との関係が具体的に追究されねばならない。こうして本書では、ことば(言語・方言等々)の定義、母語(近世ヨーロッパではラテン語と対をなす)の根源性、文法の政治的機能、国家語・外来語・純粋言語という考え方の政治性等が、きわめて興味深い具体例と共にわかりやすく述べられた後に、ユダヤ人や植民地住民など、無国籍の雑種言語(ピジン語・クレオール語)を母語とする人々の苦闘が描かれる。「ピジンやクレオールの研究は、およそことばがあった太古から、かつてどの言語もが経験した過程を目の前に再現している点で歴史的に、またその際、異なる言語や方言を話す人々が置かれている実際の状況を示唆する点で社会学的に、個々の国家語や民族語の位置を相対化し、これらの言語によって植え付けられた偏見から人々を解放してくれるのである」という一文は、本書の締めの言葉としてふさわしい。著者自身によれば、本書には「思いが先走ってなかみが伴わないという欠点」があるというが(歯に衣を着せぬ批判も多い)、その分問題意識が鮮明で論述が明晰である。ことばの変化をそのことばが生きている証と見なす著者の立場にも共感できる一方、教育の現場において「正しい公用語」や文法を教える必要があるのか無いのか(或いは現代若者言葉の位置付け)について、疑問を喚起せずにはいられない本でもある。とにかくお薦め。
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4.0 out of 5 stars よい
人の使うことばについて、「その使い方は間違いだ」とか「標準から外れている」などと、時に嘲笑とともに断じてしまうことがある。だがそれは、国家語、標準語、標準的な文... 続きを読む
Published 1 hour ago by pp-tang

4.0 out of 5 stars ことばの差異への差別
言語学的には、言葉の間に優劣はない。標準語より方言が劣っているということもないのである。... 続きを読む
Published 16 days ago by chatbrun

5.0 out of 5 stars 面白いです。
もともとローマ帝国の言葉が何故残っていないのか?という単純な疑問から出発しまして、その解答が載っていそうな本を探していたらこの本に出会いました。「言葉は国家がか... 続きを読む
Published on 2006/7/17 by cecedece

5.0 out of 5 stars 新しい視点
私の中の常識が崩されました。恐らく多くの日本人にとって新しい発見、新しい視点を得ることができる、良い本だと思います。私たちが普段しゃべっていることばとは、そして... 続きを読む
Published on 2002/5/3 by トメ

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