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風土―人間学的考察 (岩波文庫)
 
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風土―人間学的考察 (岩波文庫) (文庫)

和辻 哲郎 (著)
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商品の説明

出版社/著者からの内容紹介

風土とは単なる自然環境ではなくして,人間の精神構造の中に刻みこまれた自己了解の仕方に他ならない.こうした観点から著者はモンスーン・沙漠・牧場という風土の三類型を設定し,日本をはじめ世界各地域の民族・文化・社会の特質を見事に浮彫りにした.今日なお論議をよんでやまぬ比較文化論の一大労作である. (解説 井上光貞) --このテキストは、 単行本 版に関連付けられています。


内容(「BOOK」データベースより)

風土とは単なる自然環境ではなくして人間の精神構造の中に刻みこまれた自己了解の仕方に他ならない。この観点から著者(一八八九‐一九六〇)はモンスーン・砂漠・牧場の三類型を設定し、世界各地域の民族・文化・社会の特質を見事に浮彫りにした。

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26 人中、20人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 『風土』は風化しない, 2006/10/14
文明化が進み、現代の日本人には風土に対する関心が薄れてきているかもしれない。あるいは、それは克服すべきものと意識されているのかもしれない。
しかし、いくら文明が進んでみたところで、風土が精神や思考方式、感性を養ってきたこと、それが今も陰に陽に作用していることは、風土に裏打ちされた宗教の影響力が国際社会でますます大きくなっていることからも頷けよう。

学生時代に恩師に薦められ、世の中にこれほど面白い本があるのか、と思ったほど熱中して読んだものだ。政治的・イデオロギー的視点から本書を批判する向きがある。また地理学的に精度を欠く点も指摘されている。それぞれ傾聴すべき見解である。
しかし今、再読し、風土に着目してそこから人間性や文化の考察を進めることの価値は失われていないと感じた。こうしたスタンスは最近話題の武澤秀一『法隆寺の謎を解く』(ちくま新書)、特にその終章「日本文化の原点を求めて」に顕著に見られる。和辻の流儀が現在にいたるまで脈々と受け継がれ、新しい展開を見せていることは興味深い。

『風土』は決して風化していないのである。
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19 人中、12人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 和辻倫理学の展開, 2007/7/23
By 青ち (大阪府) - レビューをすべて見る
(TOP 500 REVIEWER)   
一五年戦争期に成った著作であるから、ここに書かれていることをそのまま現代に当てはめることはできない(現代なら「都市」の考察は必須だろう…和辻が都市論を書いたらどうなるかと想像するのは楽しい)。また、巻末の解説で井上光貞が綺麗にまとめているような批判も数多い。

にもかかわらず、やはり今でも読み返す価値のある名著であると評者は思う。何よりも、「風土と人間」という二項対立ではなく、「風土とは人間であり、人間とは風土である」とも言うべき和辻の人間観がそこに展開されている点は、人間をめぐる考察が絶えず回帰してくるポイントを貫いている。

天才的感覚・詩人的直感に基づいて綴られていると思しき記述の片言隻句を捉えてオタク的に揚げ足取りをしたり、学問的手続き論やイデオロギー批判によって斬って捨てたりすることはおそらくたやすい。しかしそれで終わってしまっては読み方としてはあまりに薄っぺらいのではないだろうか。
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13 人中、6人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 3.0 時代に阿った、軽薄な作品, 2008/11/9
By 紫陽花 "玲瓏" (神奈川県相模原市) - レビューをすべて見る
(TOP 50 REVIEWER)   
「人間存在の構造契機としての風土性」を明らかにするために書かれた由。だが、冒頭で「自然環境がいかに人間生活を規定するか」は問題ではない、と述べておきながら、結局は自然環境(風土)-->文化-->社会制度と言う風に論理展開されるので自己撞着している。また、書かれた時期が昭和初期、即ち日中戦争の最中である点にも注意すべきである。

風土の類型を、「モンスーン(インド〜東アジア)」、「砂漠(中東〜北アフリカ)」、「牧場(ヨーロッパ)」と分けるのは如何にも単純過ぎる。"受容・忍従"型で多様性を持つ筈のインドが現在、対パキスタン用に核開発に狂奔している姿を著者は何と説明するつもりか。同じく、「モンスーン」に属する中国が中世において、"合理的"なヨーロッパより遥かに技術的に進んでいた事実は何と説明するのか。著者が海外旅行をして、偶々得た知見(思い付き)を強引に哲学的思索の枠に嵌めようとするから無理が生じるのである。「人間はその土地の気候に合った様々な生活様式・文化を持っている」と書けば、それで終りの話である。それに、「南洋的人間が文化的発展を示さなかった」等と公の本で書いて許されるのだろうか ? 哲学の本場ヨーロッパを"貴"としてようだが、それで世界初の森林の大伐採を行なった西欧人の「風土」に関する価値判断が正当に出来るのだろうか ?

そして、中国の「無政府性」を強調する辺りから論旨は増々怪しくなる。更に日本の「家」制度の忠孝性とその家を統括する意味での尊皇を語っている点は、時代に阿っているとの批判は免れまい。「風土」に根ざした各地域の歴史の紹介も目新しいものは無く、そもそも「人間存在の構造契機としての風土性」を分析して、何の役に立つのか不明だった(日中戦争の正当性の論拠以外)。内容も熟考した上の論理的考察と言うよりは、直観に頼った部分が多く、時代の雰囲気に流されて気紛れで書いたとしか思えない作品。
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投稿日: 2004/9/20 投稿者: タッキー

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