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提婆達多 (岩波文庫 緑 51-5)
  

提婆達多 (岩波文庫 緑 51-5) (文庫)

中 勘助 (著)
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登録情報

  • 文庫: 203ページ
  • 出版社: 岩波書店 (1985/04)
  • ISBN-10: 400310515X
  • ISBN-13: 978-4003105153
  • 発売日: 1985/04
  • 商品の寸法: 14.8 x 10.6 x 0.8 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (2件のカスタマーレビュー)
  • Amazon.co.jp ランキング: 本 - 154,766位 (本のベストセラーを見る)

    カテゴリーランキング:

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29 人中、27人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 傑作です。こんな文章を書いてみたい。, 2003/1/24
By pfs7 - レビューをすべて見る
(TOP 50 REVIEWER)   
釈迦の従弟にして弟子・ダイバダッタ(手塚治虫『ブッダ』でも強烈な印象を残している)の、釈迦への嫉妬と釈迦の妻・ヤショダラへの想いに苦悩し、引き裂かれる一生を描いた傑作。
自らに驕り自らを省みることのない人間である彼は、一生をかけて復讐を願うが、それを果たすことなく死ぬ。

この小説は、あくまでもダイバダッタの心情だけを事細かに描ききり、彼の目を通してのみブッダを描き、それによって却ってブッダの生き様も、真摯なヤショダラの愛も際立つ。

人は、人からも愛されなければ苦しみ人を憎むこともあるだろう。それをどう超克していくのか。人は本来、傷つきたくない。しかし傷つくことを怖れては、本当に愛されることはできない。この人間の苦しみを迫力ある文章で描ききったこの作品は、月並みだが、感動の一言だ。

読んでいて救われるのは、作中のクライマックスでもある、前篇で、嘘から出たまこととしてヤショダラを恋するようになり、その苦しみの中で遂に自分の本心を打明けてしまうシーンだ。ここで確かにダイバダッタは傷つくことを承知で本当の愛を求め、そして知ったのである。手に入れた途端にその愛の対象を失うのだが。本当の愛に触れて愛を知った、その愛だけは彼の生涯を通じて本物だったのだろう。
ちなみにこの作品が書かれたのは1920年。しかし明治の文豪の作品が未だに非常に現代的であるのと同様、この作品もものすごくモダーンである。普遍的なテーマを切り鮮やかに描ききることに、この作品は見事に成功している。

よくぞこれだけのテーマをこの量にまとめた!??!!いう感動もある。厚さ8ミリしかない文庫で、しかも余白多し。古代インドの自然や当時の王侯貴族の華麗な様子、ヤショダラとダイバダッタの恋など、本当に描写力がすごい。
愛と憎しみという人間の普遍的な苦しみと救いとを、史実と結合させて力強く描いた傑作。

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12 人中、11人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 人間の本性をみつめ、釈尊の境地へ, 2006/11/11
提婆達多は釈尊の親戚です。本人も極めて秀でた才能を有するにもかかわらず、彼は常に釈尊を尺度に自身の行動と人生をいきていくのでした。すなわち、”釈尊”という人物に”執着”することによって、物欲、名誉欲、金銭欲などの様々な執着による懊悩苦悩が彼を襲ってきます。この執着は、われわれ多くの普通の人間=凡夫の行いに付随せざるをえないものですが、これこそが全ての苦悩の根源であることを、本著は私達にきづかせてくれます。苦悩の根源を断ち切ることの大切さを、本著は読者に訴えてやみません。さて、釈尊が見いだした真理を、私なりにまとめあげると以下の3点になるとおもいます。1)ものはうつりゆく:栄枯盛衰、一定のものはない、2)すべての物事には関連がある:因果、なにひとつ単独では作用しえない、そして3)執着こそが苦悩の根源:無執着の最高の境地、涅槃こそ最上である。本著によって、われわれは、そのいずれもがまごう方なき真理であることを、改めて知りうることになるのです。より詳細に深めたい方は、友松圓諦先生の『仏教聖典』をともに拝読されると、人生についての執着、すなわち苦の素因から”解放”されるきっかけとなるかもしれません。私は本著を読んで、巷間で常識とされている虚礼、冠婚葬祭や人間関係による執着を、年齢を重ねるごとに、徐々にですが、整理していこうと決意したのです。不可能とは理解しつつも、少しでも釈尊の境地へ近づくために。
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