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敗北を抱きしめて 下 増補版―第二次大戦後の日本人
 
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敗北を抱きしめて 下 増補版―第二次大戦後の日本人 (単行本)

ジョン ダワー (著), John W. Dower (原著), 三浦 陽一 (翻訳), 高杉 忠明 (翻訳), 田代 泰子 (翻訳)
5つ星のうち 4.2  レビューをすべて見る (6件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

出版社/著者からの内容紹介

敗戦後日本人の苦難の歩みを描いて,日本中に感動を巻き起こした名著の写真増補版.旧版の2.5倍以上に増補された貴重な写真は,著者みずからによって本文といっそう緊密に組み合わされ,敗北を抱きしめて立ち上がった民衆の類まれな経験を語り尽くす.ヴィジュアル史料と文字史料が織り成す陰影深い戦後史像の誕生.


内容(「BOOK」データベースより)

敗北を抱きしめながら、日本の民衆が「上からの革命」に力強く呼応したとき、改革はすでに腐蝕し始めていた。身を寄せる天皇をかたく抱擁し、憲法を骨抜きにし、戦後民主改革の巻き戻しに道をつけて、占領軍は去った…新たに増補された多数の図版と本文があいまって、占領下の複雑な可能性に満ちた空間をヴィジュアルに蘇らせる新版。

登録情報

  • 単行本: 464ページ
  • 出版社: 岩波書店; 増補版版 (2004/02)
  • ISBN-10: 4000244213
  • ISBN-13: 978-4000244213
  • 発売日: 2004/02
  • 商品の寸法: 21.2 x 15.6 x 2.8 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.2  レビューをすべて見る (6件のカスタマーレビュー)
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    153位 ─   > 歴史・地理 > 日本史 > 一般 > 戦記・体験記
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5つ星のうち 5.0 占領期日本の統治の実態, 2009/2/15
 下巻は第四部の六章分と、第五部の二章分、第六部の一章分、それにエピローグが収録されている。上巻が占領下の各階層の社会心理にフォーカスした性格が強いのに対し、下巻は占領下の統治の実態について具体的な経緯が多く語られている。

 特に強烈なのは第四部に収録されている部分で、天皇制民主主義(三章分)・憲法的民主主義(二章分)・検閲民主主義(一章分)とそれぞれ副題を付されていて、その記述に満たされている生々しい政治的駆け引き、騙し合い、脅し、密告、妥協、裏切り、偽善などの渦には読んでいくごとに圧倒されてしまう。よく、戦前・戦中・戦後の歴史を学校は教えようとしないことが言われるが、ここで読み取れる成り行きを辿っていくと、教育現場が教えようとしないことも、もっともだと思えてくる。白でなければ黒で、黒でもなければアカだろうといった考え方では十全に捉え切ることの出来ない現実が、ここからは読み取れる。著者はそんな事実を多く盛り込んだ上で著者なりの纏まりを与えようとしているが、そんな思惑を超えて、様々なことを考えさせてくれる著述になっている。

 果たして、ここに記録されている、相手にされたことだけでなく、日本人自らが主体的にした行動の数々を、先行する世代の人たちはどんな風に総括しようとしたのか? 総括したのか? どう伝えようとしたのか? 伝えたのか? 伝えようとしなかったのか? ここにある事実を、後続の世代にどう伝えればいいのか? 伝えることが出来るのか? 伝えていいのか? ためにする主張や批判ではなく、事実の集積を記録して後の世代が容易にアクセスできる形に纏めてくれたのは、本書の著者だった。この上下巻を通読した後では、日本の伝統、日本の精神、日本の風土、日本の風などという言葉たちに見受けられる自明性ははっきりと消え失せてしまう。「日本的」とはどんな内実を含むのか、今までにはない問が生まれてくる。ここでの占領の記録は、いまだに歴史になってはいないようだ。人口に膾炙され、受け止められて、十分な理解と消化・吸収をなされていないからだ。最近盛んに流布されている「白洲次郎神話」が矮小化しようとしている当時の社会の諸相が、ここには鮮度を保ったまま保存されている。ここでの内容が大多数の人々にとって常識の範疇に成り果てるまで、本書の鮮度は失われないだろう。逆に、「白洲次郎神話」を流布しようとするのはどんな立場の人なのかも、ここでの記述から理解できるだろう。是非、多くの人に読まれるべき著作だと思う。
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13 人中、8人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 やりたい放題, 2007/1/31
By nobu2002 - レビューをすべて見る
(TOP 1000 REVIEWER)   
上巻とは違い下巻は、占領政策の核となる部分の話である。一つは、戦争犯罪人および東京裁判の話である。もう一つは、アメリカ軍による思想統制の話である。要は検閲である。
日本に自由と民主主義を植え付けるという名目で、思想統制を行い、知恵のあるものを裁判に送り、やりたい放題である。思想統制すなわち検閲は、GHQの構成員個人のスキャンダルを含め名誉を維持するためのものから、反共産主義の防波堤のための国家づくり至るまでありとあらゆる場合で行われている。しかも、確固とした基準があるわけでもなく、むしろ行き当たりばったりで、勝者による敗者いじめ以外の何物でもないようにしか思えない。特に東京裁判はひどいものである。ここ数年間は夏恒例のテレビで東京裁判を取り上げることはなくなったもの、何度も見た経験からその酷さはよくわかっている。そもそも、裁く立場にある判事は、英米法の知識どころか、実際の国際裁判に関する知識も何もない人間たちで構成されている。まさにアメリカおよびイギリスの操り人形にしかすぎない。ハル判事の反発も見事なまでの無視である。大東亜戦争を正当化する気はないか、彼はあくまでも勝者が敗者をたたくためのものでしかありえない。
このような情報統制、思想統制は、アフガニスタンやイラクでも行われていることであろう。日本の占領下は、総力戦を10数年にわたり戦いぬいてきたために、精神的にも肉体的にも規制してきたために比較的簡単に統制がうまくいったのであろう。もちろん、日本人の自由意思感覚のなさや勝ち馬に乗るという独特の思考問題も抱えているだろうが。アメリカ人やイギリス人のこのような感覚での海外での展開は、決して平和をもたらすものではなく憎しみを増加させるだけのものであろう。
この本は、上巻とのカスとり文化のような大衆文化の話よりも、政治的思想統制の話であり、下巻の方がかなりの価値を持つと思われる。
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45 人中、26人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 今日の日本の基本設計はこうして作られた, 2004/3/8
By かっちゃまん (埼玉県 さいたま市) - レビューをすべて見る
(TOP 1000 REVIEWER)   
このような本が、これまで日本人によって書かれなかったことが不思議でなりません。確かに、日本人では入手できない資料があったのかもしれません。しかし、このような本がアメリカ人によって初めて書かれたということ自体が、戦後の(そして今日の)日本の歩みそのものを象徴しているように思われてなりません。

1945年の敗戦間もない頃、日本はやすやすとアメリカの言う「民主主義」をありがたく受け入れました。同時に、天皇制はそのままに官僚主義をも温存、いやむしろ、強化してきました。

極東軍事裁判を前に、このような基本的な枠組みを残すことに腐心した当時の占領軍の意図を知ると、空恐ろしい気持ちに襲われます。民主主義の衣をまとったものの正体はなんだったのでしょう。その正体を、ベトナムやイラクで、そして沖縄で私たちは見ているのかもしれません。
多くの貴重な写真が、知らなかった歴史の隙間を見せてくれます。

「もう戦後ではない」と言われてどれほど経つでしょう。しかし、まだ、戦後が続いているのかもしれません。

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