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虚栄の帝国ロシア―闇に消える「黒い」外国人たち
 
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虚栄の帝国ロシア―闇に消える「黒い」外国人たち (単行本)

中村 逸郎 (著)
5つ星のうち 4.3  レビューをすべて見る (3件のカスタマーレビュー)
価格: ¥ 2,730 国内配送料無料 詳細
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出版社/著者からの内容紹介

 モスクワ市内の住宅街で,わたしは偶然にある小さな光景を目にしました.それが,本書を執筆する動機になりました.2005年11月末のその日はとても寒く,気温はマイナス5度ほどで,鉛色の空からは雪が舞っていました.街を歩きまわって疲れたわたしは,バス停のベンチに腰かけました.
すると,すぐそばに建つ白亜のアパートの玄関口に通じる小道を,旧ソ連構成国からきた清掃作業員たちがシャベルを手に雪掻きをしていました.黒色の薄汚いジャンパーに,オレンジ色のベストを羽織った粗末な身なりです.かれら一人ひとりの顔は浅黒く,疲労感が滲んでいました.ソ連邦崩壊後に自国の経済が疲弊したために,モスクワに出稼ぎにきているのです.
そのかれらの脇を,ロシア人のアパート住人たちが食料品のつまったスーパーの買い物袋を両手に足早に帰宅していきます.足元を気にしながら無言で通り過ぎていくロシア人と一瞥を投げる出稼ぎ労働者が放つ一瞬の陰鬱な光景に,わたしはあられもないロシア社会の現実を見たような気がしました.
経済の復調でいまや豊かな食生活を享受するようになったロシア人たち,かたや厳寒のモスクワで日に15時間働いても月給は3万円ほどにしかならない外国人労働者たち.だが,こうした目に見える対照的な姿がすべてでなく,外国人たちの背後にはさまざまな事件や事故,さらにはかれらからの収奪がロシア社会の暗闇に潜んでいたのです.国境を越えてロシアに流れ込む周辺国の人びとの生き様とかれらを取り巻くロシア人の思惑をとおして,こんにちのロシア社会の一つの断面を浮き彫りにしました.


内容(「BOOK」データベースより)

潤沢な石油マネーで華やかな表玄関を構えるロシア。だがその裏で働く一五〇〇万人もの旧ソ連出身外国人不法就労者の存在を知る人は少ない。僅かの賃金、劣悪な条件のもとで建設や清掃などの重労働に従事する彼らからは、つねに警察官や雇い主がなけなしの金をしぼりとっていく。そればかりでなく、労働災害による傷病や事故死の危険も常時隣り合わせで、働きに出たまま行方知れずとなる外国人の数は月に数百人ともいわれる。そうしたかれらにさらに追い討ちをかける、スキンヘッド・グループによる襲撃も、あとを絶たない。一方でロシア社会は彼らの労働なしにはもはや成り立たなくなっており、ロシア市民たちもまた、彼らの上前をはねる生活に慣れてしまった。「虚栄の帝国」の知られざる舞台裏を、地域に密着した調査がえぐり出す。

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5つ星のうち 5.0 闇に潜む「黒い」外国人が闇に潜まなければならない理由, 2009/2/14
私がモスクワを旅していた2008年の夏、街の至るところで工事が行われていてまさに「ロシアの復活」を感じさせられた。しかし、工事現場をよく見てみると、ロシア人のような顔立ちのものは一人もおらず、みな私に似た顔をもつアジア人だった。工事現場を見ていると、モスクワ中心街という華やかなロシアの表社会の影の部分を見た気がした。そして工事の柵の中にいる彼らは、檻の中に入れられた強制労働者のようにも見えた。

この本を読めば彼らが置かれている環境が見て取れる。彼らは決して強制労働者などではなく、むしろ自発的に出稼ぎにやってきた中央アジア人であるが、しかし彼らは多くの立場の人から搾取され続けていることにかわりはない。ロシア人だけでなく自国民や自国政府からも搾取され見捨てられる彼らの環境が改善される兆しはない。そう思うとやりきれない思いがした。
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5 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 ロシアの闇, 2008/6/30
By 毒ギョウザ - レビューをすべて見る
(TOP 1000 REVIEWER)   
本書は新興大国ロシアの影を描いた秀逸なルポだ。
プーチン政権による出稼ぎ労働者への門戸開放の裏で進む搾取システムの確立。警察や税関、政府機関にくわえて、市民までが参加する搾取構造だから、誰からも反対の声は出ない。唯一異を唱えるのがスキンヘッドだが、当然彼らの主張は支持を得られず、ロシアは外国人に対して慈悲的に搾取を続けられる。

ロシア人自ら、自分たちが3流の労働者であり、自分たちだけではもはや国を維持できないと認めていることには苦笑。割り切れれば、外国人を際限なく受け入れるのもアリだろう。搾取は彼らとの労働市場における競合を避け、ロシア人を富ませるための合理的な手段なのだ。

本書を読んで感じたことは、ロシアは西欧文明とはまったく異質であること、そして今後も、その溝が埋まることは永遠にないだろうということだ。
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7 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 3.0 虚栄の出版, 2008/12/18
要するに、旧ソ連構成国からの出稼ぎ労働者によってモスクワが 支えられており、これら労働者が収奪搾取されているという話ですが、 そのことが不適切な例え、大仰な言葉、ピントのズレた論旨、変な表現で 語られているので、読んでいると非常にイライラします。

モスクワとポチョムキン村の間に類似性を見ていますが、ポチョムキン村の光は 作りごとであり、モスクワの光は実際の現実ですから、この類似性にはなんの 意味もありません。

また「虚栄の帝国」からしてそもそも意味不明、きらびやかなモスクワも、強権的なプーチン政権も虚栄ではありません。しっかりした現実です。「ロシア人とその周辺民族が織りなす光と影の不可解な表象のからくり」に至っては、何を言っているか不明。

「労働人口も下落」- 普通「人口は減少する」ものであり、どうしても下落の語を 使いたければ「労働人口も下落傾向」でしょう。

モスクワの出稼ぎ労働者についての乏しい観察事実をけばけばしい表現で包み込んで 読者の目をくらませようというキワモノ本です。
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