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アキハバラ発〈00年代〉への問い
 
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アキハバラ発〈00年代〉への問い (単行本)

大澤 真幸 (編さん)
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商品の説明

Book Description

秋葉原でおきた殺傷事件.「犯行は許せないが犯人の心情に共感する」という同世代の声にどう向き合うか.非正規雇用の拡大やコミュニケーションの変容など〈00年代〉の社会状況に位置づけたとき,この事件は何を問うているか.大澤真幸,森達也,東浩紀,平野啓一郎,本田由紀,斎藤環,内田隆三ほか,第一線の論者の発言.

登録情報

  • 単行本: 238ページ
  • 出版社: 岩波書店 (2008/09)
  • ISBN-10: 4000220470
  • ISBN-13: 978-4000220477
  • 発売日: 2008/09
  • 商品の寸法: 19.6 x 13.2 x 2.4 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 3.8  レビューをすべて見る (5件のカスタマーレビュー)
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5つ星のうち 4.0 事件を社会学的に見た本, 2008/11/8
 犯人が派遣労働者、昔の期間工であったこと(グローバル化・非正規雇用)、携帯依存症のようにネットに書き込みをしていたこと(ネット社会)から、この秋葉原無差別殺人事件は、今の時代を象徴する犯罪事件としてクローズアップされた。

 本書は、気鋭の社会学者やジャーナリストによる事件評を編集した、力の入った本である。

 ただ、「週刊現代」に掲載された犯人の弟の手記によれば、犯人の人格形成には、異常に抑圧的な母親の存在が大きい。いわく、「ドラえもん」「まんが日本昔話」以外のテレビは見せない、まったく会話のない食事風景、作文は全て母が添削、母の卒業校である名門進学校に進んだ時は喜んだが、成績が下がると無視。など、これではひねくれても不思議ではない家庭環境がつづられている。犯人いわく「母に捨てられた」。

 もちろん、派遣労働の過酷な実態や、ネット依存の問題は別に語られなければならないが、それを持って犯行にひもづけるのは無理があるというものだろう。

 一部の評では、幼女連続殺害の宮崎勤被告と「オタク」の関係に匹敵する、時代を象徴する事件だとの表現もあるが、宮崎事件の時も、異常な犯人の趣味がたまたまオタク的なだけであっただけで、オタクがみな殺人願望があるほど異常なわけではない。

 本書が緊急的に出版された中での力作であることは認めるが、寄稿している執筆者の意見もバラバラだし、どちらかというと書斎から評論している感はぬぐえない。願わくば同じような職場環境やネット依存の若者の声も取材してほしかった。
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5つ星のうち 3.0 難解な事件を理解するために必要な論とは何かについて思いがいたる, 2008/12/7
By yukkiebeer - レビューをすべて見る
(TOP 10 REVIEWER)   

 2008年6月に東京・秋葉原でK容疑者がひきおこした無差別殺傷事件をどう見るべきかをテーマに、作家や社会学者、ジャーナリストや精神科医など22人が寄せた論考集です。

 概して言うと、学級肌の硬質な文章が多く、秋葉原事件のように理解しがたい事件を究明しようとする際に陥りがちな、衒学的で非庶民的な印象が強い本に仕上がっていると思います。
 ですから、本書にあたっても、私をはじめとする一般的な市井の読者は、胃の腑に落ちるようなすっきりとした明快な読後感を得られないでしょう。

 それでも、平易で読者を選ばない文章を寄せている論者も一部います。
 例えば作家の雨宮処凛(かりん)。彼女の文章を読むと、プレカリアート運動として横の連帯をきちんと醸成するだけのものが東京にはあっても、K容疑者の暮らす地方都市にはまだまだ存在していない、そのことの問題点に目がいき、心痛む思いがします。

 反貧困ネットワーク事務局長・湯浅誠の文章も目をひきます。こうした悲惨な事件を起こしてはならないという声をあげるそばで同じ人が、「でも企業のグローバル化は止めようがなく、低賃金・不安定雇用が増えるのは仕方がない」と言うことの偽善を指摘しています。

 総じて思うに、難解な事件を難解な言辞でみつめても、何も見えてこないし、普通の人々を遠ざけるだけではないのでしょうか。
 ですから雨宮や湯浅のように普通の人々の言葉で語ろうとする姿勢には理解も共感も寄せることができる一方で、本書の大半の執筆者はなにか閉じたサークルの中で論を弄しているだけにしか、---少なくとも普通の読者である私には--見えないのです。

 論者の皆さんには、もっと下へ降りてきてもらうことが必要なのではないでしょうか。
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5つ星のうち 4.0 隔靴掻痒, 2008/11/15
森達也の文章が読みたくて手に取った本である。期待通り、森達也は説得力があるが、いわゆる社会学的な解釈はちょっと隔靴掻痒の感がある。こちらの感応力の問題もあるかもしれないが(つまり良く理解できないってこと)。そんななかで濱野智史の書いたものは新鮮でつじつま合わせ(悪い意味ではありません、解釈といってもいいかも)もうまくできていると思った。佐藤俊樹の文章も、私には完全に理解できたと言えないのだが、どこか気になるものがある。それに対して大澤真幸のゲームと関連させた話は牽強付会というか、話をおもしろくしているような無理矢理な感じを持った。
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