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フロイト理論と精神分析技法における自我―1954-1955 (下)
 
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フロイト理論と精神分析技法における自我―1954-1955 (下) (単行本)

by 小出 浩之 (翻訳), ジャック・ラカン, ジャック=アラン・ミレール
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メタローグ

並み居る同時代の一流の知性や学生を前に、複数の意見を統御しつつ堂々たる精神分析的訓練を施す、教育者としてのラカン。「無意識は他者のディスクールである」という有名な命題は本講義に見える。彼は『アンチ・オイディプス』を上梓したばかりのドゥルーズを呼び出し、散々自分の弟子たちをこき下ろした後、「私に必要なのは君のような人だ」と語ったという。挙げつらわれたあまたの弟子の中で唯一名前が出なかった人物こそ、本書がその一部である膨大な講義録の編纂を務める、彼の娘婿ミレールである。ミレールは精神分析家でなく哲学者。思想体系の継承をめぐるラカンの目論見がここに垣間見える。(小林浩)
『ことし読む本いち押しガイド2000』 Copyright© メタローグ. All rights reserved.


出版社/著者からの内容紹介

ジャック・ラカンの講義録(セミネール)第2巻.E.A.ポーの『盗まれた手紙』の分析に始まる下巻では,有名な「大文字の他者」の概念が初めて導入され,独自の無意識概念が明らかにされていく.難解で知られるラカンの思想が,オクターヴ・マノーニら弟子たちとのスリリングな応酬のなかで,きわめて明快に語られる.

Product Details

  • 単行本: 266 pages
  • Publisher: 岩波書店 (1998/12)
  • ISBN-10: 4000028758
  • ISBN-13: 978-4000028752
  • Release Date: 1998/12
  • Average Customer Review: 4.5 out of 5 stars  See all reviews (2 customer reviews)
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4.0 out of 5 stars ラカンによるプルードン評, 2007/11/28
By yojisekimoto (神奈川県横浜市) - See all my reviews
以下、レビューというより読書メモです。

ラカンはプルードンの恋愛論(おそらく『革命と教会における正義』におけるそれ)に関して「セミナール2」において以下のように述べています。

「プルードンを読まれることを薦めます。この人は揺るぎない精神の持ち主で、教父のような確かな語調で語る人です。彼は人間の条件についてほんの少し身を引いて考察し、一般に考えられているよりずっと手を焼かされると同時に繊細なこの事柄、つまり貞節に接近しようとしました。(中略)プルードンの思考はことごとくロマンティックな幻想に刃向かうものですが、一見したところ神秘主義的とも見えるような文体で結婚における貞節を規定しようとします。そして彼が解答を見いだすのは象徴的契約としてしか認識できない何ものかにおいてなのです。」(「ソジー」『フロイト理論と精神分析技法における自我―1954- 1955 (下) 』岩波書店pp146−7)

相手である異性を通して「すべての男/女」につながろうとする恋人同士の感情の奥に潜む無意識をラカンは、プルードンの相務的契約=相互主義的交換理論をヒントに読み解こうとしています。ラカンもプルードンも原理的な主張と政治的な主張を一つの文章の中で行なおうとしていて文章が難解になる点が似ているのですが、そこから明確な解答を得ようとする方向性も似ています。
二人とも交換=契約によってカオスを脱しようとしているのです。
もちろんラカンは「剰余享楽」(これはセミナール16にある用語)にも注意を払っています。マルクスの用語である剰余価値をラカンは「剰余享楽」と読み替えるなど、思い切った試みをしています。かつて、ラカンはフロイトよりもジャネの方がすぐれていると指摘したことがあるらしいですが(『ラカン』マローニ、新曜社)、マルクスやフロイトに対する見直しもラカンを鍵に行えるかもしれません。
ちなみに、プルードンの交換システムなどは、文学理論とは違う「現実界」のものですが、ラカンの立場からは「象徴界」と「想像界」を含むボロメオの結び目(これはイタリアのボロメオ家の紋章が名称の元になっている)をつなぐ試みとして考えることも出来るでしょう。ラカンとプルードンの違いをあえて指摘するならば、ラカンの方が、契約を保障する象徴的な第三項により多くの構造上の力点を置いている点でしょう。

ところで、『ジャック・ラカン伝』(河出書房新社、p26,69)を読むと、ラカンは若いころスピノザのエチカの構成を表す図面(色付の矢印つき)を部屋に飾っていたそうです。プルードンも『革命と教会における正義』で『エチカ』から引用していましたが(第5部定理20)、これは相互主義の理論的強化に役立つ部分でした。ラカンとプルードンのスピノザ理解(具体的にはラカンの飾った図はどのようなものだったのでしょうか?)も興味深いところです。
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4 of 9 people found the following review helpful:
5.0 out of 5 stars ラカンはそれなりに面白い, 2003/5/28
By amazon "amazon" (amazon) - See all my reviews
(TOP 1000 REVIEWER)   
 知的興奮を味わうことは出来ると思う。ただ日本語で本当にわかった事になるのかわからないが、ラカンについてはアルチュセール自伝と合わせて読むと当時の状況がわかりやすいように思う。日本語でセミネールを読む人は書店では一応このシリーズ本を始めに手に取ることになる。が、この二巻はフロイトの自我論と言われる幾つかのフロイトの著作を読まなければならないことに気付く。つまり、ラカンを知るにはフロイト著作集を参照しなければならないのである。とにかくこのシリーズの一巻技法論、二巻自我、三巻精神病、と岩波からでているセミネールを人はこなしていくことになる。アルチュセール自伝によれば、「ろくな思想家がいなかったフランスで如何にラカンの存在が重要であったか、」ということになるが、やはりアルチュセールによると、「バロック風の難解さで聴衆を恐怖に陥れているとしか思えない」となる。
 
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