1893年のある日、9歳のジミー・コりガンは、巨大なビルの屋上で、無口で不機嫌な父親に捨てられる。(「わしは、空と、地上の人波を見つめながら、父親が戻ってくるのをじっと待っていた。もちろん、二度と戻ってきてはくれなかったがね」)それから百年後のまたある日、父親に捨てられた男の孫で、何の取り得もなく友人さえいないもう1人のジミー・コリガンは、一通の手紙を受け取る。驚いたことに、生まれてから一度も会ったことのない無責任な父親から送られた「会いにきてほしい」という内容の手紙だった。
本書は、奇妙で哀れなほど滑稽な、親子の再会の物語だ。そもそも曽祖父が息子を捨てたことに端を発する一家の精神的遺産からは決して逃れられないこと、地に足をつけた人生を送るよりもすばらしい人生を夢見るだけのほうが気楽だというコリガン家の男の血は百年たってもめんめんと流れ続けていることを、コリガン一族は互いに知ることとなる。
イラストはフルカラー。新聞や雑誌のコマ割り漫画を思わせる単純な画風ながら、その構成は複雑かつ創意工夫に富んでいる。コマ割りの仕方ひとつで、愛されていない子どもの失望感を如実に再現するテクニックは実に見事だ。
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