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5つ星のうち 5.0
Role Play, 2008/5/31
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1971年、スタンフォード大学で「看守役」と「囚人役」という役割を被験者に与え、2週間過ごすという心理実験が行われました。 しかしその実験は、実験の域を超え、わずか7日間で打ち切られました。 その実態がこの映画の中にあります。 昔、心理学の授業で、role playについて勉強したことがあります。ヒトは役割を与えられると、最初は演技であってもすぐにそれがただの演技ではなくなり、役割そのものの人格になってしまうということ。 その授業でもこの実験が取り上げられていました。 例えば「いじめ役」「いじめられ役」を決め、1日その役割を演じるという実験を毎日繰り返すとします。実際にその実験が行われたアメリカの小学校では、1時間とたたないうちに、役割を与えられた生徒達が本気で「いじめ」だし、本気で「いじめられ」出しました。 「3年B組金八先生」でも似たようなシーンを見たことがあります。 戦場での捕虜に対する暴行なんかもきっと、こういう心理状態に陥るからこそしてしまう行動なんでしょうね。
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5つ星のうち 5.0
「役割り集団」のなかでは自分の役割りに自覚的であること, 2007/2/10
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陽気にジョークなどを飛ばしていた囚人と看守は次第に自らの役割りに縛られ、お互いを監視するようになる。囚人はより囚人らしく、看守はより看守らしくなっていく。 次第に行動はエスカレートし、ビデオカメラのないところでのリンチが行われ、外部環境は謝絶され、完全に「役割り」に支配され人格が消えてゆく。理性ではどうしようもない様が異様に生々しい。 そして、看守と囚人である役割りの集団だけが存在するという閉鎖的な関係の中で、自我はそのサイズに合わせて簡単に変形してしまうのだと思う。 これを防ぐためにはできうる限り「集団の中での自分の役割り」に自覚的でなければならない。自分の行動は実は自分の意思ではなく、集団というもうひとつの力によって操作されているかもしれないからだ。 普段の生活を振り返ってみるのがよいだろう。自分が生活している社会というある意味で閉鎖的な環境で自分が演じている役割り。そして、その役割り集団の持つ意思。そういう風に考えて、役割り集団の持つ意思を客観的に見ることができるように訓練をする必要がある。
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5つ星のうち 5.0
映画ってこうやって作るのか・・・, 2005/1/15
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本作は、心理学や社会学を勉強した人や、興味がある人の間では非常に有名な事件を元にしたフィクションですが、多くを考えさせられる良い映画です。 確かにこの映画の題材となった「スタンフォード大学事件」は事実です。 でも、実際の「スタンフォード大学事件」はこの映画で描かれているような事件ではありません。 確かに看守役と囚人役の間に「いざこざ」は起きたようですし、一時的な錯乱状態になった被験者が出たことは事実ですが、誰も死にませんし、軍も絡んでませんし、ましてや実験者側が制御不可能になるほど看守役が暴走するなどと言うことは全くありません。 また、裁判沙汰(係争中)になっているのも事実ですが、その理由は殺人や傷害といったものではなく、学問の自由と人権問題においてです。 つまりは、この映画は事実とはほとんど関係ないお話です。 でも、非常によく出来ています。しかも、しっかり面白い! この映画を見ると、集団がアンコントロールになる過程、加害と被害は社会的役割が背景にあること、人間を恣意的に凶暴にしたり、逆に従順にさせたりするのは極めて簡単な手順を踏めば良いことなどが分かります。 その意味では、確かに心理学を扱った映画といって良いでしょう。 実は大事件でもなんでもない単なる「事実」でも、監督の手腕とプロデュースの仕方によっては非常に面白い映画が出来るという模範例ですね。 この映画の製作スタッフの力量には脱帽です。おみそれしました。 それ故、「フィクションを事実と混同しない冷静さが必要である」というあたりまえのことも、改めて思いださせていただきました。 お勧めです。
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