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多読術 (ちくまプリマー新書) (新書)

松岡 正剛 (著)
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商品の説明

内容紹介

読書の楽しみを知れば、自然と本はたくさん読めます。著者、松岡正剛の読書遍歴を振り返り、日頃の読書の方法を紹介しながら、達人による多読のコツを伝授します。「棚から選書する方法」「読書する場所」「最初に読むべき頁」等々、そのコツは多岐にわたります。本書を読んで、あなたに適した読書スタイルを再発見してみてください。


内容(「BOOK」データベースより)

読書の楽しみを知れば、自然と本はたくさん読めます。著者の読書遍歴を振り返り、日頃の読書の方法を紹介。本書を読めば自分に適した読書スタイルがきっと見つかります。読書の達人による多読のコツを伝授。

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53 人中、41人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0 読書家の、読書家による、読書家のための多読のススメ。"More is different"(多は異なり)なんです。, 2009/4/11
"活字中毒"(酒豪ならぬ"本豪")を自認する松岡正剛氏が自身の"読書論"を語っています。対話形式なので、かなり読み易いです。松岡氏のことが好きな人も嫌いな人も、"活字好き"を自認する人であれば氏の発言に「あぁ、そうそう!」と思いを同じくする処もあるんじゃないかな、と思います。(「読書の醍醐味は?」という問いに「『無知』から『未知』へ」という答えには感心しました。「『無知』から『既知』へ」でない処にご注意!) "多読術"というより、寧ろ"多読道"と呼びたいです。

多読の効能は、沢山の本を読みこなすほど、本と本の間に"知識の複雑ネットワーク"が形成され、見えてくる心的景色が変わってくるという処にあるわけですね。(⇒ これは、特に本に限る話ではないでしょう。音楽であれば、同じアーティストの曲を沢山聴けば、"アーティスト像"が頭の中に形成されますし、同じジャンルのアーティストを聴くと、その"ジャンル"の音がイメージできるようになります。そして違うジャンルを色々と試すと、意外な共通点が見つかったりします。外国語学習においても同じような例え方が出来そうです:英語 → ロマンス語系/ゲルマン語系 …)単なる情報入手ではなく、情報と情報の間の情報("メタ情報")の形成過程ですね。("点"ならぬ"線"のイメージ)この辺りの事情を物理屋っぽく表現すれば「多は異なり(More is different)」といったところでしょうか。システムが少粒子系から多粒子系に変わると各粒子間の相互作用が効いてきてシステム自身の"秩序"が決定する、つまり「量が増えると質が変わる」わけですが(「相転移」はその一例)、頭の中の"知識の総体"においても同じような話が展開出来そうな感じかな? そんなことを思ったりすると愉快でした。(^-^)
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5 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 松岡正剛が語る、読書「道」。, 2009/9/29
本読みのプロ中のプロ、松岡正剛が語る読書本。

世の中に氾濫する「読書術」は、いかに効率的に(それこそフォトやレバレッジに)知識を抽出・吸収して、
読み捨てて、自分への投資活動を行おうという形で語られる。
それはそれで良いし、その方向の読書に価値をおいて、
僕自身もその読書方法をいま勉強中で、覚えようとしている。

しかし、それはそれとして、この本−松岡正剛の語る読書術−は
少年時代からの「本好き」としての自分の血を騒がせてくれた。
この本は、「術」というよりは、セイゴオが考える「読書とは?」というものであり、
読書「道」を語っているイメージに近い。そう、ビジネスライクな本の読み方ではなく、
趣味やライフスタイルのひとつである「読書という行為」、「読書への思い」、それを語ってくれています。
(語りおろしのインタビュー形式)

少しセイゴオさんの言葉を拾い、抜き書きしていきます。
例えば本はいろいろな読み方をするべきだと熟語の造語を羅列する。セイゴオの語彙力と想像力とユーモアには圧巻!

<これらはメタフォリカル(比喩的)な言い方なので、なんとなくわかったような気になってもらうためのヒントなのですが、以上のことをわざとちょっと熟語っぽく言うとすると、たとえば次のようにななりますね。「感読」「耽読」「惜読」「愛読」「敢読」「氾読」「食読」「録読」「味読」「雑読」「狭読」とか、また、「乱読」「吟読」「攻読」「系読」「引読」「広読」とか、それから「精読」「閑読」「蛮読」「散読」「粗読」「筋読」「熟読」「逆読」といったふうにね。それぞれがどういう読み方か、想像してみてください。>

これを読むだけで、凝り固まった自分の読書への想像力を広げてくれる気がします。

同時に、読書はメンタルなだけではなく、フィジカル(肉体的)な存在とも述べています。
例えば、「食」はどのような状況で食べるかによって美味しさも変わるし、食べる量も変わる。
読書もそういったものであり、もっといい加減に(かしこまらずに)体験すればいいと言っています。
そして、これが非常に面白い。

<これはおそらく、ぼくがワイルの味蕾を使って読んだからです。>

書き手の思想や書き方や言葉づかいは、われわれには持っている受容能力では処理できないものがある、
プラトンが読めなかったんだけど、ワイルを読んだ後に再読してみると、プラトンが読めた、と。
つまり食でいうところの「味蕾(みらい)」と同じように、読書にも「感読レセプター」というのがあり、
色んな自分のレセプターを対応させていく、成長させていく、開発していくことに喜びがあると言っているんです。
これは音楽でも映画でも絵画でもそうですよね。レセプター、非常に面白い概念です。

さて、こういった読書との関わり合いには自分の知識・経験が関係するし、
本と本がもっている「つながり」がある、と。

<ですから、世界の本は総じて「書物の海」や「テキストの森」を脈々と形成しているわけですが、ということは、そのあいだのどんなものも本にもテキストにもなりうるということです。逆にどんな出来事にもいくつかのテキストがありうる。(中略) で、ぼく自身のことを捉え返してみると、ぼくは何かのおもしろい本に出会うと、その本の中から別の本につながっていくことに夢中になってきたわけです。まあ、タコ足配線みたいなものですが、いいかえればインターテキストに入っていくことが好きだったわけです。>

例えば松岡正剛の「千夜千冊」には、膨大な内部リンクが貼り付けられています。
それは、例えばあるキーワードは辞書的な意味ではない、
それこそ読書の歩みによって蓄積された知識・経験としての言葉を明示するためなんです。

そう、言葉や文章の定義づけは文脈や知識や経験で変わる。
それらは読書を通して豊かにしていける。
それを体現しているのが、松岡正剛の生き方であるし、松岡正剛が表現した「千夜千冊」であるし、
今回語った「多読術」なのだ。

でも、何よりも

<これは、いわば「本に攫(さら)われたい」ということなんです。「異人さんに連れ去られたい」ということなんですよ。そういうことがないと、読書は平坦なものになりすぎる。このことはいくら強調しても強調しすぎることはありません。>

このフレーズにピンとくる人、あなたはこの本を読んで絶対に損することがないと思います。
あなたは既に読書の魅力に気付いているんだから。そしてもっともっと読書が好きになるから。
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28 人中、19人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0 驚異の読書ウェブ『千夜千冊』の著者が語る読書体験談。それがとても面白かった, 2009/6/20
By 東の風 (埼玉県) - レビューをすべて見る
(TOP 50 REVIEWER)   
 本書で著者がいちばん言いたかったことという<読書は編集である>については、残念ながら、私にはぴんときませんでした。また、私は著者のように<本をノートとみなす>ことはできないので、「マーキング読書法」といった読書の仕方にも興味が湧きませんでした。

 読書の方法とか編集工学とかいったことはよくわからなかったんだけれども、著者の幼少期の読書体験や読書の原点、本のどういうところに関心があり、読書のどの辺に効用を感じているのかという話が印象に残りましたね。

 母からプレゼントされた石井桃子の『ノンちゃん雲に乗る』が、読書人生で最初に心に刻み込まれた本であったこと。高校生の時、親友に影響されてドストエフスキーの『カラマーゾフの兄弟』を読み、その途方もない「世界観」に呆然としてしまったこと。<この三十年間、ほぼ毎晩、午前三時以前に寝たことはないですね。読書というもの、夜に根っこをのばすんです>(p.130)と、著者の膨大な読書量の秘密(?)の一端が垣間見えるところ。そういう話がとても面白かった。

 なかでも、読書の効用、面白味について語った次の件りに、「なるほど」と頷かされました。ハッとしました。その箇所を、ちょっと引いておきますね。
 <本は「わかったつもり」で読まないほうがゼッタイにいい。ぼくもほとんどわからないからこそ、その本を読みたいのです。読んできたのです。旅と同じですよ。「無知から未知へ」の旅。効用もそこにあるんじゃないでしょうか> p.138

 筑摩書房の編集担当者、高田俊哉さんの質問に答える形で、著者の読書体験談や読書法を語っていく一冊。著者がおすすめしていることでもあるのですが、本書の目次を読み、そのキーワードからおおざっぱでもいいから内容を想像した後に、本文の中に入っていってください。これがすなわち、著者おすすめの読書法のひとつである「目次読書法」というやつであります。
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