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哲学者の誕生 ソクラテスをめぐる人々 ちくま新書 549
 
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哲学者の誕生 ソクラテスをめぐる人々 ちくま新書 549 (新書)

by 納富 信留 (著)
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Product Description

内容(「BOOK」データベースより)

哲学はソクラテスとともに始まったとされている。だが、著作を何も残さなかったソクラテスが、なぜ「始まり」となったのか。紀元前三九九年の刑死後、ソクラテスとは何者かをめぐってアテナイで政治的緊張が生じ、論争が起こる。そこでソクラテスをめぐって展開された言論活動が、プラトンら遺された人々を哲学の誕生へと促したのである。今なお多くの問いを誘発するソクラテス裁判とその後の事情、そして「ソクラテス文学」として残されている様々な作品や、初めて紹介される断片の読み解きを通して、「哲学」と「哲学者」誕生のプロセスを描く。

内容(「MARC」データベースより)

「哲学」はいつ、どのように始まったのか? ソクラテス裁判とその後の事情、「ソクラテス文学」として残されている様々な作品や、初めて紹介される断片の読み解きを通して、「哲学」と「哲学者」の誕生のプロセスを描く。

Product Details

  • 新書: 272 pages
  • Publisher: 筑摩書房 (2005/8/8)
  • ISBN-10: 4480062491
  • ISBN-13: 978-4480062499
  • Release Date: 2005/8/8
  • Product Dimensions: 6.8 x 4.2 x 0.6 inches
  • Average Customer Review: 3.8 out of 5 stars  See all reviews (5 customer reviews)
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11 of 14 people found the following review helpful:
5.0 out of 5 stars 私達のソクラテス, 2005/10/28
 名著である。哲学に対して一般の人々はどのようなイメージを持っているであろうか?哲学者達だけが了解している難解な言葉を駆使し、我々の日常から離れたところにある世界。その様に思う人々も多いのではないか。そんなイメージを払拭してくれる本である。丹念に積み重ねられた研究の成果が、非常に理解しやすく書かれている。多数の文献も引用されており、人名解説等の工夫があり、読者への配慮も十分になされている。『哲学者の誕生』を読みながら、紹介されているソクラテス文学の作品を、実際に一篇読むことで始めたらいいと思う。特に『パイドン』を薦める。著者の読者へのメッセージが伝わってくる。哲学を自らの手に取り戻せるであろう。そこから一人一人が歩み始めれば良い。新書でここまで読める、時代の流れを感じた。画一化し、ともすれば閉鎖的な日本の中で、哲学者の個性が育てられ、海外との交流を含め、多様なアプローチの仕方が認められることを願わずにいられない。前作『プラトン』でも感じたが、納富氏は新しい風を哲学に吹き込む、日本では数少ない哲学者の一人である。哲学を愛し広い視野から哲学と向き合おうという心のある人、哲学は難解で苦手と思い込んでいる人、哲学は研究者達だけのものではないという思いを抱いている人に、読むことを薦める。
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13 of 19 people found the following review helpful:
5.0 out of 5 stars 真の文脈に置かれたソクラテス, 2005/9/4
By お気に召すまま (埼玉県) - See all my reviews
(TOP 500 REVIEWER)   
我々はプラトンを読むとき、そこに何か「哲学の理論」を見出そうと血眼になる。だが、プラトンの時代には、自明な学問としての「哲学」はまだないのだ。あるのはソクラテスという「哲学者」が誕生したという事実だけだ。が、この「事実」は誰にでもそれと分るものではなかった。アテナイの寡頭派と民主派の内戦の後遺症が遠因となって、ソクラテスは刑死した。死後も続くソクラテス批判の中で、散り散りなったソクラテスの友人や弟子たちは、彼と過ごした日々を繰り返し想起し、ソクラテスは自分にとって「何であった」のか、長い時間をかけて考え、書き残した。それはある意味で、イエスの死後、長い沈黙と記憶の成熟の後に、弟子たちが別々に「イエスの意味」を書き記したのと似ている。違うのは、再現されたソクラテス像は極めて多様で、互いに対立することだ。

著者はそれを「ソクラテス文学」と呼ぶ。プラトンの対話篇もその一つであり、「ソクラテス文学」が書かれた歴史的、政治的、思想的な文脈の中に置かれてこそ、プラトンのテキストの哲学的な意味は正確に読み取られ、生き生きと甦る。例えば、プラトン『第七書簡』のソクラテス擁護はどうか(p195-202)。それはレオン事件を巡るソクラテスの行動であるが、反対派を殺害する最悪の恐怖政治になった寡頭派の三十人政権は、政敵レオンの逮捕をソクラテスに命じた。ソクラテスが命令に従わなかったのは「正義」だが、レオンを助けたわけでもなく、三十人政権下のアテナイで市民として無事に暮らしていたこと自体、彼は「公的政治に関わらなかった」と胸を張れるのか? 著者は苦しげに、しかし誠実に問いかける。『弁明』『カルミデス』等は、三十人政権の恐怖政治という文脈に置かなければ、テキストの意味自体が理解できない。真理をめぐる言説=哲学は、このように過酷な政治的葛藤の中でこそ、初めて現れることができたのだ。

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9 of 15 people found the following review helpful:
5.0 out of 5 stars この本はある意味で踏絵です, 2005/9/3
By 山坊主 - See all my reviews
(TOP 1000 REVIEWER)   
 現代の日本で哲学を専攻している学生や教職員にこの本を読ませて、「この本が哲学の本だと思う人は手を上げて!」と聞いてみたら、答えにかなりのばらつきが出るのではないでしょうか。

 ある人にとっては「これこそがまさに哲学の本!」と思えるでしょうし、また他の人にとっては「はぁ?文学系の主題を扱ってる本でしょ。」と思えるでしょう(特に現代の分析系の哲学を専攻している人なんかが読んだらそういうイメージを持ちそうな気がする)。

 そういった意味では、この本は読む人の哲学感をものすごく厳しく吟味する踏絵のような本です。「あなたはこの本が哲学の本だと思えますか?」この問いかけにイエスと答えるかノーと答えるかで、その人が哲学というものに関してどういう考え方を持っているかが赤裸々に暴露されてしまうでしょう。

 そんな恐ろしさを持っているこの本の内容は、一言で言うと「ソクラテスについて」です。プラトンやクセノポンといった人々が残したソクラテス文学を通じて、もしくは、ソクラテスの周りにいたアルキビアデスのような人々とソクラテス自信との関わり方を通じて、ソクラテスという人物を間接的に明らかにしていこうという試み、それがこの本の全てです。

 ソクラテスの真の姿を明らかにし、その真のソクラテスと向かい合って対話をすることから哲学は始まり、真のソクラテスと対話をした人物こそが哲学者となり得る。著者のこの主張は現代で哲学する人にとってこの上なく重い主張だと思います。

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2.0 out of 5 stars よくある憧れのソクラテス像
本書は2010年国際プラトン学会実行委員の肩書きを持つ新鋭の哲学研究者が博士論文を含むそれまでの研究成果を基に書き下ろした書であり、そのジャンルは哲学研究書や哲... 続きを読む
Published on 2005/10/22

2.0 out of 5 stars ソクラテスがかわいそう
「ちくま新書」がどのように読者層を想定しているのかわからないが、この種の軽薄本が評価される風潮に、現代日本の知識人の教養の低さを憂う。
「哲学者の資質を備... 続きを読む
Published on 2005/10/16

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